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No.9 浮気をした話

こんにちは、サクマです。

初めてのカメラにCanonを購入したのが4年前、その半年後にはFUJIFILMに移行し、以来休日はほとんど毎日写真を撮ってきました。カメラを持ち始めた頃は、ただひたすらに楽しかったです。シャッターを押すだけで胸が高鳴り、初めて単焦点レンズを付けてファインダーを除いたときは、世界が違って見えました。

しかし、ある程度写真を撮ることに慣れて知識もついてきた頃、毎日のようにSNSに流れてくる目を疑うような写真、こんな写真を自分も撮ってみたいという感情が芽生え始めた頃に、少しずつ、もやもやした感情が生まれ始めました。

その感情が何かは、すぐに分かりました。ひとつの言葉では表現できませんが、SNSで流れてくる写真に憧れ、真似をしても思うように撮れず、嫉妬し、試行錯誤を繰り返し、それでも撮れず、そんな中生まれた負の感情です。皆さんの中にも似たような経験をしたことがある方がいるのではないでしょうか。最初こそ、それが向上心に繋がっていたのですが、気がつけば写真を撮ることの目的が「楽しむこと」ではなく、「憧れの写真を撮ること」に置き替わっていました。

それから私は、SNSで好きだと感じた写真を撮影した機材を調べるようになりました。その多くはフルサイズ機で撮影されており、フルサイズ機を使えば同じ写真が撮れる、そんな考えで頭がいっぱいになりました。今思えば馬鹿みたいな考えなのですが、当時はそう思い込んでしまっていました。

そこからは、ひたすらに葛藤の日々でしたFUJIFILMへの愛着はあるから手放したくない。でもフルサイズ機も触りたい。でもお金がない。
数ヶ月悩み、最終的にFUJIFILMは手放さないままフルサイズ機を購入しました。金欠の所以です。
購入したのは某老舗メーカーのミラーレス一眼フルサイズ機。憧れの写真家さんが使用しており、購入するならこれだと決めていました。手元に届いたときは、それはもうワクワクしました。初めて手にするフルサイズ機、どんな写真が撮れるのだろうと、心躍りました。

「あれ。なんか違う。」

初めてフルサイズ機で撮影をしたときの率直な感想です。たしかに撮れた写真は綺麗でしたが、良くはない意味で、何かが違いました。

単純に楽しくなかったのです。初めてFUJIFILMでシャッターを切ったときの感動を越えられなかったのです。ここでようやく、FUJIFILMのカメラとレンズで写真を撮ることが楽しかったのだと、気がつきました。

FUJIFILMの機材は、持っていてテンションが上がるのです。好きな機材で写真を撮る、個人的にこれは写真を撮る上で何よりも大切なことだと思っています。解像感や階調に不満を感じたことはありませんし、ルックス、アナログな操作感、シャッターフィーリング、色味、すべてに於いてFUJIFILMは魅力的で、撮影が楽しいのです。

雨降って地固まりました。以降、生活に溶け込むカメラとして、ほとんどの休日をFUJIFILMと一緒に過ごしています。購入したフルサイズ機は、ひと月もしない内にドナドナされていきました。

長いこと同じカメラを使っていると、他機種に目移りすることもありますよね。そんな時は前向きに、なぜこのカメラを購入したのか、このカメラの好きなところはどこなのか、改めて自身のカメラと向き合うことで、かけがえのない魅力に気が付けるかもしれません。私のように、一度浮気してみるのもひとつですし、結局のところ楽しみ方は人それぞれなので、各々が思い思いに写真を楽しめればそれで良いと思います。

ところで、GFXの購入は浮気になりませんよね。

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