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クリアカットな線引きは可能なのか?

緊急事態宣言が出た。
安倍総理の会見で改めての「強い自粛要請」が表明された。
これは日本の法規上は仕方のないこと。
むしろ、「超法規的な措置を可能とする緊急事態宣言」という実績が作られることがなかったことの方が今後の日本にとっては救いだとも思う。(これは今回の本題ではないので割愛)

会見に続いて、記者からの質問があり、頃合いを見て各局スタジオで振り返り。
一通りの流れを見てて、あぁしんどいなぁと思うことがあった。

明確な基準を決める難しさ

記者の質問やTVで発話されることの多くは、基準が曖昧だとか、具体性がないという類の意見。
「飲食店と居酒屋の区別はどうするのか?」とか、
「要請に対してどのように動けばいいのか」とか。
クリアカットな基準がないとその狭間にいる人たちが困るだろう、というスタンスを出しながら追求している。

でも、そこに明確な境界線引くのは無理だよねってことが一般市民の感覚としてわからないだろうか。

AIは意味を理解しないから明確な区別ができる

仕事柄、最近はAIの入門書的な本をいくつか読んでいるけれど、AIが特徴に基づいた予測モデルを作れるのはデータを意味ではなく、数値として捉えて法則性を見つけているからとのこと。
逆を言えば、意味として捉えようとすると明確な法則性を作れないということ。

もう一度翻って、今回の緊急事態宣言への対応を考えてみると、「飲食店と居酒屋」の間に数値的な違いはないし、「要請」のデジタルな定義も難しい。
日常生活でも、仕事でも、こういうデジタルに区別できないところを埋め合わせるのが人間的な活動だと個人的には思ってます。

実はけっこう大事な宿題かもしれない

つまり、ひとそれぞれでその言葉の意味や定義が違うのは当たり前なんだから、それを前提として、自分の頭と正確な情報を用いて、自分なりの定義を作ろうよ、ってのがいまの日本人に課せられた宿題なんじゃないかなって思う。

だって、誰かが決めてくれるクリアカットな基準に付き従うことを是とする世の中になれば、もはや人間の出る幕がなくなるはず。

冒頭でしんどいなぁと言ったのは、
実は、ちゃんとしたAIモデルを作るにはデータもちゃんとクリーニングしなきゃいけないから、そういうキチッとした基準作るのって結構骨折れるんだよ、ということもあったから。

ひとまず、この宿題の提出期限はGW明けのようだからゆっくり考えてみようと思います。

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