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数学ギョウザ

母校の中学には、20分の朝自習の時間があった。

曜日に教科が割り振られ、配られるプリントをこなす。
例えば、国語なら漢字、理科なら元素記号など。

1年生の数学は例外で、月1回数学ギョウザという日があった。
廊下に出て、歩く・止まる・横になる・座るを繰り返しつつ、2桁の計算を解く。

しょうせつ-2


私は数学ギョウザが縁で計算にハマり、時を経て公認会計士になった。


昨夕帰省し、中学の同窓会に顔を出した。

母校の教員となったアヤが、餃子を摘んで「数学ギョウザは健在だよ」と口にした。

ダイチが「計算が数学なのは分かる。ただ何故に餃子なんだ?」と言えば、皆が同音異口で「それな!」と爆笑した。

対して、アヤが捲し立てたあらましは

昔、数学教師と体育教師が"行住坐臥"(ぎょうじゅうざが)から発案し宗教色や言いづらさを除くため、略して「数学ギョウザ」と命名した。

というものだった。

学校がある限り数学ギョウザは継承されるだろうと談笑しつつ、宴はお開きとなった。

以上で410文字です。小説のような何かを書いたのは2回目です。前作もぜひお読みください。











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