鬼滅を読んで、愛ゆえにフラストレーションを感じたこと(ネタバレあり)

鬼滅の刃、10月くらいまでは世間がざわざわしているのをふーんと横目で眺めているだけだったのだが、映画が封切りされ、普段コミックやアニメの話なんかしない会社の同僚までが割と熱く話し始める段階に至ると、さすがに無視できなくなった。

という経緯を経てプライムのアニメと、映画「無限列車編」を鑑賞、コミックスも最終巻まで読破、世の中の波に一応乗ることができた(笑)

世間の評判通り本当によくできた作品で私も基本的に高く評価しているが、高評価のレビューはもうそこら中にあふれているので、今更あえてそれをなぞることは控えたい。むしろ、なんでこうしなかったんだろう?ジャンプ作品なら普通はこうなんじゃないか?こうした方が良かったんじゃないかっ?と、アラフィフおじさんが愛ゆえに勝手にフラストレーションを感じたことを書き殴ろうと思っているw まあ大相撲を見て若貴に注文をつけるステテコ姿のお父さんと同じだ。おっさんの戯れ言と思って読んで頂きたい。

柱の強さをもっと際立たせて欲しかった!

柱というのは、普通の鬼殺隊士よりむちゃくちゃ強い存在。…のはずだが、その強さが際立つ場面が少なかったように思う。(炭治郎があれだけ善戦しても倒せなかった)下弦の伍を義勇さんがシュィンて感じで瞬殺するところくらいんだったんじゃないか。他の柱はいきなり上弦にあたって死闘になってしまうから強さが際立たないのだよね。「上弦と渡り合えるってことはそれだけで凄いこと」という設定をわかっていてもフラストレーションがたまる。鬼舞辻のパワハラ会議で下弦を4人も葬ってしまうのなら、柱との対決に使って欲しかった…。

鬼舞辻の倒し方がジャンプらしくない!

鬼舞辻を倒せたのはみんなの力+珠代さんの薬の力+太陽の光だった。まあこれはこれで良いんだが、ラスボスを薬で弱らせて自然の力で倒すというのがどうもジャンプらしくなくてストレスがたまる(笑)やはり、鬼舞辻は薬を全部無効化して無敵の存在となり柱を全部蹴散らす、太陽さえ克服してしまい、鬼殺隊の命運も付きかけたそのときに炭治郎が突如縁壱とシンクロしてスーパーサイヤ人的な何かになり、無敵化した鬼舞辻すら小指一本で倒す・・・というぐらいの強さのインフレは見せて欲しかった。ジャンプ作品だからな。日の呼吸の最終系は「山吹き色の波紋疾走!!」とか言いながら太陽と同じ効果を相手に直接送り込む、とかの方が良かったかもしれない。(ん?どこかで見たような気が・・。)

「ヒノカミ神楽の十三個目の型」と「痣」の伏線回収はどこへ?

既述の2つはおっさんのぼやきに過ぎないが最後のこれだけは割とホントにオイオイと思っている。最終戦で炭治郎は「十二の型は繰り返すことで円環を成し十三個目の型になる」と言って十二の型を繰り返すわけだが、22巻までで描かれているのはやっと十二の型が繋がったところまでで、鬼舞辻に致命傷を与えるには全く至っていない。この流れで、「敗れた魔球を全部繋げてラスボスを倒す侍ジャイアンツ的展開」を期待するなという方が無理だと思うのだが(ちなみに侍ジャイアンツもジャンプ作品)、結局最終巻でも十三個目の型は型として成就することなく終わる。

痣の正体も結局よくわからずじまいで、なんで身体能力覚醒の発現条件が「痣」なのか?何でそれで25歳で死ぬのか?何で縁壱だけは死ななかったのか?などの謎が回収されていない。最初から伏線ではなく、もう無条件の前提として解釈してください、ということなのかもしれないが、かなりもにょる。

おっさんの戯れ言は以上である。まあしかし普通のジャンプ的作品だったらここまでヒットはしていないのかもしれない…と思うことにしよう。

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