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SIW2022イベントレポート①〜手塚颯一朗さん〜

SIW2022では、12大学/専門学校 28名の学生を「SIW2022 Student Ambassador」「SIW2022 Student Partner」として認定し、学生ならではの感想の発信や、豊かな学びの場・新たなつながりを作れるような学生向けプログラムを実施しました。

こちらの記事では、SIW2022 Student Ambassadorによるイベントレポートを配信していきます。

第一弾は、青山学院大学の手塚颯一朗さんです。

1. WALKABLE CITY SHIBUYA - 公園通りから考えるポストコロナの都市デザイン最前線

イベント概要

「世界中で歩行者中心のウォーカブルなまちづくりが進む中、渋谷の街でもメインストリート「公園通り」を軸とした歩いて楽しい街SHIBUYAの実現に向けて、様々な取り組みが官民連携の下に動き出しています。

ポストコロナ時代における都市空間をテーマに、フランスやスペインをはじめとする世界各国の最新動向や、国内のウォーカブル先進都市である神戸市の取り組み紹介を交えながら、渋谷の街の魅力を高める公共空間のデザインとマネジメントについて考えます。(SIW公式サイトより)

西村 亮彦:国士舘大学 理工学部 まちづくり学系 准教授
山口 敬太:京都大学大学院 地球環境学堂 准教授
津島 秀郎:神戸市役所 都市局都心再整備本部 事業推進担当部長
小澤 広倫:東急不動産株式会社 都市事業ユニット 渋谷開発本部 プロジェクト推進部 統括部長

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イベントを聞いて感じたこと

フランスなど諸外国の公園の例が印象的でした。
公園は昔からある公共施設の1つというイメージが強かったが、公園同士でも競争があり、インパクト勝負となっていることを初めて知りました。

また、都心のど真ん中を広場にしたりベンチと植物を一体化させたオブジェを置いたりすることで、歩行者の心身に配慮した環境づくりが目指されてい
ることがとても興味深いと感じました。

当日のトークセッションの様子

渋谷は完成された都市だと思っていたが、課題がまだあることが分かりました。

  • コロナ禍になったことで、行政のみならず市民も混雑を忌避するようになったことに気付きました。

  • 回遊ルートと歩行環境の不一致による乱横断は、交通事故を誘発する原因となるため、早急に改善する必要があるだろう。

  • 渋谷を訪れる観光客や住民など多種多様な人のニーズを考慮して、安全と利便性に配慮した再開発が必要だと考えました。

渋谷区の取り組み一例

イベントを通して今後に活かしたいこと

私の将来の夢は官僚で、国民が暮らしやすい国を作ることが責務の1つであると考えています。

今回のシンポジウムでは、行政と民間が連携することの大切さ、民間から出るアイデアを実運用に生かす柔軟さが大切だということを痛感しました。

「公園」「道路」という、あって当たり前の公共設備を通して、渋谷のポテンシャルや官民が進むべき方向性を考察することができました。

2. 新しい未来のつくり方

イベント概要

国内外から注目される次世代の預言者が、あるべき21世紀のシナリオを自由放談します。大胆な考え方で今をアップデートするキーワードに期待を寄せます。(SIW公式サイトより)

成田 悠輔:イェール大学助教授/経済学者/半熟仮想株式会社代表
ときど:ロートZ!所属プロゲーマー
中馬 和彦:KDDI株式会社 事業創造本部 副本部長 兼 Web3事業推進室長 兼 LX戦略部長
金山 淳吾:SIW エグゼクティブプロデューサー

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イベントを聞いて感じたこと

登壇者2人が同級生ということで、終始和やかな雰囲気でした。

  • ときどさんが『プロゲーマー』という異色のキャリアを歩むとき、成田さんがどう思っていたかを直接聞くことができました。

「スポーツ」とはどこからどこまでを言うのか考えることができました。

  • ゲームやシンクロ、スケートなど、狭義のスポーツではないものも、「スポーツ」に押し込むことで新しい仕事を生み出すことを人間は繰り返してきた、という成田さんのお話が衝撃的でした。

  • 今後も、スポーツの特権的位置づけを足がかりに、その職業を社会的に成立させることは増えるのだろうと感じました。

登壇するときど氏

思考停止状態からどのようにしてルールメーカーになるかを知ることができました。

  • ゲームの際はみんな積極的に考えるが、政治や経済などの難しいことになると思考停止してしまう人が多く、ただ与えられたルールに従うだけの人が多いという。

  • ゲームをデザイン化してきたように、社会のルールも作り替えられるものだと知り、実際にルールメーカーになっていくことが大事だと気づきました。

  • 社会の変化を待つだけでなく、その間に自分は何ができるのか考えたいと思いました。

イベント当日の様子

イベントを通して今後に活かしたいこと

近年e-スポーツが注目されるようになり、私が在学している青山学院大学でも、e-スポーツ大会が実施されたことがあります。野球や水泳など本来のスポーツとは異なるものの、「スポーツ」という抽象的なジャンルに入れることで、人々に親しんでもらえる位置づけになったと感じました。

今後も新しいジャンルが文化においてでてくることに期待したいです。それとともに、今後の社会を作っていく若者自身がより積極的に社会のルール作りに参画できるシステムも必要であると感じました。

私たちの世代より少し上の世代で社会で活躍されている方のお話を聞く機会はあまりないので、とても新鮮でした。今後どのようなマインドで過ごすべきか自分自身で考えるきっかけになったと感じています。

3. 渋谷の未来のつくり方 〜To zero, from zero.への挑戦〜

イベント概要

未来の都市を作るための最先端の建設技術、デジタルテクノロジーは、サステナブルなまちづくりにどのように貢献するでしょうか。
サステナブルな未来の都市を実現するために必要なことはなにか、様々な角度から皆で考えていきます。(SIW公式サイトより)

小島 文寛:東急建設株式会社 価値創造推進室デジタルイノベーション部 部長
加藤 茜:渋谷区デジタルサービス部スマートシティ推進室長
金山 淳吾:SIW エグゼクティブプロデューサー

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イベントを聞いて感じたこと

渋谷109やスクランブルスクエア、銀座線ホームなど普段利用している施設の建設に携わった方のお話を聞くことができました。

  • 銀座線ホームの整備において、今のままでは作業に時間がかかってダメだと、3D等デジタル技術を用いたという話が印象的でした。また絶対施工を止めないという強い意志を感じました。

当日のトークセッションの様子

デジタル技術がどう建築や都市整備に関わっているか、実務者からお話を聞くことができました。

  • 時代の先端を行くIT技術を頼ったもの勝ちだと思っていたので、ITを過信してはいけないというお話が印象的でした。

  • 民間企業数社が集めたデータをかけ合わせ、「面」として用いることで行政の限界を克服することができると感じました。

  • その一方で、デジタル化は地球温暖化や電力の大量消費を物理的に誘引していることを初めて知りました。

当日配布された特製フードボックス

渋谷のポテンシャルを感じました。

  • 渋谷は独特の地形、地域で参考になる他の町がないと聞いたときは、都市開発をするのが難しいように思っていましたが、登壇者が「渋谷が他の町の参考事例になれる」「渋谷には渋谷の役割がある」という前向きな言葉を機器、渋谷の可能性を感じました。

当日投影されたMOON SHOT 2050の資料

イベントを通して今後に活かしたいこと

渋谷は「最先端の町」と呼ばれる。私は今まで、若い人たちが集まるから自然とそうなったのだと思っていましたが、渋谷を創ってきた人たちの話を聞いて、渋谷が最先端なのは常に彼らが都市開発に尽力しているのからなのだと分かりました。

普段何気なく歩いている渋谷駅周辺は多くの人々の手によって整備され、今後も新しく開発されていくことが理解できました。自分も渋谷を「創る」メンバーの1人になりたいと思います。

4. DIVERSITY CITY SHIBUYA – 当たり前ってなに? 渋谷区長とryuchellが今伝えたいこと。

イベント概要

女性、男性、性別も含め私達の当たり前だと思っていることが本当は当たり前なのか?2018年の初回SIWで「渋谷ダイバーシティエバンジェリスト」に任命されたryuchellと、「ちがいを ちからに 変える街。渋谷区」をリードする渋谷区長が、5年目を迎えるSIWにて渋谷から唱える多様性を尊重する街づくり、集まる個性、その先についてじっくり語ります。(SIW公式サイトより)

ryuchell(タレント / 株式会社比嘉企画代表取締役)
長谷部 健(渋谷区長)
長田 新子(SIW エグゼクティブプロデューサー)

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イベントを聞いて感じたこと

渋谷が変わっても人々の生活が大きく変わることはないと知りました。

  • 渋谷区長の「今まで困った人の生活が少し変わるだけで、文句を言っている人の生活が変わるわけではない」という話が印象的でした。

りゅうちぇるさんのポジティブな言葉が印象に残りました。

  • 批判をもともと割り切り、アンチより認知を重視している考え方にはっとしました。

  • 交わるという意味の「ちゃんぷる」がとても印象に残りました。

  • 「家族はこう」というそれぞれの考えがあることを認めることも大切だと感じました。

登壇するryuchell氏

渋谷に和と洋がうまく混ざっていることを再実感しました。

  • 渋谷区ができたのが90年前と比較的新しい自治体であるがゆえに、高齢者も「自分たちも地方から出てきた」という意識があることを知りました。そのため、京都や鎌倉のようなローカル重視の考え方になることなく、若者とうまく調和できているのではないかと考えました。

当日の様子

イベントを通して今後に活かしたいこと

時代が変わるにつれ価値観が変わっていく、その中で考えが合わない人もいるということを前提にどう生きていけば良いのかということを、「多様性」に向き合ってきた2人から直接聞くことができました。

町も人も変わっていっていることを2人の登壇者の話で理解しました。色々な価値観があるなかで、本当の多様性とは何かを考えるきっかけになりました。自分とは異なる考え方を理解できなくても、認め合うという姿勢を大切にしたいと思いました。

5. もしもの助け合いを考える~都市防災と共助のしくみ作り~

イベント概要

地域の防災力を高めるためには、行政や企業、大学、PTA、など多様なステークホルダーの関わりが必要であることから、それらの立場の方々に登壇いただき、「もしもの災害に備えて、助け合いをどうしていくか」「自分ひとりで何とかできる人を一人でも増やすためにはどうすればいいのか」など、共助の在り方やしくみをみんなで考えました。

髙橋 忠雄:こくみん共済 coop <全労済> 代表理事 専務理事
杉浦 小枝:渋谷区副区長
国崎 信江:株式会社危機管理教育研究所 代表
山田 裕介:渋谷区立小学校PTA連合会 会長/渋谷区立神宮前小学校PTA会長
鈴木 大輔:渋谷センター商店街振興組合・宇田川町会 常務理事
佐藤 亜希:青山学院大学シビックエンゲージメントセンター 助手
樋口 裕司:公益財団法人 日本財団 災害対策事業部 災害対策事業チーム チームリーダー
金山 淳吾:SIWエグゼクティブプロデューサー

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イベントを聞いて感じたこと

公助の限界を知り、自助と共助がいかに大切か実感しました。

  • 阪神淡路大震災では8割の人が近隣住民等に救助され、救助隊に救助された人が1.7%とかなり少ないことが分かりました。

当日の様子

「もしもキャラバン」「もしもフェス」の意義を再確認できました。

  • 避難所になりうる中学校を会場としたことで近隣住民が参加してくれ、高い満足度と防災意識の向上に繋がったことが分かりました。

  • 防災関連のイベントは、今まで真面目な専門家のみが参加するものだったが、イベントを実施することで学生や防災に詳しくない人も入りやすくなっていると知りました。「こういう視点で見たらこれも防災だよね」という考え方が広まると、より身近に防災に取り組んでもらえると思いました。いかに老若男女に防災に参画してもらえるかを考えてイベントを企画することが大事だと考えました。

  • 官民連携のグッドスタディとして、今後もこのようなイベントが開かれることに期待したいです。

センター街でも防災に向けて動いているものの、連携に課題があることが感じました。

  • 看板を路上に出させないなどセンター街独自のルールがあることを知りました。

  • その一方で、若い世代同士の繋がりがあまりなく、今後ガッチリした繋がりが求められそうだとも感じました。

  • 災害時のみに付くサイネージを設けるという案が良いと思いました。

青学生として何ができるか考えるきっかけになったと思います。

  • 青学生が小中学生をファシリテートして、他主体も防災に関われる機会を作れることに気づきました。

イベントを通して今後に活かしたいこと

「もしもプロジェクト青学」の初期メンバーである私は、「もしもフェス」や「もしもキャラバン」でも出展に関わりました。
家族連れの多くの来場者と触れ合うことで、防災をどう身近に捉えてもらうかということを自分自身考えるきっかけになったことを覚えています。
学生の強みは、発想力と発信力だと思います。その2つの力を生かして防災を青学生自身が発信できる機会を作っていきたいと思いました。

行政や地域団体、民間企業など異なった視点で防災について考察することができました。防災は全市民に共通の課題であり、今後もイベントを通して防災の普及啓発が活発化することに期待したいと思いました。

6. YOUは何しに就活へ

イベント概要

「面接に「自由な服装できてください」という企業が増えてきた。でもそれは本当に「自由」だろうか。
「スーツの方が無難じゃないか」「カジュアルすぎてもダメなんですよね」学生からは戸惑いの声もあがります。
「服装自由」が「不自由」を生んでいるのではないか?
みなさんはどう考えますか?
これから就活をする学生の皆様と、就活をもっとポジティブにするためにはどうしたらいいのか、考える会議を開催します。(SIW公式サイトより)

当日のアーカイブ動画はこちら!

イベントを聞いて感じたこと

「就活」のイメージを同世代の学生と共有することができました。
実際に就活をしているファシリテーターから、イメージと実際の就活の違いを教えてもらいました。
大学生活と就活がどうすれば繋がるか積極的に案を出すことができました。

当日のイベントの様子

イベントを通して今後に活かしたいこと

「就活時の服装」という入り口から就活の問題点やどうあるべきかを広く考えることができました。

「YOUは何しに就活へ」というテーマから離れてしまうこともありましたが、企業や国の視点から就活の望ましい在り方を考えるきっかけとなったと感じています。








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