厚生労働省クラスター対策班 西浦博教授への質問と意見
4月11日追記 以下の記事で生々しい政治とのやりとりも含めて内情が明かされています。科学的知見が政治により歪んでいく過程・構図が読み取れます。
「このままでは8割減できない」 「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由
西浦教授(@nishiurah)
お忙しいところ煩わしいと思いますが、ブロックせずにアクセス可能としてくださっていることに感謝します。また心身とも限界を超えて取り組んでおられると思います。くれぐれもご自愛くださいませ。
「ギリギリ持ちこたえている」の解釈について
「ギリギリ持ちこたえている」という表現が頻繁に使われています。
これは「塀の上を歩いている」「想定外の不運があれば感染爆発側に転げ落ちる」というようなイメージであってるでしょうか?それとも危機感を持たせるためにオーバに表現しているのでしょうか?(以降の記述は前者~本当にギリギリ~の想定ですすめます)
想定外の不運があった場合に、踏みとどまれる余力(=オーバーシュートとなる閾値までの余白)はどの程度残っているのでしょうか?
押谷教授がNHKスペシャルで「幸運に恵まれているだけ」とおっしゃっていました。教授が「助けて下さい」と訴えたのは外国からの感染者流入がきっかけだったと思います。2ヶ月前の楽観的な想定がどんどん崩れています。今後もこういった想定外・不運は「ある」と考えるべきです。
特に「国民が感染拡大防止という観点で理性的な行動をとる」という前提が成功の方程式の一つになっていると思うのですが、これはかなり脆弱な前提だと思います。「人間はウイルスでも死ぬし、経済でも死ぬ」ことを考えると合理的な行動が外出となる人は少なくありません。(ここは政府側に保障を働きかけているとChange.orgで拝見していますが期待できそうもないので)
「都市封鎖」というわかりやすい対応について
巷では「一刻もはやく緊急事態宣言だして都市封鎖。強いメッセージを出して拡大を防げ。医療従事者を犠牲にするな。」という声が増している印象です。都市封鎖は余力を増やす効果はないでしょうか?
クラスタ班のみなさまの名人芸(クラスタ理論による対応)の結末にも興味あります。見事に成功して世界の称賛を得る可能性もあると思います。
ですが、失敗が許されることではないので、よりシンプルで短期的な混乱は避けられないとしても、感染拡大防止としてはより確実性の高い戦略に切り替えていただいたほうがわかりやすいですし、安心できます。
2月初旬に押谷教授(賀来教授かも?)がNHKで「中国の都市封鎖は中世のやり方。日本なスマートに」とおっしゃってました。この発言に縛られていないかという懸念を持っています。
都市封鎖が余力を高めるのであれば、あぶない綱渡りはやめて政治・行政サイドに対して強いメッセージを出していただけないでしょうか?
クラスタ班に感じる怖さ
教授のメッセージを不正確に伝えたツイートに対して「誰かが私を貶めようとしている?」と嘆いておられました。私は「クラスタ班の仮説・社会実験につきあわされている?」と恐れています。どちらも似たようなもの(疑心暗鬼、憶測、陰謀論の類)だと思います。察していただければ幸いです。
メッセージが意図したとおりに伝わらない時に「発信側が悪い」と考えて対応するとコミュニケーションがスムーズになるのかなと思います。
さいごに
以上です。私はアンチではありません。期待の裏返しです。このような考えもあります。ということで消化していただければ幸いです。
当方はシステム開発で20年の経験があります。データ分析で著名な会社とも長くお取引させていただいています。弟は業界のインフルエンサーとして多くのコネクションを持っています。LINEアンケートもはじまりましたし、北海道の優秀なITエンジニアとも交流あるでしょうから、たぶん間に合っていると思いますが、もしも私達の業界のスキル・経験が役立ちそうなことがあれば遠慮なくお申し付けください。前処理とか視覚化とか資料作りとかでもいいです。
私は無償で対応します。その他の会社・人はわかりませんが国難に際して何か貢献したいと考えている人は少なくないはずです。
もちろん、いますぐできる貢献として自主隔離は続けます。クラスタ班のよびかけが実践されやすいように、ネット署名サイトで保障を政府に要求するキャンペーンにも署名・寄付しています。できることを続けていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
くれぐれもご自愛ください。
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2020/04/02 追記 教授からご返信いただいたので掲載しておきます。
読みましたー。いま、残念ながら「持ちこたえている」という表現はできず、楽観視もできる状況になく、それについては本日付け予定の発表をお待ちください。1/3 https://t.co/0AphU6jjqK
— Hiroshi Nishiura (@nishiurah) March 31, 2020
対応についてもクラスタ対策に頼らず様々なオプションを想定することが必要になっており、ご指摘の行動が制限される事態も実際に検討されています。こちらも発表資料に入る予定です 2/3
— Hiroshi Nishiura (@nishiurah) March 31, 2020
確かに東京都での受け答えの受け取られ方の話は、発信側が十分でなかったとも理解すべきと思いました。皆さんの力を必要とする場合も視野に入れて今後の対応を検討していますので是非必要時にお力を下さい。3/3
— Hiroshi Nishiura (@nishiurah) March 31, 2020
事実誤認や不快な内容もあったと思いますが、ブロックでもスルーでもなく言い訳・反論めいた記述が一切なくすべて飲みこんでしまったことに驚きました。想像を絶するプレッシャーがあると思いますが、まだまだ心に余裕があると感じて、その点はホッとしました。
4/1の専門家会議メンバーの会見で「クラスタ対策が人的資源の不足で維持不可能になる恐れ」があきらかになりました。どうもかなり分の悪い戦いになってきているようですが西浦教授は「信じるに足る」人だと個人的には思いました。
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