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今年もありがとうございました。

こんにちは。皆さんお元気ですか?
森家は皆元気にやってます。
クリスマスも無事に終わり、ホッとしました。昨日、今日と家の大掃除をしました!床も蜜蝋ワックスをかけて、窓も全て拭きました。綺麗な空間にいると、心もスッキリと風通しが良くなりますね。これでお正月を迎えられそうです。そしてお正月は綺麗な家の中で、のんびりとお節を味わい、映画を立て続けに観たり、庭でバトミントンしたり、近くの山をハイクしたりと楽しみたいです。

家がキラキラ

お店の営業は30日で仕事納めとなります。その後に日記を書くのは多分無理な気がするので、この日記が今年最後の日記になりそうです。

今年は実に様々なことがありました。ご存知の方も多いと思いますが、夏に愛犬のあさが急死しました。それ以来、取り憑かれたかのように山に行ってました。
まず一人で八ヶ岳に行き、その後は家族で茅ヶ岳、八ヶ岳、一切経山、小野岳、また一人で奥多摩へと。月に2回ペースで山へ通ってました。

家に居るとあさがいない現実が迫ってくる気がして、その圧迫感というか喪失感に向き合えない自分がいました。山に入ると、例えば日常では涙腺にブレーキをかけているけれど、山の中だと周りには誰もいない状況が多くて、そんな時に周りを気にせずに涙を思いっきり流して歩いていました。奥多摩へ一人で行った時には、帰りの車中でも泣きっぱなしでした。その旅で、「泣くだけ泣いた」感がありました。

11月からはクリスマスの準備でフル回転でした。今年はペースを落として自分たちが働きやすい環境をセッティングすることにしました。その甲斐があって、明香もダウンする事なくクリスマスの激務を乗り越えました。
今まではクリスマスが近づいてくるとやる事が多すぎて、常に身体も心も張っていて余裕がなくてピリピリしていました。

今年はクリスマス前に、カウンセリングの先生とセッションをしている中で、あさの死に対しての自分なりの答えというか、ずっと影だった場所に光が射した様な体験を得ました。ものすごく個人的な事なので文章にするのは難しいのですが、いつか時が経ったら詳しく書ければと思います。とにかくそれ以来、ずっと身に纏っていた重くて身動きがとれない鎧を脱ぎ捨てた感覚があります。
その結果クリスマスも楽しかった。今までこの仕事していて、クリスマスがこれだけ楽しいって感じたのは初めてでした。

シュトレンの作業を見守る息子

うちの場合はシュトレンにしてもケーキにしても、注文してくれるお客さんの8割、いや9割は毎年リピートしてくれる常連さんです。ですので、作る際にも皆さんの顔が浮かびます。不特定多数の為に働くよりも、お客さんとの信頼感があった上で仕事をするのとは、出来上がった物に雲泥の差があると思います。
手作業で一個ずつ、食べ物を作っていく中でお客さんの為にって思うと自然とそこでエネルギーが湧いてきて、そして食べ物にもそのエネルギーは伝わっていると信じています。そのエネルギーって何なのか?って思うと、僕は「愛」だと思います。

あさが生きている頃は、散歩だったり、ご飯作ったり、何かと忙しなく時間が過ぎ去っていました。今思うと、よくやれてたなって。それくらい凄まじいエネルギーを要しますよね、犬と暮らすって事は。それでもこなせていたのは、やっぱりそこに「愛」があったから。逆を言うと「愛」がそこにない事は、やらなくてもいいと思える様になりました。

あさは愛を運んでくれました

クリスマスの日はケーキの受け渡しのみだったのですが、お客さんから沢山の差し入れを頂きました。
「今年はどうだった?疲れてない?」
「毎年楽しみにしているんだ」
「娘が帰ってくるから一緒に食べるのが楽しみ」
お客さんとのコミュニケーションを重ねる度に、僕は初めて森喫茶は沢山のお客さんの「愛」があってこそ成り立ってるんだなって気づきました。
いつもの営業日は作業に集中していたり、忙しい時には話も出来ないけれど、ケーキの受け渡しの日は僕自身リラックスしていて、今までにないお客さんとの距離で接することが出来ました。

僕はお店をやっていく中で、「アットホームな感じ」を大切にしたいと思っています。お客さん同士が笑い合ったり、ちょっとした相談を聞いたり話したり、おすすめの映画の話をしたり。
森喫茶で時間を過ごしたあと、日常の生活に戻った時に、少しでも明るく前向きになってもらえれば最高に嬉しいです。

パンとかケーキはその為の道具だと思ってます。脇役なんです。喫茶店の主役はあくまでそこで働くスタッフ、そしてお客さん。
皆さんの人生にそれぞれのストーリーがあって、ほんの少しだけでもそのストーリーのキャストになるわけです。
喫茶店で働くことは幸せだと感じます。
あさが亡くなった時にも沢山のお客さんから支えてもらいました。
その御恩は忘れません。

今年は新しいお客さんとの出会いも沢山ありました。
初めましてのお客さんとも、回数を重ねる度に話が弾んだりして、いつの間にか常連さんになってくれていて、そこがまた喫茶店をやっていて嬉しいことの大きなひとつです。

浅く広くではなく、狭く深く、お客さんと繋がっていきたいのです。
来年は、とある作家さんの展示販売や、とあるブランドのワークショップなどを企画しています。その時は僕達もお客さんと一緒に楽しみたいです。
今後そういう、「お客さんと一緒に楽しむ」というテーマで、森喫茶を今までとは違った角度で眺めてみて、盛り上げていきたいです。

まだ30日の営業がありますが、皆さん今年も森日記を読んで頂きありがとうございます。拙い文章で読みにくい部分も多々ありますが、読んでくれた人の心に僕が書いた文章、言葉が少しでも響いてくれる事を願っています。

また来年も森日記を書き続けていきますので、よろしくお願いします。

皆さん、良いお年をお迎えください。

森喫茶 店主 森圭

追伸
最後に今年観た映画の中で感動した映画を何本が紹介します。
お正月に時間があればぜひぜひ。
観た映画の感想をまたお店で聞かせてください。

大好きなマイクミルズの作品。子供たちの方が大人だと感じました。
親の立場で見ると色々と考えさせられるし、ボーッとなんて生きてられないと強く思った。

観た後に上手く消化出来ない、スッキリとしない。うちはTVをほとんど見ない。
それは完璧に作られた世界だから。でも映画には教えられる事が多いし、例えば主人公の人柄に今後の自分の人生に影響があったり。そういった意味でも観た甲斐があった映画でした。

夫を亡くしたファーン(妻)が車で旅をしながら生活する話。音楽がとにかく素晴らしい。僕も今後歳をとって、一人になったらこの道を選ぶかもしれない。
「孤独」が癒す「何か」があると感じた作品でした。

明香の選んだ作品です。とにかくこの世界観が大好き!だそうです。
漫画も全巻持っているし、日々コツコツと二人の絆を深めていくことがどれだけ大切なことか、「食べる」という時間、行為がどれだけ大切なことか。観終わったあとに、「また明日から日々頑張ろう」と思える映画です。