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ひとさじエッセイ:足の指先まで洗えているか

やっとセルフネグレクト期が落ち着いた。今でもたまーにある。
2年前なんかはもっと酷かったけど。

自傷行為とは違う、自分に意地悪をしてしまう時期だ。
それも無意識化が多くて俯瞰で自分を眺めたときに「なんてみすぼらしいのだろう」と気づくことが多い。
陽の光に干せていない布団で眠り、伸びて汚れた爪、食欲がないからと1日おむすび一つで済ませる食事に整えていない髪型。
人に会わないからとしばらく入っていないお風呂。

十分な食事もとらず、気分は落ち込み続け自分で自分を責め続ける日々。
質の悪いベッドに横になりながら眠れない夜を過ごす。
一時はそんな日が続いた。

自分で自分を気にかけてやることもできず、心身ともに薄汚れているときに「あぁもうちょっと自分を大事にしてやらなきゃな」と気づく日が来る。

そんなときは部屋の空気を入れ替えて、布団を外に干し、ちょっと贅沢でも好きな食べ物を自分に食べさせてやり、昼と夜の2回風呂に入る。
夜は湯船に浸かるためだ。のぼせやすいのでシャワーを浴びたついでに湯船に浸かっていられないのだ。

昼は丹念に時間をかけて頭のてっぺんから爪先まで身体を洗う。
髪を洗い、耳裏、背中と降りてきて足の指の間も丹念に洗う。その後の夜に湯船に浸かり、保湿クリームを塗りたくって今日干した布団の中で眠る。
1日やるだけでも気持ちが切り替わり、だいぶすっきりする。

ネグレクトというと地味ではあるが自傷のひとつだ。
自分の身を守らねば。自分を大事にしてやらねば。自分を一番大切にできるのは自分なのだから。

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