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谷山浩子さんの曲について。

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2018年5月の記事一覧

「ない」ことを指し示す。ー 私が好きなものについて。

 ずっと熱が下がらず、朦朧としながら考えていたこと。

 これまでも何度か書いてきたのだけど、谷山浩子さんの曲は「ない」ということの描き方が上手い。例えば、『意味なしアリス』の冒頭。

「キノコの上の芋虫は、淋しさを教える教授だった。それじゃあ始めるよと言い残して、芋虫はどこかにいってしまった。もう二度と帰らない。アリスだけ残った。」

 あるいは『ガラスの巨人』。これは心のなかの空っぽな空間、た

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