動植物の話10 大木が倒れれば-自分の出番は必ずやってくる-
アマゾン川流域には、広大な原生林が繁茂しています。
ある時、その中の大木の一本が、倒れたのであった。
その木の寿命が尽きて、朽ち果てて倒れる場合もあるだろうし、「絞め殺しの木」という大木に巻きついて生長するずるい樹木により、大木全体が強烈に締めつけられて、倒されてしまうこともあるようです。
しかし大木が倒れると、にわかに周辺の若木が生長を始めます。
大木が倒れた跡には大空にポッカリと大きな空間ができ、それまで日陰にいた若木に太陽の光が存分に当たるようになるからです。
その若木は、この時とばかりに生長を急いで早く大きくなろうとします。
他の若木に負けてしまったら、自分は再び太陽の恩恵を受けられなくなってしまうからです。
倒れた大木は有機物となり、それを肥料にして、若木はどんどんと大きくなっていきます。
そしてやがて、その若木は、元大木のあった場所を己が占め、自分の枝葉を大きく広げ始めて繁茂していき、新たな大木となります。
環境さえ整えば、弱小なものでも大きくなれるチャンスはあるのです。
先輩はいつまでも先輩では居続けないし、社長はいつまでも社長ではない。
必ず世代交代はあるし、さもなくば、その主体そのものがなくなることもある。
そして、自分の出番は必ずやってくるものです。
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