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大阪メトロの「謎解きメトロ旅2021」に参加しました【感想】

〇はじめに

大阪メトロの「謎解きメトロ旅2021」に参加しました。昨年に引き続いての参戦。このシリーズ本当によくできています。謎解きのエンターテイメント性と、大阪メトロの紹介を抜群のバランスで設計し、多くの人が楽しめる作品として作られています。こうした乗り物を使用した周遊系の謎解きとしてはとてもよくできていますので、まだ体験したことがない人には超絶にお薦めです。

謎解き時間は公式アナウンスでは5時間程度。これに休憩時間をプラスした時間がトータルの謎解き時間となるでしょう。休憩をゆっくり2回取って6~7時間程度ではないでしょうか。

今回参加したのは1月2日。お正月ということもあってか、結構参加者は多めでした。ただし、行った先の商店街はお正月休みのところも多く、ちょっと残念なこともありました。

では、今回参加してみて色々気付いた点があるのでネタバレなしで書けることを書いてみようと思います。

〇旅する楽しさ

どの周遊型の謎解きも同じですが、移動するワクワク感をいかに感じられるか。それが最重要ポイントだと思います。その点、舞台が大阪の地下鉄というのは普段仕事やプライベートで日常的に訪れる人にとっては新鮮味に欠けるのではと思えますが、地下鉄といっても全ての駅を日常的に使う人はいません。また、普段よく来るような場所であっても謎解きの要素が加わるだけで全く違った景色が見えてきます。この謎解きマジックは何度経験しても楽しいです。

大阪にもまだ見ぬ風景は無限にあります。

〇工作する面白さ

スクラップさんの特徴の一つでもありますキットの豪華さ。前回3万人も動員したとあって、キットは丁寧にお金をかけて作られています。キットについては、多いだけだと邪魔になったりしてわずらわしさが増えるのですが、そうならないよう使用するモノがすぐにわかったり、ゆったりとしたスペースがあるところで複雑な工作謎を解くように誘導されているなど、参加者にできるだけストレスを与えないよううまく設計されています。この辺りは本当によく考えられています。流石です。

また、これは個人的感想なんですが、謎の難易度は低めなんだけど、キットを使用することでうまくバランスをとっているなぁと感じました。ひらめき系の謎ばかりだと、解ける人は一瞬で解けるし、解けない人はかなりの時間が必要になります。そのバランスをとるために工作という作業を上手く使っているなぁと感じました。

余談ですが、最後の大謎は自宅かホテルなど存分にキットを広げられる場所で行うことをお勧めします。今年もアッと驚く仕掛けが待っています。

〇物語性の排除

謎解きと物語は親和性があるように思えますが、しっかりと融合させるのはとても難しいのではと思っていたところ、この「謎解きメトロ旅」には一切物語性がないことに驚きました。謎を解き、移動し、進めていくことに焦点を絞っています。謎解きに物語を上手く導入したのがスクラップさんですが、このメトロ旅は敢えて物語は必要ないと判断したのでしょう。

また、違った角度で言えば主人公は謎を解く参加者であって、それぞれが物語を感じれば良いという事でしょうか。この仕掛けも上手いなぁと思いました。

突然現れる謎の建築物も冒険心を掻き立てられます


〇地図を使わずに言葉で説明する

今回、謎解きしながら一番感心したのが、地図を極力使わず、言葉で説明するという手法についてです。地図にすれば一目でわかることを言葉に変換すると、全く違う感覚が生まれます。まさに宝の地図を片手に冒険しているような雰囲気になるのです。これは本当に上手いなぁと感心しました。地図なら先を予測しながら歩けますが、言葉に書かれていると、信号一つ交差点一つを慎重に判断しながら歩かなければなりません。この緊張感の生み出し方が素晴らしいと思いました。逆に言えば、これは制作側にもリスクがあると思います。下手な説明だと迷ってしまう人がでてしまい、ルートから外れてしまうからです。私も一か所、絵だと思って探していたらそれは標識に書かれたものだったので、見逃して通り過ぎてしまいました。私はそのことが楽しかったのですが、ストレスに感じる人もいるだろうなとは思いました。でも地図にするよりは断然この方が面白いです。


〇参加者が多いことのデメリット

良いところばかりを褒めちぎってしまいましたが、一点だけ良くなかった点を。それは参加者の多さです。これはもう言いがかりレベルだと自分でわかっていますが、謎解きの参加者が多いと、次に行くポイントが予めわかってしまい、若干興ざめするのです。キットの入ったバッグも目立つのですぐにわかってしまいます。仮想ライバルとして楽しむ分には良いのですが、ポイントを発見する喜びが薄れてしまうのはマイナスだなぁと感じました。人気が出れば出るほどこうしたことは起こってしまうと思いますが、うまく改善できたら良いのになぁと思いました。

〇最後に

とまあ、色々と書きましたが、乗り物を使った周遊型の謎解きとしては最も完成度の高い作品だと思います。街を歩くのも楽しく、徹底したリサーチがなされている事にも感心します。美味しいものにもたくさん出会えるので、直感で楽しむのも良いと思います。最後に、始めにも書きましたが体験したことのない人には是非ともお勧めの謎解きです。

美味しいものに出会えるのも周遊型の謎解きの魅力


最後まで読んでいただきありがとうございました。


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