引っ越し初日にゴキ〇リさんとありえない出会いを果たした話
2016年の話である。世田谷公園らへんに引っ越した。
何を隠そう引っ越し好きの松といえば私のことである。引っ越しのために働いていると言っても過言ではない。
当時一人暮らしだった私は広い部屋に住んでみたくて、13畳ある綺麗にリノベされたところを選んだ。
はずだった。
ドンピシャだったはずなのだ。
引っ越し当日。
何の荷物もないが、その部屋からは「森の静けさ」のようなモノを感じられた。自分を迎えいれてくれてるかのような豊かな空気を感じ、笑みがこぼれるばかりだった。
ただ、一つだけ気になることが。リノベこそしてるはずでとても綺麗だが、木造アパートの一階の部屋だったのである。がしかしそんなことは関係ない、数十万の費用の価値がある引っ越しを私はしたのだ。
そうそう、引っ越し初日にする恒例の行事。
バルサンorスプレー。
とりあえず
とりあえずね
とりあえずゴキジェット的なスプレーを台所のシンクの下にシュッと。
とりあえずシュッとやるじゃないみんな。
シュッ、の数秒後、
彼らのパレードが始まった。
3〜5匹だったかな、やんちゃな彼らのパレードである。
あれ?お金払ってないのにこんなパレード見れちゃっていいの?
三茶ってそういう驚きと興奮に溢れる街、いや、ゴキリーランドだったんだ。素敵だなぁ、ふふ。
全身の毛穴という毛穴から汗が噴き出し、あれ俺胸の中にウーファー埋め込んだっけ?てなくらいに高鳴るサラウンドな鼓動にむしろノッてやろうかノせてやろうかいやムリだわ何がポケモンGOだよ世田谷公園はミニリュウ出るって話なのに違うモンスター出てんじゃんパリジャン革ジャン麻雀
それから1ヶ月、万全の対策をしたためそれ以来は平穏な部屋(といってもその1ヶ月で15匹は出た)(当初のエンカウント率と比べたら落ち着いたので平穏という感覚がバグってる)であったが、
「黒光りパフォーマー撲滅委員会東日本支部チーフマネージャー」の自分には、日本にとっての明治維新並みの衝撃的な出来事であったからして飯は喉を通らず夜は眠れず仕事に身が入らず聴覚が6倍くらい敏感に研ぎ澄まされた。
あらゆる対策を施したしプロにも依頼したので徐々に調子を取り戻しつつあったが、もはやこの部屋に愛情は注げない。引っ越すしかない。
そう誓いを立ててから一年半、今は絶対にヤツらの出ない安全な家に住んでいます。
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