日記#48 入院2日目。抗がん剤点滴と心理士さん面談、その他様々な事柄と思い

2023/11/29

6時起床。病棟の睡眠起床スケジュールは容赦ない。22時に消灯、6時に点灯。別にそれに合わせて暮らさなくてもよいらしいが、部屋が暗ければ眠らざるを得ず、明るくなれば最早寝てはいられない。というか、今回の部屋はナースステーションの真ん前なので、消灯後でもドアのガラス越しにそこの光が漏れてきて完全な暗闇にはならず、少しでも明るいと眠れない私は微妙に睡眠不足。それでも今日は抗がん剤点滴の日。へこたれずに頑張る。何事も悪いことが起こりませんように。

.
.

9 時過ぎにメガネ先生の代理の方が点滴の針を入れに来てくださる。初対面でこの方もメガネ男子。まず左腕を確認してから右腕を確認、結局利き手である右腕に針を指すことになった。キリスト先生の外来でも左腕の血管のヤバさ指摘されてたもんな。いた仕方なし。でも針刺し自体は一発成功。すごい。メガネ先生は三度目でようやく成功したというのに。この方はできるメガネやで。

9時半過ぎに担当の看護師さんがいらっしゃる。ストーマ造設入院時にお会いした方である気がするけれど、その時は夜中点滴漏れに対応していただいて、暗くてメガネもその頃は持ってなかったしはっきりとお顔を認識できなかったので、同一人物かは不明。検温と血圧。点滴は11時から開始予定。点滴中もトイレやデイルームには行ってもオッケーらしい。とにかく開始まで座して待とう。

その後点滴棒搬入。まだ点滴してないから棒がそこにあるだけだけど、こいつがあると入院患者みが格段に上がる。患者コスプレにも欠かせない一品。君が今日の私の相棒だね、よろしくちゃん。

.
.

11時、ついに点滴開始。といってもまずは吐き気止めから。点滴管を介して私と点滴棒が繋がれる。これで貴様と俺とは一蓮托生の運命。

そしてついに抗がん剤点滴開始。今回の薬は30分程度で終わる模様。胸部から腹部にかけて3ヶ所にモニターをつけられ、指にも酸素濃度を図るやつをクリップ。マシンに繋がれた私。なんかかっけえ…。全体で1時間程度で此度は終了するみたいだから、お昼ご飯の頃には終わってるかな。薬開始から5分ほどは看護師さんが側にいてモニターをみたりとか血圧測ったりとかしておられた。今はまた一人に。さてさて、どうなるかなドキドキ。

・・

特に何事もなく点滴終了。点滴中にご飯が運ばれてきたのでもぐもぐ。カレーライスとサラダ。ええじゃないか。もうさ、病院さんと結婚して毎日手料理作ってもらいたいわ。午後からは心理士さんがいらっしゃるはずなので、おとなしく待っていようと思う。

・・

13時を過ぎたあたりで心理士Gさんがいらっしゃる。病棟の面談室に移動してカウンセリング開始。体調とか抗がん剤のこととかを尋ねられたりして、体調は今のところ大丈夫であること、薬が効くに越したことはないけれど私にとってはそれよりも十全に生きることか大事だからそこが達成されなかったとしても必ずしも問題にはならないと思うといったようなことをお伝えする。

それから病棟での人間関係のお話になったけど、今回は二泊三日の短期入院なので、患者さんでも看護師さんでも人間関係が出来上がるほどの時間はなかったと申し上げた。今日午後の時点でもう入院日程の半分以上が過ぎてるもんね。だけどメガネ先生に再会できたのは嬉しかったので、最初の入院とその次の入院の際のエピソードと合わせてその旨をお伝えした。

やはり最初の入院時(その1からその2)のメガネ先生のエピソードはGさんから見てもやべえ医者のそれだったようで、2度目の入院時にはまともになっていたことに関しても、マイナスから入れば何でもプラスになりますよね、と辛辣かつ的確なコメント。ほんとそうだよ。でもそこから更に熱出したときの話とかその後の関わりの中でメガネ先生を彼なりに患者のためになろうとしている医者なのではと認識するようになったお話をすると、治療を続けているうちに認識が変わっていくこともありますもんね、と納得していただけた。メガネ先生の変化について、もしかしたら怒られたりしたのかも、と申し申し上げたらそれについても同意いただいた。看護師さんマジで怒ってたもんな。「メガネ〜ッ(実際はメガネ先生の苗字)」って。

 なんにせよメガネ先生に再会できて、お久しぶり、お元気そうで何よりですって感じで良かったというあたりを落とし所にメガネ先生の話を終え、キリスト先生について気になっている事柄をお話しさせてもらった。

昨日の日記にも書いたと思うけど、キリスト先生は私が家族のことで悩んでいるのはご存知だけど、その内容について私が家族に冷遇されているという実際とは違った方向で捉えておられるのではないかという話だ。問題は冷遇や無関心(表面的には)ではなく過保護過干渉及び関わり方の歪み(関心があるようでいて私の心情や都合、人格には無関心)ということなのだ。先生にご心配いただけるのはありがたいし嬉しいけれど、実際とは違うことでそうしていただいているのなら心苦しい。そういったことをGさんにお話しした。

私が緩和ケア面談でお話ししている内容は、キリスト先生を始め私の治療に関わっていただいている方にはどなたでもオープンに見られるようになっているそうだ。ただキリスト先生始めそうした方々がその内容をどの程度閲覧、把握しているかはGさんにも与り知らぬところらしい。看護師さんであれば結構そういうことを把握なさろうとするらしいが、医師の方は概ね忙しいため閲覧しているとしてもしっかり見ているかダイジェスト的に見ているかであれば後者である可能性の方が高いらしい。なるほど。

とにかくこのことについて、私が希望するならGさんの方から先生にお伝えして認識のFixをしていただけるらしい。でもお話する中でやはり、これは自分で伝えるべきことだと結論づけ、そうできそうな時に自分自身で先生にお話ししてみようと思う、と申し上げた。Gさんもその方が話が早いし、私が自分で人に対して伝えるということも大事なことであろうと仰りそういう方向で話はまとまった。次回の外来予約の日程を決めて、今回の面談は終了した。

Gさんの面談も終わり、ちょうどおやつの時間になったのでコンビニでキャベツ太郎とかのお菓子を買って庭園へ。そこでおやつタイムを楽しみ、しかしやはり寒過ぎたのでラウンジに退避して今ブログ執筆中。入院患者でも普通に利用できたね。万歳。あとは夕食まで自由時間。もう明日退院なので、今回はあまり入院というシチュエーションに浸れなかったな。残念。まあストーマ閉鎖でも腫瘍摘出でも今後また入院はありそうなので、その時また満喫しよう。まあ手術入院なら痛みがつきものなわけだけど、それもまた醍醐味… かも。

ごめん少し強がった。痛いのは普通に嫌だ。

・・ ・・

その後病棟に戻ってデイルームで置いてあった雑誌を閲覧。なんか光免疫療法を開発した人のインタビューとか載ってた。今は頭頸部のがんのみに適用されるものらしいので自分には関係ないけど、がん細胞だけを攻撃して副作用とか後々のダメージがないとか、それがマジなら画期的な治療法だね。他にも医師のインタビューとか医療裁判の判例とか色々医師関連の記事が載っていた。ためになる薄い本。

雑誌を読み終えなんだか眠くなってきたので病室に帰還。ちょっと左足付け根に痛み未満の違和感。腫瘍があって嫌なことってやはり"痛み"なんだよなぁ。痛みがなければ辛くないし、がんでも割に普通に生活できるんよ。だから痛みへの対処は必須。退院処方にも次の先生の診察までの痛み止めがしこたまぶち込まれているので、それらを活用して乗り切っていこうと思う。

そうそう、デイルームにご意見箱があったから私のご意見を書いて投書しておいたよ。主治医の先生を始めとした病院職員の皆様への感謝と信頼の念と、Wi-Fi繋がりにくいというのとドライヤーの風力弱過ぎ問題という設備上の気になる点を合わせて記載して最後に感謝の言葉で〆。語句の見直しなどの軽微な修正をしてBoxにin。Wi-Fiとドライヤーの件はマジでどうにかして欲しいけど、先生たちへの感謝と信頼の念はこの上なくリアルな真実なので主訴は間違いなくそっち。なんか投書への返信をまとめたものが掲示板に貼ってあったけれど、誰が返信しているのだろう。気になるところ。

・・

 夜の担当看護師さんはストーマ造設時にもお世話になった方。術後の痛みに苦しむ私の手を握って下さったり、全体として女神って印象だった。再会できて嬉しい。

さて、夕食も終わり、今の所しんどさは無い。副作用としては倦怠感や骨髄抑制が問題になることが多そう。脱毛に関してはChatGPTちゃんによれば頻度は高くないらしいけど、可能性としてはゼロではない模様。いずれにせよキリスト先生と薬剤師さんによればTCやゼジューラに比べれば楽らしいので、その通りになる事を祈っていようと思う。今日は後はシャワーして寝るだけ。できる片付けをしてからゆっくりしてよう。

・・

なんか少し痛み的な感覚があることから色々な気持ちが湧き上がってきて、どうしても泣きたくなってきたから泣いた。いつもはChatGPTちゃんに音声入力で話をしているけれど、大部屋にいる今はそれもできないから色んな気持ちを声に出して話すことができなくて、それで心の中のそれが溢れた。声を殺して泣く。別に痛いとか辛いとか悲しいとか、そういうネガティブばかりじゃない。今回の入院でメガネ先生とか前にお会いした看護師さんに再会したり、ハセガワさんと居た場所を再訪したり、心理士Gさんにお話したり、キリスト先生に会えて超嬉しかったり、そういう全部がなんかもう堪らなくなって泣けてきたのだ。
 
感受性がバグっている?いかにも女子っぽい?なんだっていい。そのように感じるのが私の真実なのだから。そういう自分を生きているだけだ。




多分今日という一日ももう終わりなので、この日記もここで終わろうと思う。明日は退院。そしてそれから1週間おきに通院しての抗がん剤。キリスト先生の診察は今日から三週間後。そのようにして今年という一年も締めくくられることになると思う。 どんな予想図を描いたところで未来は常に未知数だが、私としてはその未来に、常に信頼するキリスト先生やGさんたち、大好きな病院の皆さんがずっといてくれることを願うばかりだ。

ここまでこの日記に付き合ってくれたあなた、ありがとう。毎回長くて読み通すのは大変だと思うけれど、それでも読んでくれて嬉しいです。良ければまた読みに来てくださいね。

それではまた、別の日記で。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?