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動植物の話14 盗まれた黄色いバラ

以前、園芸店で、間もなく咲きそうな蕾を持つ黄色いバラの鉢植えを購入した。だいぶほころんでいて、数日以内には咲くというバラでした。

私は、買ってきた鉢植えをそのまま玄関前のクーラーの室外機の上に置いた。
よく見える目立つ場所であるし、陽がよく当たる所でもあるので、そこに置いておいた。

そうしたところ、二日目の朝、出勤時に玄関を出たら、置いたはずのバラの鉢植えがなくなっていた。たぶん今日か明日くらいには咲くだろう、と楽しみにしていたのだが、その花の開花を見ることもなく、鉢ごと見事になくなっていたのでした。

私は唖然としたが、出勤前なので、そのまま会社に向かった。
途中、電車の中で、いったい誰が持っていったのだろうか、と色々と考えてみたが、思い当たるところもない。

「花泥棒は罪にならない」なんていう言葉もあるが、それはたくさん咲いている桜の枝の一つ二つを手折って持っていく場合のことです。
玄関先から植木鉢ごと持っていく、今回のこれは立派な盗みです。

金銭的なことではなく、楽しみにしていた気持ちが突然壊されたという憎しみが、沸々と湧いてきたのを今でも覚えています。

「目立つところに置いたのが不味かったからかもな~」という自省の気持ちもあったが、盗んでいく行為そのものがそもそも犯罪であり、間違いなので、私の自省は当たらないと思い直した。

人の家からそっくり盗んだ鉢植えのバラの花を見て、その人の心は満足だったのでしょうか。
私には疑問です。

あれ以来、黄色いバラを見かけるとそのことが思い出されます。


雨に当たる黄色いバラ

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