【心の詩歌】短歌の韻律について考える その一 べくべから
まず一首読んでみましょう。
私自身の読書体験によれば、どの本にどう載っていたというところまで思い出せませんがこの一首は韻律のすぐれた短歌として取り上げられることがあります。
私自身もそう思っています。
「べし」という古語の助動詞の活用が、おそらくは小太鼓の演奏のように聞こえるという一首ですが、前半部をすべて「べし」の活用で埋めていて面白い短歌です。「すずかけ並木」という言葉も、等間隔に配置された木々を思わせて、リズム的な感覚があります。
ただ、思うことがひとつあります。
この短歌は意味が薄い。
しばしば、意味と韻律は対立物ととらえられます。
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