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【自作PC】ゲーム用PCをアップグレードするおはなし その1【Z11】

みなさまごきげんよう。しりゅうです。

今回は、ゲーム用のPCを組み替える話です。事は2020年11月、ASUSの発表したケース、『Z11』に一目惚れしたことから始まります。下面吸気上面排気の煙突効果を期待できるスタイルで、Mini-ITXおよびMini-DTXのマザーボードに対応し、90度回転配置で内部は裏配線のために11度傾けてあり、グラフィックボードも昨今の重量増を気にしなくていい縦配置という……情報量の多さも相まって好きになる要素しかないんですよ。しかたないね!!

……自分がPC組みたくなる要因はいくつかありますが、ケースが欲しくなってそれに合わせて一式、というこのパターンが一番重症です。単純にPCが増える……用途……置き場所……。
今回の『Z11』はMini-DTX対応。そしてその規格のマザーボード、『ROG Crosshair VIII Impact』はすでに持っているのです。つまり、ケースだけ交換っていう手があるのでそれで行こう、と。
しかしそれだけでは面白くない。発売になったばかりのZen3CPUとRDNA2のグラフィックボードに入れ替えたいという欲求も。まだまだ全世界的に品薄のため入手困難ではありますが、すでにあるPCを移植しつつ、手に入ったモノから交換していけばいいよね。ということで、軽い気持ちで注文してしまいました。結構いいお値段だけど、こういうモードに入ると手が届く範囲なら実質無料ってなっちゃうんですよね。しかたないね!!

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箱を開けると『JOIN THE REPUBLIC』と書かれた化粧板があり、さっそくテンションが上がります。裏には中身を固定する緩衝材もついている板なので、全く無意味な飾りというわけでもないのがニクいですね。その下にはアクセサリー類の入った箱とマニュアル類が。無垢段ボールのままでなく黒塗りにROGロゴと、ちゃんとお金がかかっています。箱の中には、ケースを横置きした際に交換するロゴプレート、ネジやケーブルタイ、電源やラジエーターなどのマウントに使う各種のブラケット、そしてROGドライバー。M.2など一部の小型ネジ以外はこれで回せるサイズのビットがついています。ちゃんと使えることが前提ですが、こういうメーカー印の工具ってうれしいですよね。

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ROGマークの入った黒い不織布には、ケース本体が入っています。写真の上側になっている面が、立てて置いた際には背面になります。ちょうど持ち手のようになっているんで、持ち運ぶときには便利なんですよね……ただ、このまま硬い場所に置くと前面には脚がないので傷つけちゃいそうですが。

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で、中にはあらかじめ(?)こんなものが。AKIBA PC Hotline!の記事でも、店員さん曰く『何故か女性のフィギュアが入っていた』とのことなのでよくわからないんですが、ちゃんとマザーボード固定のポイントにネジ止めされていて、中で暴れないようになっています。初回限定のギフト、って事みたいですね。これ以上は特に語るまい……。

一通りバラして状態を確認し、戻せることも確認出来たので、次は組み換えです。組んでいく過程は通常のケースと一緒で、私の場合は以前のPCをバラして手順通りに組むだけなので割愛し、気になった点や抑えておきたいポイントなどをいくつか挙げていきたいと思います。

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一つ目は対応する電源について。このケースはATXおよびSFX規格の電源に対応し、SFX電源についてはブラケットを変更しての取り付けになるのですが、奥に向けてオフセットして固定する形になります。このことでSFXより少し奥行きのあるSFX-L規格の電源の場合、干渉して取り付けはほぼ不可能でした。SFX-L規格への対応は謳われていないのでその通りなのですが、私の場合、前に使っていた電源を流用しようと思っていたのが使えなかったのでした。写真は、ATX用の標準ブラケットにSFX-L電源を固定してみたの図。二点止めで隙間も大きくなりますが、これを許容できるなら奥行き問題は解決しますが……色々と心許ないので素直にATX電源を使うことにしました。また、出来れば奥行きの小さな電源を選ぶといいと思います。プラグインの電源の場合、使わないケーブルは減らせますがコネクタの分奥行きがあるので、苦労する可能性があると思います。

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次は裏配線について。このケースはマザーボードのマウント角度を11度傾けることでケース内部に空間を作り、そこを利用して裏配線ができるケースになっています。しかし、フロントパネルのケーブル類の長さの関係で広がっている空間をあまり使えず、狭い方に集中してしまいました。写真はまだ途中の状態ですが、束ねて太くなっている部分の大半がフロントパネル側から来ているケーブルです。もう少し何とかなりそうな気もするんですが……ここは組みなおしの際にもう少し詰めたいと思います。閉じれば見えないので、蓋が閉まる程度にまとめておけばいいのですが、この辺りは裏配線上級者になるための試練、って感じがしますね。がんばりましょう。

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続いては、裏にある基板『エクステンションハブ』について。USBやARGB、ファンのコネクタをまとめるハブです。マニュアルが日本語化されてないことで見落とした、っていう言い訳でしかないのですが、USB2.0の差し口には制限があるんですよね……簡易水冷のコントローラー用と、フロントのUSB2.0用とが分かれているのでした。フロント用は最初から接続されているので差し換えしなければいいのですが、ケーブルの取り回しをあれこれしている時に、差し換えちゃったんですよね……簡易水冷は普通に動きましたが、フロントのUSBが動かなかった……ここだけちょっと特殊なので、注意というか見落とさないでね、というお話でした。

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また、地味なポイントですが、『ROG Crosshair VIII Impact』のSATAポートの上向きの位置とケーブル隠しブラケットの位置が近いので、ここが使いにくいです。横向きのポート(写真下部)にストレートコネクタで使うのがいいでしょう。グラフィックボードも来る場所なので、ケーブルの取り回し含めて考えたいところです。写真は、前の構成の時に使っていたケーブルを流用しようとして無理に気付いた時の物です。てへ。

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最後にここの2.5インチマウントについて。このケースは、簡易水冷を使わない場合、背面の吸排気口にブラケットをつけてそこにマウントすることも出来るのですが、240mmのラジエーターを使う場合そこは全滅してしまい、マザー下のケーブル隠しブラケットか、写真のケース上部の奥まったところのどちらかにつけることになります。ただ、写真の四角い穴はマザーボードのバックパネルから出るケーブルの通り道で、この向きにつけた場合ケーブルとコネクタで埋まってしまいます。逆向きにつけた場合奥にスペースはほとんどなく、L字の電源とSATAコネクタのケーブルが必要になるでしょう。L字は向きがあるので使えるものを探すのがめんどくさい気がします。この子は光るSSDでこの向きで使えないと嫌なので、おとなしくケーブル隠しブラケットにつけることにしました。

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そんなこんなで移植を終えたPCがこちら。なんやかんやあって電源をまた別なPCから移植したり、Ryzen9 5900Xが手に入ったのでそれを組み込んで240mmの簡易水冷にしたので、あと残った工程はグラフィックボードが手に入れて、それを組み込むだけです。
簡易水冷は背面からの吸気として、上面のファンで全部吐き出すエアフローになっています。真ん中にある赤いファン、InWinのMARSは、グラフィックボードの裏側の熱を浴びるM.2のSSDに風を当てたいのでつけています。右の写真は電源ケーブル差し忘れたので回っていません(あとでちゃんと繋ぎました)

と、いうことで、『Z11』についてのまとめです。
・良かった点
思った以上に静か。開口部も多いし音源も外と近いのに。剛性感もあってしっかりしているので、変な振動もない。
質感がいい。満足感がある。約4万円の甲斐はあった。
240mmの簡易水冷が使える。CPUを空冷にして簡易水冷のグラフィックボードを使うのも面白いかもしれない。
グラフィックボードの制限が緩い。最近の大型でも入る。はず。縦置きの場合、重量を気にしなくていいのもよい所。

・悪かった点
大きい。Mini-ITX/DTX用ケースとしては大きい。ATX並。
マザーボードのバックパネルへのアクセスが困難。アクセスするには天板を外し、そこからネジで前か後ろの板を外さないとアクセスできない。また、ケーブルの引き出し口が小さいので、太いケーブルは使いにくい。細くてしっかりしたUSBの延長ケーブルが欲しい。
配線が大変。Mini-ITX系ケースの宿命ですが、一番は売りのはずの11度傾けて作ったスペースを生かせなかった……。
ハブのUSB2.0の謎の制限。他は、刺さる所に刺していくだけで何も起こらないのにここだけ……基板側にも刻印があると気づきやすいと思う。

・その他
あの謎のフィギュアの正体を知りたい。

そんな感じで、Z11で組んでみての感想などを書いてみました。気になっている人や迷っている人の助けになっていたら嬉しいです。予算が許すなら買って損はないですよ。苦労すること含めて楽しいケースです。
この先まだアップグレードする予定ですが、それはまたその時に。それではごきげんよう!!

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