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未知との遭遇

「わたしたちは、もう、たいがいのものを食べている」

昔、ダイエットの先生が言っていた。

「わたしたちは、いい歳をしてるんだから、世の中にあるたいがいのものは、すでに味わったことがあるはずだ」

「だから、何か食べたくなったら、『もう、この味は知っている。だから食べなくて大丈夫』と自分に言い聞かせるように」

先生はそう言った。

確かに。けだし名言。

「マックでグラコロが出たってよ!」
・・・いい、食べたことある。

「ハロウィン限定のかぼちゃプリンだって!」
・・・知ってる。ほくほくとした優しい甘さだよね。

自分にそう言い聞かせる。
現代の日本に住んでいる我々には、
「見たこともない、食べたこともない」ものって、そうそうない。

鼎泰豊の小籠包だって、

台湾のサニーヒルズのパイナップルケーキだって、

モンサンミッシェルの名物でっかいオムレツだって、

日本で食べられるんだぜ!

そう思っていたが。

博多駅のカフェ「オスピターレ」で、

カフェ オスピターレ


あるお菓子を見かけたとき目を瞠った。

・・・これは、食べたことがない。

「スフォリアテッラ」


はまぐりというか、カネゴンというか。

食べてみると、めっちゃパリパリしています。

硬いわけではない。しかし、パイと呼ぶにはかなり硬派。

濃いめのコーヒーに合います


「スフォリアテッラ」とはヒダを何枚も重ねた、というイタリア語。
ナポリ発祥のお菓子だそうです。

手作業でパイ生地を何層も重ね、一枚が【バリっバリ】に焼きあがるように作られています。

(「オスピターレ」HPより)

そう、「パリパリ」というより「バリバリ」。

中には、クリームチーズ、シナモン、オレンジなどが入っている。
(わたしの選んだのはチョコ味だったので、中身もチョコが使われていました)

つくるのに非常に手間がかかるお菓子で、日本ではここでしか食べられないそうです。

カフェの外にはでっかいスフォリアテッラ


・・・世の中のものは、すでにたいてい食べている。

そう思っていたわたしですが、まだまだ未知の味覚がわたしを待っていると痛感しました。

Life is  a journey.

Unknown taste awaits me.

先生、ダイエットの道のりはまだまだ遠そうです。

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