7月15日

父が死んだ。
闘病中だったので
急死ということもなく
いつかは、いつかは、と
覚悟していたつもりだった。

お母さんのことが大好きな人だった。
お母さんはみんなにお父さんの自慢していたよ。
この写真良い写真でしょうって。
職場ですごい人だったんだねって。
お母さんもお父さんのことが大好きだよ。
そうじゃなかったらここまで頑張れてないよ。
これが愛なんだって教わったよ。

仕事に一生懸命な人だった。
家で仕事しているとき、何してるのって聞くと
「しゅうほうかいてるよ」って言ってたね。
実は「しゅうほう」が何かこの4月まで知らなかったよ。
そして今は毎週「週報」入力してるよ。
ぎりぎりまで仕事して
休むって決めてからどんどん弱っていったね。
辞めるんじゃなくて休むなんだって思ったけど
私たちが思うよりずっと「休む」って選択は
勇気が必要なものだったんだろうな。
家族葬だったのにいっぱい会社の人が来てくれたよ。
色んな人からお花や弔電をいただいたよ。
明日も仕事なのに遠方から駆けつけてくれたり
夜遅くになっても来てくれたよ。
たくさん泣いてくれる人がいたよ。

スピッツが好きな人だった。
私がスピッツをずっと好きなのは
お父さんの車で流れていたからだよ。
水みたいに 血液みたいに
すっと身体に入ってきて
根底にずっとある。
結局一度も一緒にライブ行けなかったな。
Tシャツ着せてあげるから許してくれ。


最後まで仕事本当に楽しそうだったな
これからだったんじゃないの
なに死んでんだ
なに終わってんだ
もっと新しい職場のこと話したかった
相談したかったよ

てか全然みんなに話してなかっただろ
みんなびっくりしてたぞ
かっこつけが 強がんな


お母さんの還暦祝おうって約束したやんか
約束破るな
お父さんがいつも言ってたことやんか

はやく帰ってきて
ドッキリやって言って
ただいまってドア入ってきて


7月15日 執筆
7月21日 加筆

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