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おかみの覚書

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#心のノート

傘と本は共有資本

どしゃぶりの中を傘もささず走って行く、ブルーハーツのような人がたまにいる。 ​いや私の周…

熱伝導性の高い世界に生きる

 宿が再開して1ヶ月が経つ。夜の門司港に連なる明かりも、少しずつ彩度を取り戻してきた。予…

ベンジャミンバロックを預かってる話

タンガテーブルの玄関先でくるくると葉を巻いていたこの人は今、ポルトの窓際で相変わらずすこ…

おかみはきっとジムリーダー説

ゲストハウスで働いている人はみんな旅好きで、 バックパッカーの経験があるのかというと決し…

八百屋にある豆腐、宿にいる人々

八百屋はちょっと私たちに似ていると思う。 身近にあるけど、毎日は用がない。 八百屋は野菜…

今はなきあの宿

20歳の春、私の心はかつてなく揺らいでいた。 自由すぎる周囲の環境のせいか、好奇心に溢れ…

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3年目の決意表明

昨年の4月、緊急事態宣言という前代未聞の出来事が訪れて、 誰にとっての緊急なのか、何が不要で何が不急なのか、 疑問の余地を残したままとうとう1年がたつ。 「たくさんの人が行き交う」光景が当たり前だった時のポルトはいつでも恋しくて、あのころ当たり前に享受していた、みんなと幸せの空気を共有することの尊さが身にしみる。 「あのころを振り返るばかりの懐古主義は、実生活に満足の行っていないことのあらわれよ 」ー映画「ミッドナイト・イン・パリ」 これに少し反論させてもらえるとしたら、

おかみの覚書vol3.「けっきょく言葉に何ができるのだろうか」

言葉を通じて私は何を伝えたいのか。 言葉を通じてあなたは何を知りたいのか。 言葉のさきにあ…

おかみの覚書vol.2 「とこのまセレクトをはじめた話」

どこに向かえばいいのかと迷いながら旅をする人に もちろん門司港の名だたる女将さんやマスタ…

おかみの覚書vol1 「まちにゲストハウスがあるってことは、まちを一緒に楽しもうって…

「Guesthouse(ゲストハウス)」という英語がないことを知ったのは、 世界各国のGuesthouseと名…

「私たちの日常は、誰かにとっての非日常。」をいっそのことこじらせる

談話室のテーブルに残る、昨夜広げたスナック菓子のかけらと、わずかな温かみを拭きされば 何…