日記#47 入院当日の病棟。ジーザスなキリスト先生、再会のメガネ先生
2023/11/28
さてさて、前回の日記から約1週間後の本日火曜日。主治医キリスト先生にご提案いただいたセカンドオピニオン先の病院ではなく先生のいる大学病院での治療継続の意思をお伝えし、無事その運びとなったのが先週水曜日の診察。そしてその際に決まった抗がん剤治療のための入院の日となり此度私は2023年11月28日付で、２泊3日で病棟の住人と相成ったのでありました。
それでは今日の日記、はじまり、はじまり〜。
今日までの1週間近くはひたすら入院準備と遊びに明け暮れた。最も遠出したのが書店目当てに赴いた大阪梅田。半端なく人が多くてうるせえなという感想。スタバで昼食中真横でアイドルイベントが爆音で開催されていて死にそうになった。オタクの鼓膜は強靭すぎる。とにかく目当ての本と下着を手に入れることには成功。2度と行く気はせん土地。
他は地元で入院必要物品を買い集めたり、またまた病院に侵入してくつろいだり、行きつけクリニックで用事を済ませたりしていた。そんなこんなで日にちが経過し遂に今日という入院日を迎えたのだった。
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今日は朝9時から受診でその前に採血があったので6時起きで支度した。準備が済み次第ワンちゃんに別れを告げそそくさと自宅を後にした。これから数日、家族のいない空間でのパラダイスリゾート生活が待っておるのだ。楽しみでならない。
入院用品がぎっしりのスポーツバッグを抱えて病院に到着し、受付して採血。その後診察。今日はキリスト先生の外来担当日ではないので別の先生。ストーマ造設手術の日に説明をしていただき、前の抗がん剤の際にも外来がんセンター診察でお会いしたメガネっ娘先生。クソ重い荷物に振り回されつつ診察室に入ったら、「あっ、血液検査大丈夫でしたよ〜、入院できますよ〜」とお伝えされ診察室前に放流された。そいつは何より。だがこの釈然としない気持ちはなんだろう。キリスト先生だったらこういう時もっと丁寧に接してくれるんだよなぁ…。ほんとにジーザスだよ先生は。
ともかく診察を終え入院センターへ。必要な手続きをして病棟へ。前回の手術未遂を入れたらもうこれで4回目なので勝手知ったる病棟。ナースステーションで受付の事務の方に声を掛け病室まで案内していただく。1111号室。究極にゾロ目。特に縁起の良い数字ではないな。残念ながら窓側のベッドではない。ま、数日だし我慢するか。入院センターで事前にお伝えされた通り隣の病室が工事中で騒音が聞こえるけれど、イヤホン入れて音楽聴いてれば気にならないレベル。さあ、今日からここで私の楽しい入院生活が始まるわけですよ。
私以外の同室者も今日付で入院の方ばかりのようだ。顔を合わせた時少し挨拶した程度なのでどんな方々なのかはわからない。今回は詳しく知り合う前に退院しちゃう予感。担当の看護師さん、栄養士さんにご挨拶していただく。それから病棟師長さんが挨拶にいらっしゃった。お久しぶりですー、的なご挨拶をして変わりないかと尋ねられる。いやぁ、再発なので変わりはありますね。とお返事。華麗なるスルー。私とはユーモアのセンスが合わないようだ。
朝食が少なめだったので、11時過ぎからすでに死にそうに腹が減る。おやつをコンビニに買いに行きたかったけれど、薬剤師さんの訪問がまだなので我慢。心の涎を垂らしまくってたらお昼ご飯の時間になった。ご飯と鶏肉の照り焼き、小松菜の和物、アスパラのお浸し、味噌汁というバランス食。味もあっさり美味しい。こういうちゃんとしたご飯久々で堪能した。早くも夕食が楽しみになる。
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お腹もいっぱいになり、満ちた状態で音楽聴きながらChatGPTとお喋りしてたらキリスト先生が来訪。超嬉しい。お会いしただけで一気に気持ちが元気になった。隣の部屋の工事がうるさくてごめんね、と気遣っていただく。やさしい。体調について薬が効いてるし大丈夫だとお伝えした後、今回の抗がん剤治療について説明を受ける。
前の抗がん剤点滴では複数の薬を使ったけれど(パクリタキセルとカルボプラチン。最終回だけベバシズマブBS)、今回は1種類の薬だけを使うそうだ。ジェムシタビンという薬。入院は初回だけで後は外来で、というのは前と一緒だけど、スケジュールは違った感じになるらしい。通院の回数が増えるそうだけど、病院大好きだから無問題。抗がん剤で腫瘍が小さくなったら手術するってことになるそうだ。把握。
それから先生は、入院について母に伝えたかを尋ねられ、そうしたと申し上げるとそれについて母が何か聞いていたかとお尋ねになり、特に何も、とお伝えした。先生は私が家族のことで悩んでいるのはご存知だ。でもその詳細までをご存知なのかはわからない。というか、なんか家族が私に対して無関心で、それが問題になっていると先生には思われているような気がする。だとしたら勘違いをさせてしまっていることになる。無関心ではなく、過保護過干渉が問題なんだよね。関心が変にあるというか、関心の持ち方がズレていて、それが私の負担になっているのだ。
家族が私にとって精神的苦痛の根源っていうのは間違いではないんだけど、事実とは違うことでご心配いただいているのであれば心苦しい。明日心理士Gさんにお会いできるので、その時ちょっと相談してみようと思う。
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ハイパーキリスト先生タイムが終了してすぐ薬剤師さんの来訪。前回と同じ方。気さくでお話ししやすい。薬剤師さんからも抗がん剤についてご説明いただき、その副作用やしんどい時の対処法のアドバイスを教えていただく。ありがたい。食べられない時はハーゲンダッツのようなお高いアイスクリームがおすすめらしい。少量でもカロリーが高く、脂肪分もしっかり摂れるからということだ。よし、抗がん剤キメてしんどくなった暁には、ここぞとばかりにダッツパーティ開催するよ。
血液検査の結果はどこも病気じゃないみたいなくらいに良く心強いものであったそうだ。腫瘍を小さくして手術というのが今回目指すべき地点である模様。抗がん剤をやって何か少しでもしんどいことがあったら言ってくださいね、その方がお互いのためになるので、と仰って、薬剤師さんは帰って行かれた。何かあったときはよろしくお願いいたしますよ。
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薬剤師さんの来訪も終了し、抗がん剤同意書もサインして看護師さんにお渡しして今日のタスクは終了した気配なので、財布とスマホ持って1階コンビニでおやつと飲み物を買う。なげわとなんかスタバのうまそうなやつ。それらを持参して病院の庭園へと向かった。
寒空の下、うまい空気。コートはしっかり着込んでいるので風にも負けぬ。ちょうど時刻は15時。至福のおやつタイム。読みかけのトラウマの本(電子書籍)を読みながらなげわパクパク、飲み物ごくごく。周囲には誰もいない。寒いから皆来ないのかな。なんにせよ1人きりの空中庭園でまったりご休憩した。
今日はもう何もなさそうとは言えあまり病棟を離れすぎるのもどうかと思ったので病室帰還。取り敢えずこの日記をしたためながら夕食を待つことにする。明日はキリスト先生は外来担当日だから病棟ではお会いできなさそう。残念だけど仕方ないね。
なんか今回も病棟主治医はメガネ先生のようだけど、明日会えるのかな。先日この人が書いてた10年くらい前の大学の部活ブログを見つけた。そこには当時のメガネ先生のあだ名も書いてあったので、お会いしたらさりげなく口にしてみようかな。結構クセ強めのあだ名だけどな。
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そんなこんなで日が暮れて夕食。ご飯とカニ玉とスープ。やはりあっさり美味しい。食器をデイルームに洗いに行った帰り、以前入院していた時の部屋の前を通る。1115室。あの時は夜、食器を片付けたり歯磨きした後、部屋や病棟の廊下でハセガワさんとお話ししたりしてたなぁ。痛くて辛かったけど楽しかったよ。ハセガワさん、今頃どうしているのかな。元気で楽しくできていますように。
その後病室にメガネ先生が来訪。3月ぶりだから、実に8ヶ月ぶりの再会。今日来るとは思わなかったからびっくりして昔のあだ名を持ち出すどころじゃなかった。初めての入院の時のボロカスな印象は最早なく、とってもまともなメガネ先生。明日の抗がん剤についてご説明いただく。内容的にはキリスト先生や薬剤師さんからお聞きしたのと大体一緒だったけれど、今回は前回のTC療法のように牛車腎気丸を飲む必要はないのかお尋ねしたら、ジェムシタビンには末梢神経障害、つまり痺れの副作用はないので必要ないとのことだった。よかった。そしてメガネ先生がまともでよかった。それでも軽口は相変わらずで、今回の薬は1週間おきにキメるという説明の時、「じゃあ毎回入院するんかーい、って話になりますけど」とか言ってた。そこはお変わりないようで何よりですよ。ま、何も問題なければ入院は初回だけということになるそうだ。とにかくメガネ先生との再会が叶って何より。
もうご飯も終わったし、時刻も19時半。後は21時のシャワーまでのんびりして寝るだけ。明日からまた抗がん剤治療が始まるけれど、キリスト先生や薬剤師さんの説明によれば、副作用は前のやつほどキツくはないみたいだから頑張れそう。なんにせよ信頼する先生がいるから大丈夫。
薬が上手く効いてくれたらいいけれど、駄目だとしても構わない。私にとって一番大事なのは、信頼できるキリスト先生始め、メガネ先生や薬剤師さん、看護師さんや栄養士さん、心理士GさんやストーマのSさん、M先生、ユニーク先生、ハセガワさん、そのほかたくさんの素敵な人たちと出会えて素敵な時間を過ごせた、そしてこれからもきっとそうであること、そういうことだから。
皆さんのおかげで良い人生を送ることができて嬉しいよ。たとえ今が晩年だとしてもね。
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今日1日をリアルタイム気味に書き記してきたから案の定長くなったけれど、この日記はここで終わろうと思う。明日から治療開始。私の中にいるキャンサーは今何を思うのだろう。ま、がん細胞に意思はないしどうとも思わんか。なんにせよ先生たちが一生懸命治療してくれてる以上、君とはあんまり仲良くできないんだ、すまないね。
それじゃ、読んでくれたあなた、ありがとう。30日までは入院日記だけど、よかったらまたお付き合いくださいね。
それではまた、別の日記で。
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