見出し画像

猛暑で妄想 長い人生の楽しみ方  

仕事と趣味とライフワークの住み分けについて

台湾に旅行に行ってお土産を買うときや家庭への食材のご用達にと言えば、行って楽しい迪化街。そこにはたくさんの乾物や漢方、台湾茶や雑貨のほかに最近はおしゃれなカフェなどもあって、歩いていて飽きない旅行者のお買い物スポット。
なにか台湾らしい食べ物や日本にはないアジア系のものを探したいときに台北の迪化街に行くのはいい選択のひとつ。迪化街を思い浮かべるだけで、ああまた台湾に行きたい!と思う。
 
迪化街には漢方を扱っているお店が軒を連ねていて、こだわりのお客を逃さない。そんなお店に立ち寄って、台湾でしか手に入らない愛玉子を買うのも間違いない選択。
 
 そしてコロナがやってきて、私たち台湾好きの旅行者をずいぶん遠ざけてから、早や2年。さてさて、貴方の台所の片隅に、台湾で買って帰った「愛玉子」の種はありませんか? ちょっとした台湾通なら、「愛玉子ゼリー」が家で作れることを知っているでしょう?
親切に袋までついた種のセットを買ったことありませんか?そしてまだ作ってないそこの貴方!一度消費期限を確認してみてほしい。もう台湾に行けなくなってからかれこれ2年が過ぎているわけで、その前にお土産で買った、あるいはお土産でもらった「愛玉子」はもはや消費期限がすぎているのではないだろうか? 
 
偶然にも最近、ワークショップの打ち合わせで、種の消費期限についての是非を話し合ったり、とあるボタニカル研究者から、手元にある昔の「愛玉子」の種を頂くことになり、これはいい実験材料になると大喜びの室長。研究課題がまたできた。
 
先日もらって帰ってきた種に記載の消費期限は2020/09/08 もはや2年過ぎている。保存方式は請冷蔵の文字。冷蔵保存してねということだったのだが、冷蔵庫にはいれていなかったそうな。内容量の表記はなく、ネットで調べてみると40gのはずが、測ってみても包装を含めても40gない。 乾燥して減ったのか。。。?売っているのはかなり大手の漢方薬のお店の様子。
商品説明は、お店精選の自生の阿里山産、もちろん純天然でモミモミの袋付き、40gを1500ccの湯冷まし水で5分モミモミしてくださいとのことが扱っている店のウエブショップに書かれていた。
 
ちなみに台湾では法律で他の食品添加物を含まない植物の果実や種の包装食品は栄養表示をしなくてもいいことになっているそうだ。
 
当愛玉籽研究室で扱っている種の品種のうち、自生で天然ものの阿里山産は他と比べて、食感がサクッとしている。水戻りも早い。揉んでいてわかるくらい5分を過ぎると、あれ?っと思うほど袋の中の種がサラサラしてくる。
自生の天然の種の由縁。でも水の中で少し小さくなったゼリーは、きりっとシャキッとしている。食感や色は好みだと思うので、どれがいいとか悪いとかはないけど。今回消費期限を大幅に過ぎて、冷蔵保存していなかった種で作った場合、どうなるか実験してみようと思う。結果はまた後日談にするとして、
 
農家さんがいうには、乾物屋で売っているものの中には、増粘剤のような添加物を噴霧して売っている店もあるという。
なぜそんなことになるのかというと、やはり売れ残る在庫処理ということだろう。台湾でも、実は頻繁に愛玉子を手作りで作って食べている家庭は少ないという。夜市や街頭で、出来たものが安くですぐ手に入るからだ。
ほんとに手作りで本物で作っている店とそうじゃない店もあるかもしれない。事実、愛玉子の粉の業務用というのが平然とネットで売られている。
中身は愛玉子の種のエキスでもなんでもなく、添加物の塊だ。
(だいたい 愛玉子の種のエキスを抽出する技術のほうがコストが高いだろうし、そこまでして粉にする意味を全く感じない。濃縮還元でもして少ない量でたくさん作れるとしても、それは原料代がもっとかかるのではないだろうか???)
 
そう考えると、愛玉籽研究室でやっている活動って、ワークショップを通じて日台のことを考えたり、食について考えたりするという場をつくっているようなもので、種で相当な利益を出すことを商売を考えてない分、お付き合いしている農家さんには申し訳ないなぁと思う面と、楽しくやらせてもらっている分恩返しをしたいなぁと思う面、そして種をお仕事で買ってくれた人への感謝の思いがあり、ときどきモタモタしている自分に焦る。そもそもこれはいやな仕事でもなければ、娯楽でもなく、私にとってはライフワークなんだな。とあらためて思った。360度の視界で節操なくいろんな人と関わりたいと今は願っている。
世間体を整えるためにしなければならないことはあるけれど、枠を決めずに自分のやりたいようにやれるライフワークは無限大、きっと失敗も多いかもしれないけど、それも研究室のワークだと思えば楽しくやれる。(楽しい分、もっと農家さんにお返ししたいと思うようになる無限ループ)
 
暑さで倒れそうになった高雄の街頭の屋台で売っていた愛玉子ゼリーにありついたり、台北の夜市で喉の渇きを癒したくて食べた思い出。
今度行くときにはぜひあちこちであらためて食べてみたい! いやその前に農家さんのところに行きたい! と、
種をモミモミしながら妄想している。

#私の仕事 #愛玉子 #台湾固有の植物 #日本の植物博士が学名の名付け親 #ライフワーク #ワークショップ


いただいたサポートは、愛玉の普及活動費に使わせていただきます! サポート、応援よろしくお願いします。