日本人夫婦によるバイリンガル育児:4歳5ヶ月〜4歳8ヶ月ー日本のインターナショナルスクールに行き始めました

私たち家族は息子が幼稚園に入園するタイミングからシンガポールで生活していたのですが、その後私の仕事の都合で日本に帰ってきました。

日本に帰国してから息子をどの幼稚園に通わせるかについては、その後どんな小学校に進学させるのかも含めて頭を悩ませました。シンガポールに行く前に考えていたように、日本の一般的な学校(学校教育法第1条に規定する学校のため「一条校」と呼ばれています)に通わせつつ、このままおうち英語で英語力を向上させるのもアリだと思ってはいたのですが、それとは別の角度で以下のような心配事が出て来ていました。

  • 友達といる時に英語で自己表現できなくなるー息子は何か良いことがあり楽しくなってくると英語で叫んだり話したりする時があります。シンガポールでは日系幼稚園とはいえ副担任として外国人の先生がいましたし、そもそも英語が公用語の国なので英語を話す人にみんな慣れていました。しかし一条校で英語を口にしてしまうと周りから変な目で見られ、英語で自己表現することをやめてしまわないかが心配でした。

  • 国際的な経験を友達と共有しにくいー今後再び家族で外国に住むことはないような気がしますが、短期的な海外経験をする機会は作っていきたいと思っています。例えば、息子は以前からとあるスポーツをしているのですが、来年から毎年そのスポーツの海外プログラムに参加させようと思っています。こう言った経験を一条校で話すと悪目立ちしたり疎ましがられてしまうのではないかと思いました。

もちろん、実際に日本の一般的な幼稚園・小学校に通わせたわけではないので上記した心配事は杞憂だった可能性もあります。しかしながら私はインターナショナルスクールも選択肢に入れようと思い、調査・検討をしていました。その結果、以下のように様々な種類のインターがあることを知りました。

①イマージョン教育を取り入れている一条校ーこの種類の学校は一条校なので日本の学習指導要領に則ったカリキュラムを提供しているのですが、いくつかの科目を英語で教えています。修了すると文部科学省から一条校の卒業資格が付与されます。

②国際的な教育プログラムに則っているインターーアメリカンスクール・イン・ジャパンのような昔からあるインターナショナルスクールの多くはこの種類に分類されます。IB(国際バカロレア)、WASC(ウエスタン・アソシエーション・オブ・スクールズ・アンド・カレッジズ)などの国際教育プログラムに則ったカリキュラムを英語で提供しており、修了することでそのプログラムの資格を取得できます。そのためこの種類の学校に通った子どものほとんどは日本の大学に進学しません。しかし日本の大学の中にはIB資格取得者を対象とした入学試験を実施しているところもあります。

③国際的な教育プログラムにも則っている一条校ーこの種類の学校では国際教育プログラムに則ったカリキュラムを英語で提供する一方、日本の学習指導要綱に則った授業も日本語で行っており、文部科学省から一条校として認められています。修了するとIBの資格と一条校の卒業資格を両方取得できます。そのため例えば高校卒業時には、追加の教育プログラムを修了したり資格試験に合格することなく、英国の大学にでも日本の大学にでもスムーズに進学できます。この制度は2014年にUWC インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢が設立された時日本初の試みとしてスタートし、その後徐々に対象校が増えています。

色々と日本にあるインターナショナルスクールのことが分かっていきましたが、私は③国際的な教育プログラムにも則っている一条校が良いなと思いました。私は息子に「自分が幸せだったり楽しいと感じることを子供のうちにどんどん探究して欲しい」と思っています。そのため好奇心だったり探究心を育むことに力を入れている国際的な教育プログラムを受けさせたいと思ったのです。その一方で、学校で一切日本語を使わないのは「私が英語、妻が日本語という役割分担をしている我が家のルール」を考えると、それぞれの言語で話す量のバランスが取れない気がしました。もちろん私が英語で息子と話すのをやめて、息子がうちでは完全に日本語、学校では完全に英語で話すようにすることもできたのですが、それは考えられませんでした。私は妻と日本語で話す息子も私と英語で話す息子も大好きなのです。そこで英語でも日本語でも学習する機会のある③に息子を通わすことに決めたのです。

調査していて③は②と比較すると日本人の数が多く、カリキュラムは英語で実施されるものの、休み時間中子供同士で日本語で話すことは珍しくないということも知りました(ニーズを考えたら自然なのですが、実際息子が通っているIBのPYP (Primary Years Programme - 3~12歳向けプログラム)の子供の大半は日本人です)。しかしそれについてはそんなに気になりませんでした。上記した心配事は払拭されましたし、期待していた③の利点通り私は日々息子との英語でのコミュニケーションを楽しんでいます。

この記事の最後に、最近息子と話していて嬉しかったことを共有させて下さい。ある日突然息子が「Why do you speak English although you are Japanese?」と聞いてきたのです。私は「Because I'm international.」と返し、Internationalだと外国に行ける、多くの国の人が英語を話すし、英語にも色んな種類がある、シンガポールの人はSinglishを話していたよね、といった話をした後「You know what, I speak British English.」と言ったら息子が間髪いれずに「So do I.」とニヤッとしながら返してきたのです。以前私が動画を見せる際に、自分はBritish Englishを話してる、NumberblocksでもMaddie's Do You KnowでもみんなBritish Englishを話しているよ。だからこんな風に話してくれたら嬉しいな、と言っていたのを覚えていたんだと思います。本当に可愛いヤツです。

息子の英語がどんどん向上しているので私も自分の英語のブラッシュアップをしていかなければと思い、この頃英国の今時の若者が話している動画をよく見ています。その中でもイチ押しはこのTom Hollandのインタビューです。Tom Hollandはスパイダーマンなどの映画の中ではアメリカ英語を話しているのですが、実はロンドン出身なので普段はBritish Englishを話すのです。いつかこんなふうに息子がBritish Englishで語り始めたらたまらない気持ちになりますね。




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