見出し画像

手術の準備

いよいよいろんな準備です。

自分で準備するもの。
病院がワタシを手術するために検査すること。
そして、旦那以外の家族に報告などなど。

いろんなことをやりました。
これがめんどくさいっつーかなんつーか本中華。。。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


親に言わずに手術しちゃおっかなー。

なんて思ったものの、さすがに水臭すぎるな、と思って、自分の親、そして旦那の親に言うことにした。

母には実家へ出向き、「実は乳がんだったので、手術してくるね」と、なるべくライトに伝えた。

我が家はとても家族間はライトな付き合いで、

「便りの無いのは良い便り」

をまさに地で行く人たちで、なんなら本当にワタシ含め水臭い人間ばかりだ。
死んだ父は少しかまってちゃんだったが、他の家族は本当に、黙ってたら一人で死んでいくかもしれないタイプばかり。

さすがにそれでは申し訳なさすぎるので、一応伝えた。

母はワタシを気遣ってか、「手術の時は病院に行く」と穏やかに言ってくれた。
何ができるわけでもないとは思うが、なんとも心強く思った。

やっぱり、母だな。


一方、旦那の家族は密接だ。

夫婦寄り添い合って旦那きょうだいを育ててきたんだろう、と思うような、本当にハートフルな家族だ。

そんななかでもわが旦那だけ異色というか、自意識過剰なのか、少しつかず離れず、しかし家族の一大事には一言言わないと気が済まないタイプ。

(だからワタシの病院決定に不満たっぷりに意見してきたのであろう…)


だもんだから、電話の向こうで少しパニックが起こっているように感じた。

そんな、別に死ぬわけでもないのに。

(とかいって、ワタシも数日前までは死に対して慌てふためいてた人間だったくせに)

旦那のきょうだいや親類には心配をかけたくないので、「くれぐれもお父さんお母さんだけでこの話は…」と伝えたものの



後日旦那のきょうだい家族から「心配してる」との連絡を受けた。


爆笑。



それぞれの家族のかたちに思いを馳せた。

みんなあったかかった。

あと、旦那のお父さんに「娘の一大事なんだから、心配して当然」と言われて、普通にうれしかった。



(余談。こういうとき、普段のワタシだったら、「息子の妻が娘なのかどうか」みたいな疑問が湧き出そうな気がするが、単純に感謝の気持ちが出てきたくらい、向こうの両親と信頼関係が築けていたのだと思った。お前本当に良い両親持ってよかったな、旦那。と心の中でつぶやいた←アタシ偉そう)



さて、病院に乗りこみだ。


の、前に、まだやることがあるらしい。
術前にいろんなことを確認したり、検査を行った。

まずは、看護師さんに入院と手術に当たってレクチャーを受けた。
さすが大学病院。入院についてのパンフレットをもらった。

このために印刷費をかけるとは。
掲載内容を病院の担当者からヒアリングして精査、原稿に起こしてイラスト準備して、編集してチェックいれて、印刷所に入稿して、はてどれくらいの日数で制作するんだろう。
などと、職業病で頭の中がいっぱいになりかけたのを打ち消した。

そのページをめくりながら、入院時の持ちものや注意点などなど、いろいろ確認していった。

看護師さんは優しそうな、ちょっとだけ私よりお姉さんな感じの方だった。話しやすさってありがたい。

そのなかで、2つ、ものすごく抵抗感のあることがあった。


1つ目。

尿道カテーテル。


その名の通り、尿道にカテーテル(管)を突っ込む、あれ。

うわあ…いやだなあ…と、手術よりも抵抗感をあらわにしてしまった。


看護師さん曰く「全身麻酔が利いてから入れるので、全く痛みも感じないですよ」と言われた。

そんなことはわかってる。

全身麻酔してカテーテル入ってなかったらきっと垂れ流しになりそうだ、とかそういう想像もしつつ、いやそうじゃない。


絶対抜く時気持ち悪そう…。

しかもカテーテルぶっさしてる状況がもう嫌だ…。


あほくさいが本当に嫌だった。

マジ胸掻っ捌いてしこり取るより嫌だった。

そのことを言うと、盛大なる苦笑を、優しそうな看護師さんからいただいた。


その2。

絶水。


絶食は全然いいのだ。

水だよ。水が飲みたいんだよ。


ワタシは水分大好き人間。

優しいナースの説明の後、にこやかにやってきた麻酔医の若造(失礼)がひとしきり説明をし、


「1日、というかスケジュール的には半日絶食絶水ですね。朝起きたら水も飲んじゃダメです。大丈夫半日ですよ。」


と言い放つ。


まあ当然。

当たり前なのだが、受け入れられないワタシはなぜか無駄に食い下がった。


えー…例えば手術の数時間前から飲まない、とかじゃダメなんですか?
10時くらいとかさ。
別に朝から飲まないとかじゃなくても良くない?


と。


麻酔医「はい、朝起きたときから飲まないでください。大丈夫、点滴しますんで脱水症状とかにはなりませんよ」


麻酔医「そんなに長い時間でもないですし…(我慢しろよ、の意)」


…わかっとるわい。


でも、ごくごくと水やお茶を飲みたいんだよ。

喉の音をたててね。

わがままなのは承知で、何度も食い下がるが、一笑に付された。


敗北(当たり前)。


また、後日改めて手術前にMRIを撮ることになった。

時は夏だった。説明聞いているときに看護師さんが

「制汗スプレーって使われてます?あれは使わないでください」

と言われた。
へ?と思ったものの、なんか引っかからずに話が進んでしまい、理由を聞き忘れてしまった。

後で調べたら、成分が良くないだけでなく、マンモグラフィで写っちゃうとかなんとか…?!
え?そんなことあるんだ。

考えてみたら、どちらかというとガスの勢いで冷たくなってる感じだから、環境にも良くないなあ、なんてことを思い、以後ガスタイプの制汗スプレーを使うのをやめた。


さて、MRI。

切るべきしこりがどれか、また乳房の中で散らばってないかを確認する、らしい。

これがまた、めっちゃしんどかった。

MRIが大変だとは噂には聞いていたが、こんなに耳障りな騒音の中検査するなんて思いもよらず。


MRIをダウンさせないように、冷房はガンガン。

また、造影剤を血管から注入していくが、



それのまた冷たいこと!!!!!!!!!



手の甲に針を刺して注入されたのだが、マジで血管を進んでいくのがわかるぐらい、キンキンに冷えていた。



キンキンに冷えたのはビールかシャンパンだけにしてくれ。



おかげでブルブル震えながらMRIを撮った。

MRIは、おっぱいをいれるボウルみたいなところがあって、そこにうつぶせになって自分の胸を入れ、撮るのだ。

なんておもしろい。。。


このMRIの検査の際、旦那が「ついていく」と言い出し、一緒に病院に行った。
が、検査時に提出しなければいけなかった書類を忘れたワタシを、めちゃくちゃなじる。


腹立ちつつ「検査できないかも…」と半べそをかきそうなワタシを見かねた看護師が、カルテをひっくり返し調べ、その書類の控えを取り出してきた。



「この控えがあったので、ここにサインしてください!これで検査できますから!!!」



めっちゃ感謝。

一体なんの書類だったか忘れたけど(同意書かな…?)、こういう機転の利く人間になりたいと心から思った。



そして旦那は病気の妻をもっと労われ。。。

基本、弱い人間に寄り添うような考えがまるでないのだ。



考えてみたら、仕事だけが悪の元凶と思っていたけど、この旦那とサバイブしてるのも、かなりなストレスだったかも。


しかし本人は、自分が病気の一因になっているかもしれないなんてこれっぽっちも思っていない。

アタシが彼の立場だったら、まっさきにそう思っちゃって凹むかも…と、本当にメンタルの持ちようの違いを感じたのだった。

まだ、モラハラなんて言葉が普及してないころのお話。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


※先生とのやり取りや説明など、うる覚え過ぎる&ある程度の脚色が入っております。
また、医療は日進月歩です。当時の情報が現状とは違う可能性が「大いに」あります。何かご自身のお体にご不安がある場合は、専門の医療機関に問い合わせることを、強くおすすめします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?