これは経費じゃない!?個人事業の注意点
こんにちは。SKPです。
最近、個人の簿記や確定申告ネタが多いですが、今回も引き続き個人の簿記・確定申告における会計処理のお話です。
今回も最近、よく行っている【個人の会計処理】で、少し「ん?」と思うことがあったのでそこからご紹介します。
寄附金は経費となるのか?
簿記・会計処理をする「会計ソフト」の中に【寄附金】という勘定科目があります。
ふるさと納税も【寄附金】の一つですね。
では、個人で事業を行っている人が、ふるさと納税をした時に、この【寄附金】という勘定科目を使って会計処理をしてもいいのでしょうか?
答えは【ダメ】です。
寄附金は事業所得や不動産所得の経費とはなりません。つまり【寄附金】という経費の科目を使ってはいけない。ということです。
今回「ん?」と思ったのは、個人事業の方の会計処理でこの【寄附金】科目が使われていたことでした。
「個人における経費」とは
個人の場合、収入に対する経費のことを『必要経費』と呼びます。
『必要経費』とは、その収入を得るために【直接必要な】売上原価や販売管理費、その他費用のことを指します。
直接必要でなければ経費として認められない。ということです。
では寄附金はどうか?というと、寄附は本来「見返りを求めて」行うものではありません。
事業や収入などとは無関係な「善意」で行うものです。つまり、収入を得るために直接必要なことではありません。
そのため、寄附金は必要経費とすることは原則的にできない。ということになります。
個人が行ったふるさと納税などの寄附金は、「寄付金控除」という「所得控除(一定のものは税額控除)」の対象となるため、会計処理とは別の部分で計算を行うことになります。
では、どのように処理をするのが適切なのか?というと、事業とは関係のない内容のための勘定科目「店主勘定」「事業主勘定」を用いて仕訳をする。というのが答えとなります。
(「店主勘定」「事業主勘定」についての紹介はこちら ↓)
「預金利息」は収入としない
「ん?」の第2弾です。
銀行にお金を預けていれば、半年に一度「利息」がつくのが一般的です。8月・2月に入金があることが多いですね。
利息は、お金を預けていたことに対する銀行からの金利収入ですから、これも個人の収入・所得となります。
この預金利息による収入・所得は「利子所得」という所得になるのですが、ご存じでしょうか?
これは一般的にあまり知られていないかもしれません。預金利息の収入を「確定申告で申告している」なんて人は基本的にいないはずです。
これは何故かと言うと、入金される時に「預金利息・利子所得」に対する所得税が既に差し引かれており、税金計算・納税の手続きが既に完了しているためです。
つまり、個人の場合【原則、何もしなくても問題ない】ということです。
しかし、個人の事業用の通帳には「預金利息の入金」として記載されてきます。
では、これはどう処理をするのがいいでしょうか?
「利息の入金は収入だから、【受取利息】という収益の勘定科目を使おう」
というのは【誤り】です。
これをしてしまうと、既に「利子所得」として課税関係が完結しているものを「事業所得の計算に含めている」という状態になってしまいます。
預金利息の「利子所得」と、事業による「事業所得」では、根本的に「所得の区分」が違うため、事業所得を計算する会計処理では収入としない。が、正解になります。
つまりこの場合も、「店主勘定」「事業主勘定」を用いて仕訳をする。ということです。
この辺りは、法人・会社での会計処理と、個人での会計処理で処理の仕方が異なる代表的なところです。
実際に仕訳をする際に注意してくださいね。
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