リアルな

仮想現実で、僕らは僕ら自身のアバターを通して会話が出来て、先端の技術で触れた感覚や体温まで伝わるようになったとしたら、僕らが現実で会う理由は、生殖以外にはもう無くなってしまうのだろうか。
ヘッドセットを外した瞬間に、この部屋で僕がひとりで味わう孤独は、それはもう死んでいるような温度をしているのだろう。

ずっと、遠くの。この部屋を出て、この県を跨いで、はるか遠くに確かに君は居るはずなのに、目の前に君が居ないから、そういう理由で僕自身すらどこにも居ない気がしてしまった。

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