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あの人には出来るけどあなたには出来ない


続編のような番外編のような話です。

前回まで忖度しない私が出来上がるまでに
起こった出来事やきっかけを与えてくれた
上司の話をしました。

この上司と働くことになった時から
遡ること2か月前
うちの会社が県外への進出を決めて
第一店舗目がうちだったので
最初の2か月は私の上にその上司ではなく
私と同じく出向して出てきた先輩が
そこでの私の最初の上司でした。

ですが前回の投稿でもお伝えしたとおり
M&Aの吸収した側の会社にいた私たちは
元いたメンバーよりも経験は短く
社歴に対して下克上状態だったので
それはその先輩にとっても
辛い出来事でしたし

はじめての試みでまだ会社内の制度が
整っておらずたびたび不遇な目に遭ったり
そもそもが私のように
出向を望んで来た人ではなかったので
2か月で限界を迎え
早々に会社と喧嘩をして辞めていきました。

それは私にとってはショッキングな出来事で
その先輩は新人時代からお世話になっていた
こともあり思い入れが深かったので
私はその上司に向けて
元々の関わったメンバーからメッセージを募り寄せ書きのアルバムを作ることにしました。

ただこのような状態だったので
うちの店舗内のハレーションは止まらず
その後も次々と社員が辞めていく
事態になりました。

私はその流れでほぼ毎月のように
寄せ書きのアルバムを取りまとめるも
最初のその先輩ほどの思い入れはなく
同じような完成度で作るのが
段々としんどくなっていきました。

ある時
私が最も馬が合わなかった社員が
またしても会社と喧嘩するような形で
辞めていくことになりました。

私はその時ですらも
流れで寄せ書きのアルバムを
取りまとめました。

そのしんどさは私の中でピークを
迎えていました。
私のことを嫌っているその社員が
そんな私が取りまとめたアルバムを
渡されるってどういう気分だろうと
思ったらなかなかエンジンがかかりませんでした。


いざ完成した寄せ書きのアルバムを
渡す時も
予想はしていたものの
やはり微妙な表情をしていました。

惰性で心のこもっていない贈り物をすることがどんなに辛いことなのか
ここで嫌と言うほど学びました。

そんな様子を見て
上司は私に言いました。
もう、こういうの、よくない?

私は誰かがそう言ってくれるのを
心の底では待ち望んでいました。

それからその上司の権限で
惰性で作るアルバムもプレゼントも
誕生日のお祝いも飲み会も
一度全部なくなりました。

私はまだ幼くて
それをしないという決断を
自分の力で出来ずにいたのです。

それを機に
私はだんだんとNOと言えるように
なってきました。
気乗りしない結婚式も断れるようになり

人付き合いも変わりました。

私の優しさに漬け込むように依存する
友人を次々と切ることが出来たのです。

そこから周りは
「YES.NO」をはっきり言える人だけになり
妙な駆け引きをするような
脳のリソースを使わずに
嫌われることを恐れることもなく
自然体で居られるようになりました。

ある時そんなに仲良くない社員の一人が
私に結婚式の招待を出してきました。

祝う気持ちはあるけど  
 祝儀を出すほどの距離感ではない


自分の中で早めに結論が出ました。

今までの私なら
「どうしようどうしよう」とずっと悩んで
結論を先延ばしにしていましたが
企画している側からすると
レスポンスが遅いことの方が迷惑がかかると
お花企画で学んでいたため
即断りの返信をしました。

かもすると断りの連絡が
あまりに早いのは失礼じゃないかと
言う意見も出そうですが
私は必ずしもそうだとは思わないのです。

その話をその上司にしたら
「前のSISだったら行ってそうだよね」
と笑っていました。
本当にその通りです。

すっかり仲良くなったその上司から
今は何かとしてもらったり
差し入れをもらったりしますが
以前はそういうことをするようなイメージはなく 

本当に然るべき時に中身のあるGIVEのできるお金の使い方の上手な大人なんだなぁと
思いました。

そんな中
ずっと同じ店舗で一緒に頑張ってきた
先輩が最近子育てとの両立が出来ず
辞めていくことになりました。

その先輩は最初のM&Aの時は
敵対する立場だったものの
長く接している間に和解し
私が休職した時などは
一番心配してこまめに連絡をくださった方でした。

私はなんとか同じ職場で
続けて欲しかったのですが
シングルマザーということもあり
様々な事情を聞いた上でずいぶん
無理して続けてきたので
最後はそんなことは言えませんでした。

代わりに退職後もちょくちょく会おう
という約束をしました。

私は久しぶりに心から寄せ書きのアルバムを
作りたいと思いました。

おそらくここ数日は
それに専念すると思います。
そのための準備として
これを書き溜めていました。

今ははっきり言えます。
結婚式に行けるかどうかも
送別会に行くかどうかも
メッセージを送るかどうかも
私の心が決めます。

あの人に出来たけど
あなたには出来ない


そんなことはあるのです。

それにはあなたが私に対して
今までどれだけGIVEしてくれたか
が影響しています。
お金の問題ではありません。
脳のリソースの問題です。

気持ちのこもっていないプレゼントなら
ない方がマシなのです。


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