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三人麻雀におけるホンイツの呪い


三麻で勝てない【中級者】へのすすめ

三人麻雀は難しい。四麻よりも人口が少ないせいで、これといった戦術本もなかなか無いし、サンマ対応の麻雀AIも無いので間違っている場所を添削してもらう事が厳しいからだ。(しかも北抜き有り無しや、ツモ損有り無しで条件が変わる。めんどくせえ。

だが、サンマのセオリーを覚えればある程度は勝ち進めることができる。

牌効率はもちろん正確に。
ヨンマよりも数牌を大切に。ターツが足りていない時は孤立19もしっかり残す。
場況をしっかり見て、良さそうなペンチャンは安易に切らない。
リーチに対して、打点やシャンテンを考えて押し引きをする。勝負にならなさそうだったらすぐにオリる。スジの危険性もヨンマよりかなり高いので注意する。
副露手には細心の注意を払う。染め手の余りはもちろん、普通の副露にも警戒する。ニ副露で二段目中盤に入ったら、ほぼテンパイなので2シャンテンくらいなら降りを考える。
三段目はダマテンにも警戒。
ネト麻ならラグ読み。

これらがまあ、サンマのよく言われている勝つためのセオリーである。
これをちゃんと遂行すれば、三人麻雀でいう中級者くらいには成れる。

しかしある時、必ず行き詰まってしまうだろう。


他家が余りにも早すぎる!!! 安牌無いしオリるしかねえ!
一段目立直、一発ツモ!! そして裏3親被り!!!
対してこちらはクソ配牌!! チートイツすら厳しい!!
勝負手は来たが、他家に競り負けた!!
自分だけ北が抜けねえ!(北抜きルール)
巡目の早い高打点ダマに刺さったんだが!!


ええ、わかります。
なんだこの運ゲー?! と、おっしゃりたくなる気持ちは痛いほど理解できます。
サンマあるあるですよね。


ですが、この中でもしかしたら一つだけ改善できるものが有るかもしれません。
ここでは、それに関わる何切る問題を一つ出させて頂きます。
とても簡単な問題ですが、サンマの勝率へと深く関わってくる事でしょう。


何切る?


配牌は中々良かった

東1局1本場6巡目 東家42700点持ち(北1枚抜き) ドラは中
赤有り(各種5pに1枚ずつ)の北抜きルールでツモ損あり。
東発でいきなり7700を下家から和了ってトップ目になりました。しかし油断しているとすぐに点差を縮められてしまうので、まだまだたくさん加点したいところ。
北を1枚抜いてこのツモです。他家はまだ北を抜いていません。

何を切る? 
他家の河の情報は無しで、自分都合で決める物とします。

答えはスクロール↓















答えは~
4pです!!!


簡単だな!

4pを切ると広いイーシャンテンとなって、
589p58s発の6種18枚受け入れとなります。親番でこれだけ手牌が良ければすぐにリーチにいけますね。8pもしくは発ツモで打点上昇も見込めます。赤5pなんてのも良いですね。北が1枚あるので、上昇幅も大きいです。
えへへ、勝ったな。






ん?
6sか7s??
ソーズを切って、ホンイツに向かう……???



舐めとんのか?


恐るべき縛り

突然ですが、話は変わります(唐突)

サンマにおいて出現率の高い役である混一色ことホンイツ。攻めるにも守るにも強く、鳴いて食い下がっても2ハンの非常に強い役ですが、時には手牌を縛り付けてしまう程の恐ろしい効果をもたらす時が有ります。
他家がよく一段目から数牌のターツを切っていたりしていませんか?
ここではじゃんたまの実践で有った例を挙げてます。 

一位の狙える南3局

状況はトップと争ってる状態のオーラス2着目。基本はリーチ手順だが、ドラ2有るので字牌が重なったら鳴いて直撃でも良い。
上家が153sの手出し。配牌に有ったリャンカンを切っていった形なのだろうか?

8巡目

ソーズの場況が良かったので2334の形を大事に持っていたが、なかなか重ならずに中のターツが揃ってしまったので切った。持ちすぎて親に36sで当たるのが怖いので。
その後、ラス牌の1mツモ。待ちは悪いが、もちろん9s切ってリーチ。

変則三面張気持ち良すぎだろ!!

結果、ツモった。
下家が切った4pを鳴いた上家が3p手出し。その後ツモ巡がずれて8pが来た。
これで上家を捲ってトップ終了である。
上家は亜両面の58p待ちホンイツだった。

さて。ここまで書いてきてなんだが、この勝負は本来私が2着目だった筈の物である。しかし私は結果としてリーチし、逆転してしまった。
それはなぜか?

答えは上家が、とある呪いを受けてしまったからだ。

ホンイツの呪い


なかなかいい手

ここでオーラスの上家視点へと切り替わる。
手牌はターツこそ足りないが、形は結構良い。ピンズで3ブロック、ソーズで1ブロック有るので、どこかでもう1ターツ作れば良い。
手なりで9mを切り出した後に嬉しい8pツモ。これは東切りが正着か。

?!

?!
なんと、1sを切ってしまった。


そう、これが。
ホンイツの呪いである。

怖いねぇ…

なぜソーズを切ってしまったのか


臨兵闘者皆陣列在前

4巡目、上家は親から出た発を鳴いて3sを切った。構想はピンズのホンイツで間違いないだろう。
だが、ターツが一つ足りない。
ソーズのリャンカンを残していた場合は、東と南の代わりに3sと5sが手牌にあった事だろう。

本当は嬉しかった筈の6sツモ

その後6sをツモり、47s待ちリャンメンへと変化して

止まらない

親の7sでゲームセットだった。たとえ35では無く、13と持っていてもすぐ後に2sツモっています。場にソーズが安いので、13カンチャンはリャンメン並の良形テンパイですね。実際、3山です。
では、なぜ捲られているか。

ここまで書けば、それはもうお分かりだろう。

何切るへ


答えは4p!

さて、ここで前にあった何切るへと戻ってみよう。
東1親6巡目 42700点持ち(北1枚抜き)ドラ中・ツモ損

ここで6s7sを切ってはいけません。
なぜならイーシャンテンの受け入れがガッツリ減ってしまうからです。

「あっおい、待てぃ(江戸っ子)
このままリーチしても2ハンしかないから、ホンイツ発ドラ1もしくは混一一盃口ドラ1にしろ!」
と言いたい人達は、まま落ち着いて。

サンマのデータの解析もある程度進み、1局あたりの平均聴牌速度はおよそ9巡目だと言われています。だいたい捨て牌2段目の真ん中くらいになれば、誰かからリーチが飛んでくる(もしくは副露テンパイ)感じですね。
そんな中で、悠長にリャンメン落としをして速度が追いつけるとでも思っているんでしょうか?

また、なんとかテンパイしたとしても愚形率も上がります。

もう戻れない

あれから6sを切った牌姿を見てみましょう。
ここで5pもしくは8pがくれば確かにホンイツのテンパイです。
ですが、待ちは生憎どちらもカンチャン待ちになってしまいます。
5pが来たなら8p待ち。8pなら5p待ちです。かなり厳しい待ちですね。リーチしたらまず出ないのでダマで12000を狙う事になるでしょう。

もしここから良形に変えるなら二次変化を見る必要があります。

清一色移行もできるが、その道は険しいぞ

8pをツモった後に、更に4pをツモると以上の様な図になります。
14発待ちのテンパイですね。
ドラが中なので6枚待ちとなりますが、変則三面張のかなりいい待ちですね。






本当に他家が来る前にこんなホンイツの良形テンパイができるとでも思っているのか?
ソーズを絶対に引いてこない、という保証も無いのに?





多分、そんな豪運の人だったら負けてないと思うんですけど(名推理)


三麻は打点も重要だが、速度が一番大事

ホンイツを目指すより、このイーシャンテンの方がテンパイへの受け入れが広いのは流石に分かってる人が多いと思います。

天鳳より(ドラ表が発なので実際は1枚発が少ない)

例えばこれに黒5pを引いて先制リーチ。打点が上がらず、一盃口も発も付かないカタチ。
北を1枚抜いているので、リーチドラ1の3900スタート。



ん?
何が悪い? 言ってみろ。


満貫よりも遥かに打点が低いからダメ?
ツモって裏1で満貫ですよ?

そんな簡単には裏ドラは乗らない?
三麻は牌が少ないから、そこそこの確率で裏が乗りますよ。(約20%)

20%って低いじゃないか! しかもツモも必要なんだろう?!
道中で北を引いてくる可能性が有ります。また、ロン和了でもツモ損が有るのでそれほど変わりません。(3900オールか、7700)


はい、何も躊躇う必要は有りませんね。
無理してホンイツにいかず、即リーチの手順を目指しましょう。

人はなぜホンイツを目指してしまうのか

何切るも、私が実践で有った例でもそうでした。
速度が重要な場面で、あえて受け入れが狭い方へと進んでしまう。
これがホンイツの呪いなのです。

理由はただ単純にホンイツが強いと思っているからでしょう。字牌持ちで守備力も高いし、打点もある。
確かに、ホンイツは強いです。

ですが、弱点も多いのです。
三人麻雀での最強は【リーチ】です。
まだまだ加点を狙いたい状況で、あえて和了り辛い選択を取る必要性は何一つありません。

広いイーシャンテン!

この67sという両面ターツは言うまでもなく強いです。すぐに埋まりそうです。
簡単にリーチが目指せる手牌なのに、なぜ落とす必要が有るのでしょう?
リーチして他家を押さえつけにいく。それで良いじゃないですか。

北1枚抜き親リーの恐ろしさは、サンマ経験者なら痛い程分かるはず。おっかけをする子の要求打点は両面でも3翻近く要ります。愚形ならもっと必要です。待ちも索子か筒子かよく分からない。
手が揃ってない時にこんなリーチ打たれたら、ほぼ回らざるを得ません。

親の独壇場ですね。

ではもしホンイツをしていたら、他家視点ではどうなるでしょう?
サンマでは余り無しのホンイツは偶に有るとはいえ、大抵はテンパイ時に染めてる牌が余ります。
サンマはトップ取りゲーム。他家の押し引き基準としては、索子の両面落としをしているので、待ちはほぼ間違いなく筒子の牌もしくは字牌。なので、索子は流局間際まで押せる。筒子は、染め手に振るのは嫌だけど高打点聴牌したら余りが出る程度までは押したい。大雑把ですが、こんな感じになると思います。

あれあれ、他家の手組みがやり易くなってしまいましたね。ぶつかる可能性も上がってしまいました。
これが、ホンイツの弱点なのです。


え? 東1の何切るとオーラスの例では状況が全く違う、だって?
最速で和了りたいのはどっちも同じでしょ。

それでも染め手は強い時は強い

私が出した何切る問題。
三人麻雀が強い人なら間違いなく4pを選んでくれると考えています。

これがもし北が抜けていないドラ0でも、4pが多数で選ばれると思います。それは何よりも、先制でリーチが打てる事が大きいからです。裏や道中での北期待など、打点上昇要素がたくさん有るのもいいですね。
他家に北を全て抜かれてしまった時になってようやく混一色の選択肢が出てくるか、といった感じです。手なりで混一色を目指すのってのは、実はあまり多くは無いんですね。

では、手なりで混一色を目指す時はどういう時なのか。という事を最後に書きたいと思います。

ソーズの形が悪い

先程とは変わって、ソーズが愚形となっています。
正直これでも北1枚抜いているのなら4p優位ですが、1s切りの選択肢もだいぶアリになってくるでしょう。
愚形テンパイするのなら、いっその事ピンズに寄せようとの事ですね。

ソーズのターツが弱いので、外しが良い影響を与えやすいのです。

ではこういう時はどうでしょう。

えぇ…?

うん、簡単だな!
舐めてんのかと思っている方もいらっしゃるかと思いますが、当然ソーズ外し確定ですね。
前図との違いは、ソーズのターツができていない事です。こういう時は流石に染め有利になります。
打点も跳ね上がるので嬉しいですね。これが染め手の強い所です。

ちなみに1s9s切りどっちが良いかというと、直後にリーチが来た時の被裏ドラ効率で9s切りです。(うるせぇ

まとめ

ここまで読んでくれてありがとう!

長々と書きましたが、私が一番言いたい事を纏めると一つだけです。


三麻は打点を強く意識し過ぎずに、最速良形テンパイを目指せ!

そういう事です。
呪いなんか、跳ね除けろ!

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