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深層から始める体幹トレーニング:安定性を高める秘訣と実践方法

深層部から安定性を高める体幹は
人間の身体の中心であり
あらゆる動きにおいて
重要な役割ですよね

この体幹の安定性を高めるためには
体幹筋を効果的に鍛える必要があります

では一体どのように体幹を鍛えればいいのか?
そのトレーニングの方法を今回は紹介します

Draw-inとBracing

腹部の安定を向上させるトレーニングの方法
基礎的なトレーニングとして
以下の3つの方法があります

Draw-in
腹横筋のみを収縮させ
内腹斜筋の収縮は最小限に抑えることができます
触診では深層の腹横筋が
横方向に滑走していく感覚を感じます
 Submaximal Draw-in
腹横筋と内腹斜筋の共同収縮を促す方法で
Draw-inよりも収縮強度が高くなります
触診では上前腸骨棘の内側が膨隆する感覚を感じます
Bracing
腹筋群全体の共同収縮を促す方法で
腹部全体に力を入れて膨らませます
体幹の剛性を高めるトレーニングとなり
この中では最も収縮強度が高いです。

体幹筋活動様式の説明とエコー画像 

Motor control exercise

ローカル筋は体幹筋活動の土台となるため
トレーニングの初期段階では
ローカル筋のMotor control exerciseを行います

腹横筋のMotor control exercise
Draw-inが有効です

特に背臥位で下腹部のみを引き込むことが
腹横筋の下部および中部線維の促通に有効です
息を吐きながら腹部を引き込ませ
腹横筋の選択的収縮を促通します

片側性に腹横筋を促通する場合は
Side draw-inを行います
側臥位で draw-in を行わせ
ウエストを持ち上げるように指導します

A:Draw-in B: side draw-in

多裂筋のMotor control exercise
腹臥位や四つ這い姿勢で
ゆっくり骨盤の前傾を促す運動を行います

表層脊柱起立筋の過剰収縮を避け
下位腰椎の多裂筋の収縮を確認することが重要です

深部筋の選択的トレーニングは
対象筋の神経筋反応時間を改善させる効果があり
ローカル筋の初期活動を生み出し
機能的な体幹の土台となります

A:多裂筋の Motor control exercise B:胸腰筋膜の下にある多裂筋の筋厚が厚くなっている

Bridge exercise

ローカル筋機能を向上させた後に
機能的な体幹の剛性を高めるために
Bridge exerciseを行います。

基本的なBridge exercise
Elbow-toe、Hand-knee、Back ridge、Side bridge
などがあります

各エクササイズに上下肢挙上を加えることで
難易度を調整できます。

Elbow-toeでは腹筋群の共同収縮
Back bridgeでは背筋群の共同収縮
Hand-kneeでは腹筋・背筋群の共同収縮
Side bridgeでは支持側の外腹斜筋の活動量が
特異的に大きくなります

基本的なBridge exerciseと筋活動

Bridge exerciseでは
床面に面している体幹筋群が
抗重力位になることで共同収縮を示すため
促通すべき体幹筋によって
適切なエクササイズを選択する必要があります

筋筋膜経線に沿った体幹筋トレーニング

より機能的な体幹筋機能を作るためには
筋筋膜経線を意識した
体幹筋トレーニングを実施します

体幹前面の筋筋膜経線
前斜走スリングを促通するため
Adductor side bridgeが有効です
Adductor side bridgeでは
上側の足で体重を指示し
下側の腹斜筋群と上側の内転筋の
共同収縮を促通します

体幹背面の筋筋膜経線
 後斜走スリングを促通するため
クロスモーション背筋が有効です
クロスモーション背筋では
対側の上肢と股関節を伸展させ
広背筋と大殿筋を共同収縮させます

Hand-knee 対側上下肢挙上時における下肢挙上側の
多裂筋および反対側の脊柱起立筋の共同収縮も
背面の筋筋膜経線に沿ったエクササイズとなります

A:Adductor side bridge B:クロスモーション背筋

終わりに

体幹トレーニングは
深層部のローカル筋から鍛えて
段階的に強度を上げていくことが重要です
体幹を鍛えるには
対象者にあった適切なトレーニング方法の
選択が重要と言えますね

今回、引用参考にした文献はこちら

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsatj/5/1/5_3/_pdf/-char/ja


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