メンタルとお薬と私の二週間

眠すぎる いつでも眠い すぐ寝たい

土方何某さんと張り合えそうな一句が浮かびました。眠い。

さて、心療内科を初受診してから二週間が経過して、二回目の受診を機にその後の経過をまとめようと思う。

念のため前回のあらすじ。会社(主に上司)の圧、度重なる理不尽によりメンタルが瀕死状態に陥った私は連日の憂鬱感と自信喪失、突然の号泣スコールに見舞われながら心療内科を訪れた。医師に症状を話し、鬱ではないと診断を受けるも抗うつ剤と安定剤を処方してもらい様子を見ましょうと帰された。その日は初めての心療内科にややウキウキしていたのと、何もかもどうでもよくなっていたのもあり夕飯に牛タンを平らげ満腹感と幸福感を噛み締めて帰宅したのだった。

お薬の恩恵

医師に「お薬飲めばすぐ収まると思いますよ」と告げられたものの、そんな即効性があるとは思えず「ええ～、ほんとにござるかぁ～？」と脳内の佐々木が囁いていた。

…のだが、マジで効いた。

毎日が悲観的で涙を流さない日はほとんどなく、上司に小言を言われるだけで心を抉られていた日々が嘘のように、私のメンタルに強力なバフがかかったのだ。突然傍らにマーリンと孔明とアスクレピオス先生が現れたかのような安心感。私は一気に無敵となった。上司に何を言われても「あー、そっすね」と流せるようになり、仕事のことを頻繁に思い出しては落ち込むこともほぼなくなった。

幸福感が高まったというよりは、絶望から今までの日常に戻っただけなのだが、一度落ちるところまで落ちてみると、当たり前の日常は永久に続くものではないのだなと、服薬によって気づかされたのだった。

お薬の試練

薬の効果は想像以上だった。ここ二週間ほぼ安定した感情を保てたし、上司の圧によって絶望に嘆くカイジのような泣き顔を晒したのは一度だけだった。眠れない、目が冴えるなどの不眠問題も解決し、至高の薬か？と崇めたくなる時期が私にもあった。いや、実際効果は覿面だったのだけども。

問題は副作用だ。とにかく眠い。四六時中眠い。睡眠時間は明らかに増えているのにもかかわらず脳はさらに貪欲に睡眠を欲した。仕事中だろうがお構いなく目蓋に重圧をかけてくる。あくびも止まらない。仕事中もずっとあくびが出るものだから目に止まった同僚たちは怠惰な人間だと思ったに違いない。あくびをしすぎて本気で顎関節を痛めた。私は薬ではなくわざマシンをもらったのか？知らぬ間に「ねむる」「あくび」を覚えたのか？私はヤドンだったのか？と正気を疑いたくなるような二週間だった。

ちなみに薬の効果が切れてきた時間帯は普通に憂鬱だった。在宅勤務だろうがPCに向かうのがめちゃくちゃしんどかった。それなのに眠気だけが取れず修行か拷問でも受けているかのようだった。ろくに仕事もできずアイテム周回をするのがやっとだった。無事推しは育成された。

受診再チャレンジと性格診断

そして二回目の受診の日が訪れた。正直初心でやることはやった感があったので、特に話したいことと言えば上記のクソ重い眠気についてくらいだった。

受付を済ませ呼ばれるのを待つだけかと思いきや、またしても問診票を渡された。初診と間違われてないか？と首を傾げるも、二回目の受診用の問診票だと説明された。自身の性格について該当項目にチェックしてくださいと渡されたそれは、よくある「私は◯◯だと思う」に対してはい・いいえ・どちらでもないと答えていくものだった。項目が多かったのであまり深く考えずに記入を済ませ、お呼びがかかるまで待合室でうとうとしながら備え付けのテレビを眺めていた。

先生に呼ばれ診察室に入ると、経過について聞かれたため眠気の話と薬が切れたときの状態について語った。先生は相変わらず「それは良かったですね」「それは大変ですね」と関心なさそうにキーボードを叩いていた。眠気については薬の量を減らすべきだし、薬の効果が切れる時間の憂鬱については量を増やすべきだし、結局どうしようもないので現状維持となった。また二週間眠気と戦うことが確定し私の笑顔はひきつった。先生、これ以上修行したくないです。

最後に問診票の結果をもとに私の性格を数値にした書類を見せられた。簡単に数値の項目を説明され、平均値を上回っている部分や下回っている部分について話をされた。先生によると好奇心や協調性は基準を上回っているが、他人に厳しくしたり優しくする部分は下回っているとのことで、結論として、

「銀朱さんはマイペースで協調性はあるから周りから浮かないけど、他人にはあまり興味がないタイプですね」

先生、人はそれをクズと呼ぶんだよ。私の中のカイジがそう言った。返す言葉もなく笑うしかなかった。ダメ人間である自覚はあったが、他人から面と向かって言われると心に来るものがあった。心療内科でメンタル抉られてどうするんだ。

そんなこんなで処方箋を出されて診察はあっさり終了、また二週間後来てね、と温かく帰され虚無顔で駅へ向かった。

今回の受診でわかったことといえば、この戦いはまだまだ続くということだ。ご声援ありがとうございました！銀朱先生の次回作にご期待ください！嘘です打ち切りじゃないのでまた書きます。

最後に。コーヒー買った途端眠気が覚めるのなんとかならないかなあ。