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学校1怖い先生に片想いした話④


その後も少々気まずい気持ちを
引きずっていました。
しかも友達にも
「好きかもしれない」と言われてその直後に本人からビンタ。
それを見られてしまって
なんだかその友達に対しても
恥ずかしい気持ちがいっぱいでした。

そこからしばらく
その先生に対しての恋バナは自粛して
淡々と勉強に励むようになりました。

そして先生も淡々と私と接するのですが
元々がぶっきらぼうな雰囲気の方なので
私も気まずさを引きづらずに済みました。

私はこの出来事以後から
ぶっきらぼうな雰囲気の人に
好感を持つようになりました。

今までを思い返してみると
最初ハイテンションで近づいてきた友達が
私が変わり者だと気づいたら
あからさまにテンションが下がり
その落差に幾度となく傷ついてきたからです。

そう考えるとぶっきらぼうな人って
私にとっては全く怖くないなと。


アングラでみんなが怖がるような人とも
よく仲良くなれるのは
私にとってテンションの落差の激しい
普通の人の方がよっぽど怖かったのです。

そんなぶっきらぼうな先生も
家に帰ればパパでした。

受験が近づいた正月。
大晦日まで課外が詰め込まれていた
追い込みの受験生にとって
最後の1日しかないお休みの日でした。
2日からまた課外が始まります。

そんなたった1日しかないその休みの日に
プライベートでみんなで初詣に行って
自分の家でぜんざいを振る舞うと
その先生が提案してきたのです。

1日しかない休みを家族を巻き込んで
給料が出るわけでもないのに消費する
先生もさることながら
一人も欠けることなく集まった生徒たちも
今思うとすごいなと思いました。

どれだけみんなそのクラスが
大好きだったのか。

学校では見れない家庭的な先生の一面が
見えたそのお正月も
泊まりで受けに行ったセンター試験すらも
そのクラスでのイベントは
一つ残らず楽しかったのです。


受験を失敗して号泣する私に対して
「よく頑張った」と
初めてかもしれない褒め言葉をもらいました。

ずっと友達に
「告白する」と宣言していた私は
卒業式の時宣言通り
みんなの前に出る一人ずつの挨拶で
私は〇〇先生とこのクラスが
 大好きでした

と言いました。

友達は「告白きちんと見届けたよ」と
言ってくれました。

その後田舎の高校のため
進学コースの生徒はバラバラになるのですが
なぜか卒業の時に
今まで禁止だった携帯の連絡先を交換して
卒業後も先生とやりとりがあった気がします。

もちろんそれ以上もありませんでしたし
連絡先もおそらく消えてしまいました。

しかしその年は
限界集落で暮らした私の5年間の
有終の美を飾る最高の1年となり
私の記憶に残るのでした。

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