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ついに。

生まれた。
お腹の中で10ヶ月間、私と朝も昼も夜もトイレも四六時中ずっと一緒だった子が。

予定日まであと少しというところ。
夜に今の胎動の激しさを動画で残しておこうとふと思い立ち、日が変わったにも関わらず、お腹の子が動くのをケータイ片手に待ち構えていた。
無事に動画も撮れたので、さあ寝ようとしたところ様子が変。
どうやら破水したらしい。
病院に電話をして様子を見たけれど、なんだかお腹も痛いような。
入院グッズを抱えて、病院へ。
診てもらったところ、やはり破水していた。
そのまま入院となってしまい、夫との突然の別れ、そしてマタニティフォトを撮り損ねてしまったことを思い出してちょっと落ち込む。
その日は抗生剤を打って様子を見た。
生まれる様子がなく、翌日誘発剤を打つことに。
ああ、明日産まれちゃうのか、産んじゃうのかと思うと、この大きなお腹もなんだか今まで以上に可愛く思えてきた。

翌朝。
予定通り投与してもらい、分娩室へ。
呼吸を整えるといいと言うことだけは知っていたので、とりあえず目を瞑って意識して呼吸をする。
だんだん痛みが増してきて、いや全然整わないのだが!?と思いつつも、無理やり「ふーふーっ!」と口に出してみる。
そのうち「ふーふーっ!じゃ無理ぃぃぃぃ!!!」って気持ちが「あ"ーーー!」とか「う"ーー!」などの叫びになって「痛いぃぃぃ!」ととにかく痛いと言うことだけしか言葉にできない。
担当の助産師さんからは「はい、ふーふー」と背中をさすってもらったり、テニスボール押し当ててもらったり。
子宮口は全開になったようだったけど、なかなか出てきてくれず、体勢を色々変えながら力む。
それでもダメで、会陰切開して吸引することに。
ここまでで何回「もう(お腹を)切りたい」と思ったことか。
ただ、ここまできたらもう産むしかないぞと奮い立たせ、陣痛に合わせて思いっきり力む。
助産師さんも先生もこの陣痛で産ませると思っていたのか、足は固定されるわ、お腹は押されるわで、分娩室にはいつのまにか10人?くらいいた気がする。
そして、3回目で力み、「もうこれで産みたい(切実)!!!」と願ったところ、やっとこさ、産まれてきました。

小さくて細い。
お腹が膨らんでいたとはいえ、よくお腹に収まっていたなとも思った。
傷口を縫合されている間、いろいろ処置される我が子。
隣に連れてきてもらって顔を見たけれど、放心状態すぎて「よかった」以外の言葉が出ない。
とりあえず、本当によかった。
頑張ってよかった。

初産だったから、妊娠〜出産までは何もかもが初めてだったけど、改めて思うのは、世のお母さん達は本当にすごいという事。
これを書いているのは出産してから1ヶ月後だけど、産むまでの過程もそう、産んだあとのボロボロの体で3時間おきのミルクとその他のお世話にしてもそう、お母さんって本当にすごい。
これまで以上に自分の母を尊敬し、そして感謝している。
産んでくれて、育ててくれて本当にありがとう。

慣れない育児で母の日を忘れてしまい、遅れた母の日になってしまうけど、ちゃんと感謝の気持ちも伝えて、ちょっといいプレゼントを贈ろう。

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