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第20節:根源へ帰るもの?
これは、老子さんがこの前、残していった一節だ。
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この文章を、大胆に要約するなら「ありのままの世界を知れば、一生涯、あやういことはない」ということになるだろう。
つまり、僕が、もし「ありのままの世界」を知ることができたなら、もう何も心配なく生きていけるってこと? だよね?
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そう思うと、僕は「ありのまま」の世界を俄然、知りたくなってきたんだ。
「ありのままの世界」ってどういう世界なんだって。
そこで、ヒントになるのがこの文章だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1674371202119-Jnz3d1j15p.jpg?width=800)
これは、さっきの「ありのままを知れば、一緒涯、あやういことがない」という文の前に書かれていたものだ。
これによると、物事を虚心坦懐に受け入れて「冷静さ」を保てば、「ありのままの世界が見えてくる」とある。
虚心坦懐とは、「先入観を持たず、広く平らな心。また、そうした心で物事に臨む態度」ということだから、僕がもし「ありのままの世界」を知るには「先入観を持たずに物事を見る」ことが大切だといえる。
そして、「先入観を持たずに物事を見る」ことができるようになると「冷静」になるらしい。
さらに、僕が冷静になれたなら、「根源に帰るものとして世界を見る」ことができるらしいのだ。
つまり、僕が「先入観をなくして物事を見る」ことができるようなると、「冷静さを保てる」ようになり、今度はそれを「根源に帰るものとして世界を見る」ことができるようになる。
だから、僕が「一生涯あやうい状態にならなくてすむ」ようになるには、「根源に帰るものとして世界を見る」ことができるようになればいいんだ‼
では、この「根源」とは何なのか?
この「根源」については、さっきの文章の中に「世界の根源から、万物が盛んに並び起こり、さまざまに展開する」と書かれているから、根源とはこの世界をつくった「大元の世界」ということになるだろう。
ということは、僕が「先入観を持たずに、冷静になって物事をありのままに見ることができるようになれば、根源に帰るものとして世界を見ることができるようになり、その結果、僕は一生涯あやういことはなくなる」、ということになる。
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とはいうものの、この「根源へ帰るもの」ということが、正直いうとよくわからないんだ?
「根源へ帰るもの」として世界を見ることができると、どうして「一生涯、あやういことがなくなる」のだ?
しかも、僕がもし、この疑問を解消できないまま放置していたら、これから先の僕の人生があやうくなってしまうのではないのか‼
「根源へ帰るもの」とは、いったいどういう意味があるんだ‼
といったわけで、僕は早速、老子さんに聞いてみることにした。
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すると、老子さんはすぐにやってきた。
![](https://assets.st-note.com/img/1674372666159-s0WeYz1Hpf.png)
といって。
「どうした青年。何か疑問があるようじゃが?」
「ええ。根源へ帰るもの、の意味を知りたくて」
「ほう。根源へ帰るものの意味か。なるほど、どうやら、お前も本気で、わしの書を読む気になったようだな。いいだろう。だが、それを教える前に、まず、なぜ、それを知りたいのかを教えてくれぬかの?」
「ええ!! もちろんです!! なぜ僕が根源へ帰るものの意味を知りたいかというと、これを知れば、僕の生涯が安泰になるかです‼」
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すると、老子さんは、大声で笑ってこういうのです。
「可笑しいのう。お前のような二十歳そこそこの若者が、これから先の人生の安泰を願うとは、笑止千万じゃ。むしろ、若いうちから安泰を手に入れてしまったら、人生を楽しむことができないと思うがの」と。
そういわれると、僕は少し恥ずかしい気持ちになった。というのも、僕は、現状で何も困っていないからだ。
しかし、だからといって生涯安泰になれる方法を知らなくていいというわけではない。
だって、この先、何があるかわからないじゃないか!!
そのためにも安泰になれる方法を知っていたほうが、これから先の人生を安心して生きていけるようになるのではないか。
だから、僕はこういったんだ。
「いいえ、それは違います。もし僕が、あやういことなく過ごせる方法を知ることができたなら、その方法を、たくさんの人に教えてあげられるし、そうすれば、みんなが幸せになるからです!!」
そういうと、老子さんはあっさり「いいだろう」と答えた。
![](https://assets.st-note.com/img/1674467265174-Nh0FZm20hW.png)
といって。
そして、「根源へ帰るもの」の意味をこう説明したんだ。
「根源へ帰るものとは、この世界を創り出した法則のことじゃ」と。
つづく。
*この記事は架空の老子さんと大学3年生の「僕」の脳内会話のフィクションです。なお、文中の行書体で書かれている文章は老子さんの超訳本である「老子 あるがままに生きる」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から引用させて貰っています。
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