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DXに何故サービス型チームが必要なのか

自分の主張には、バイアスや見えない前提条件、そして伝え切れていない何かがある。今回、世界一わかりやすいDX入門 を執筆し、読者からのFeedbackを頂く事で、気付きを得る事ができた。

それを最もわかりやすくしてくれている記事がこちらである。

カナさんの記事
https://note.com/kana_sugiyama/n/n7d8ac027e33b

普通のことを、普通の目線で、しっかりまとめてくれています。
有り難い。

さて、このような普通のことを、普通にやることが難しくなっている理由と対策についてあらためて考えてみたい。
私が 世界一わかりやすいDX入門 第2版を作ることになったら、深掘りしたい内容の1つである。
では、理由の構造について深掘りしていこう。

マクロの変化が引き続き大きくなっている

2020年から継続して、マクロの変化、PEST(政治、経済、社会、技術)の変化が起こっている。これは、T(技術)による継続的変化、具体的には、ICTの進化をテコにプラットフォーマーになっているGAFAM+中国のICT企業が、技術を徹底的に活かしていること、電気自動車により自動車業界の力関係が変わりつつあることなどがベースにある中、コロナによって政治、経済、社会が激変していることである。

ビジネスの基礎は、マクロの変化とミクロの変化を理解し、業界定義を決めて、そこで自社が勝てるのか、それをオペレーションまで実現できるのか?そしてそれは継続的か? というように自問自答することである。
マクロのPEST 4つが同時に変わった今、マクロの変化によるミクロの変化を見極めて、意思決定をし実行するという、つまり、変化をスピード感をもってし続けるという、人や会社にとって困難な状況である。

そんな中、目の前には「普通のことを普通にやる」つまり出社して仕事をするというようなことに始まる、普通の定義が変わり、それを再定義し、オペレーションが回るようにするということが日々発生している。
そして各企業では、今意思決定したことが将来の組織やオペレーション負債になることを嫌う、または、意思決定の経験不足により、意思決定をできないままでいる会社が多数あるようにみえる。

そのような理由から、経営のOSを変えずに、アウトソース(安かろう悪かろう)をすることでコストダウンをするという、打ち手をしてきた日本企業は、後者が理由で、先回りして変わる事ができない状態であると推測する。

昨今目にするWebの記事で、A社はこうやった、B社はこうやったなど、記事が踊っているが、今時点本当にちゃんと実現できている企業は全体の10%に満たないのだろうと思う。何故ならば、「総務、人事、経営企画、ICTチームが一体となって会社のOSの再定義をする」という一大作業を、今までの経営スタイルで、この短期間で記事のような事を実現する事は難しいからである。

「絵に描いた餅」を多数発生させるのではなく、実行可能な会社をOSを変える変革をするためのゴール地点は冨山和彦さんの「コーポレートトランスフォーメーション」が参考になるが、それを読んだだけではHowが足りない。つまり、それを実行できるチームを作るためのHowが必要で、そのHowがサービス型チームを作ることであると私は考えている。

サービス型チームとは、稲森和夫さんのアメーバ経営に似ているが、アメーバ経営のコアを継承しつつも、変化のスピードや範囲がICTの進化により異なる、アジャイル型で進めるという考え方である。詳しくは著書を読んで頂きたい。

誰がやるべきか

そんなサービスチームを作るって、誰がやるべきか?という話になる。
最終的な意思決定は人事チームの最高責任者が行うべきであるが、サービスチームの設計は、システム思考、アーキテクチャを作れる人である。
つまり、会社のOSを設計できるような人である。
そんな人、どこにいるのか? となる。
なかなかいない。

会社のOSを変えられる人の条件

では、そんな人に求められている力とはなにか定義する。
・構造的に物事を考えられる
・構造化したものを繋げられる
・それを実現する為のオプションを考えられる
・継続的に実行できるような仕組みをつくれる

これをできる確率が最も高いキャリアが、ITアーキテクトがMBA的(人、モノ、金)な知識を得ることであるというのが私の結論である。
何故ならば、PESTのT(技術)を本質を理解するすることを、ITアーキテクトを経験無しでできるようになることは、相当の困難をクリアしないといけないからである。
もちろん、そうでない人も持ち前のガッツで、ITアーキテクトレベルの知識を後で得る事によって、そのような人材になることは可能であると思う。

トップダウンだけで変えられるのか?

結論。いままでのトップダウンの考え方ではできない。
先日、ある経営者が、「ルールを社内に強制できる立場にある部署を牽制できるのは経営者だけだと思っている」という言葉を発していた。

問題を適切に理解しているのは現場であり、現場でちゃんと話をした上で、解決できない場合のみ、経営会議にて会話をすべきである。しかし、この件はそうではなかった。

トップダウンで行ってばかりいる組織は、社員全員が「ひらめ社員」となり、本当の議論をしなくなるということが発生し、DXである会社のOSのUpdateができなくなる。トップダウンで壊す、そのフォローは現場丸投げとなるのが、古い日本のトップダウンの考え方。そんな古い経営者がいると会社が良い方向に向かわない。
※ひらめ社員とは、ひらめのように、上ばかりみている社員を意味する

実現支援の投資が成功のドライバー

トップダウンとして、企業文化や行動規範を定義し、仕事の役割を明確にし、コミュニケーションを設計し、人事制度を実力主義にUpdateし、ゴールをクリアにする。

そして、それらが現場の意見を吸い上げながらUpdateできるように、トップが徹底的に支援をする。実行をする際に必要な人モノ金は、ちゃんと提供する。これが必須である。

ほとんどの業界で、システム思考、アーキテクチャ思考の人を徹底的に支援する会社が成功することは間違えない。遅れていると言われているメディアエンタメ、出版業界でもこの手法が有効であることが証明されたことは、1つのエビデンスになるだろう。

絵に描いた餅は今直ぐやめる

今回のコロナ対策、各企業のWebメディアでの発表、各社社内でのメッセージなど、「絵に描いた餅」が本当に多かった。それをリーダーシップだと勘違いしている人も多数いる。

DXとは、未来を描きながら、それをしっかり実現していくことである。
未来の石を置くことは、ある程度のレベルであればだれでもできるくらいの情報が、今の時代どこにでもある。
いまの最大のボトルネックは、変わっていく未来を創る、つまり、設計し実装するという実現できる人材を確保することであるのは、皆さん感じている通り。

下記100円課金エリアには6行のまとめだけ書いています。

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