見出し画像

なぜ電鉄系のスーパーが健康に取り組むのか・実証実験の事例と一緒にご紹介

こんにちは!SIRU+の川﨑です!

みなさんは鉄道会社がやっているスーパーマーケット(通称:電鉄系スーパー)利用したことありますか?
東急ストア、京王ストア、東武ストア、静鉄ストア、西武ストア、近商ストア、阪急ファミリーストア、、、
全国にも数多くありますが、実はシルタス、この電鉄系スーパーさんと一緒に実証実験を行った事例があります。

※なんでそんなに行政との実証実験に採択されてるの?って思った方は、podcastで代表の小原が「なぜこんなに行政の実証実験に採択れるのか」語ったものがちょうど先日UPされたので、よければこちらもぜひ。
(後日noteにも記事上がります〜!)


さて話戻りまして、今回ご紹介するのは電鉄系のスーパーと行ったこちらの2つの実証実験です!

  • しずてつストア・藤枝市「購買履歴の分析による食生活提案アプリ実証実験」

  • 西鉄ストア・福岡市「購買履歴の分析による食生活提案アプリ実証実験」

ところで、、、
どうして鉄道会社がスーパーを?ヘルスケアを?実証実験を?、、、と謎が謎を呼んだので、
まずは鉄道会社とスーパー、自治体の関連から!書いていきたいと思います!

鉄道会社がスーパー事業をやるワケ

鉄ヲタも流石にここまで知らない(はず)

さまざまな事業を展開する鉄道会社

鉄道会社は鉄道事業だけやっているわけではなく
「駅」を基点として、スーパーマーケットなどの小売業、不動産、ホテル、レジャー施設、フィットネスなどの事業を展開している会社が多くあります。

どうしてこんなにたくさんの事業をやっているのかというと、
沿線周囲のまちづくりを進めていくことで沿線価値を高めていくことが鉄道会社のミッションの一つでもあるからです。
その街の全てのサービスを鉄道会社がまとめておこなっている方がニーズなど把握がしやすく、鉄道会社も利益が出やすいです。
住みやすいまちづくりも進めやすくなります。

例えば東急にはTOKYU POINT CARDというものがあり、電車での移動、東急グループ・提携企業のサービスの利用、公共料金など日々かかる家計の支出を東急カードでクレジット払いすることでポイントが貯まります。
ポイントカードが一元化されればポイントも貯まりやすいので街に住む人はお得で嬉しいですね!

ポイント経済圏、データ経済圏ができてるから、
住民は住んでいるだけでポイントが貯まるのでお得で嬉しいし、企業はデータが集積されているのでまちづくりの構想がしやすくなります。

スーパーの買い物情報から栄養状態が分かり、その会社がやってるフィットネスで運動を管理して、 両方のデータを連携させて健康状態をみる、みたいなことも構想できますね。
まさに住んでいるだけで健康になれる、というようなまちづくりも構想しやすいです。

この考え方、、、、
データを集積してそれを利用していきましょう、という考え方がなんだかスマートシティに似てますね…!

自治体とタッグを組んで地域課題の解決「包括連携協定」

西鉄グループHPより(久留米市と2018年7月3日に包括連携協定を締結)

鉄道会社がなぜ自治体と一緒に取り組みを進めているのか。

どうやら自治体が民間企業や大学等と連携して地域の課題を解決していくことを「包括連携協定」というらしいです。
調べてみると鉄道会社との協定の締結がたくさん出てきました。

鉄道会社と自治体で連携してまちづくりをしている事例が多くあるようです。

西日本鉄道と久留米市・北九州市・太宰市・佐賀県

墨田区と東武鉄道

西日本鉄道と滋賀県の再締結

このほかにもたくさんの事例があります。

国土交通省も「鉄道沿線まちづくり」について2015(H27)年12月にガイドラインをまとめていて、2018(H30)年度からは「沿線価値向上」が掲げられています。

鉄道沿線まちづくりとは・・・鉄道沿線を軸に都市機能が集積するという構造を活かしつつ、交通結節点である駅周辺に福祉、子育て支援、買い物等の生活支援機能を誘導するとともに、拠点病院、大規模商業施設、文化ホール等の高次の都市機能については沿線の市町村間で分担・連携し、あわせてサービス向上等によってフィーダー(支線)交通を含む公共交通機能の強化を図るまちづくりの手法

「鉄道沿線まちづくり」ガイドラインより

このように、鉄道の沿線には「まち」があり、自治体は「まち」の仕組みを作っているということ。
沿線価値を上げたい鉄道会社、健康になってほしい・地域を良くしていきたいと言う自治体のベクトルが同じということ。
こういう理由から自治体と鉄道会社が一緒にまちづくりをする事例がたくさんあるんですね。

今回の実証実験になぜ、SIRU+が?

ポイントは「まちづくり」

鉄道会社がスーパーマーケットなど様々な事業を展開しながら、自治体とも協力してまちづくりをしている、ということがわかりました。

まちづくりをしていく、ということはその地域を良くしていこうということ。
地域を良くしていくための施策の一つに、「健康」があります。

今回紹介する実証実験は、シルタスから自治体にお声がけをしたものですが、元々自治体がスタートアップと何かやりたいということで、いくつかテーマがあり、そのうちのテーマの1つが「健康」でした。

自治体は健康施策をたくさん行っていますが、「予防」に関する施策はなかなか難しいという課題があります。
健康教室、みたいなものを開いてもきてくれるのはお年寄りばかりになってしまったり、健康意識の高い人ばかり集まってしまったり。
本当に来てほしい、これから生活習慣病を予防していく必要のある中年層に来てもらうことは難しいです。
まだ全然病気になっていないし健康なのに、自治体がやっている健康教室行ってみよう!自治体が紹介している健康情報を取り入れてみよう!と自分から情報を集めて行動するのはなかなか難しいですよね。

SIRU+はスーパーで買い物をするだけで自動的に栄養素に変換してくれて、「無理せずゆるく」食事管理ができるアプリです。
今の食生活を無理せずに把握することで、生活習慣病などの健康課題を解決するために自治体と一緒に取り組み進めていくことになりました。
そして「まちづくりをする」という観点から電鉄系スーパーも「健康」に関する取り組みに注目しています。
(まちづくりを進めていく上で、「健康」はまちを活性化させていく上で重要なポイントなので。)
こんな流れで電鉄系のスーパーとの実証実験が始まりました。

実証実験について

SIRU+が交通系ICカードとも連携もされました

nimocaHPより。キャラクター可愛すぎて一目惚れしました。
こんなに可愛いのに名前が無いらしい。

2つの実証実験の詳細をご紹介します!
2つとも、ポイントカードをSIRU+アプリと連携して買い物時に利用することで、栄養素分析すると言う点は共通しています。
連携したポイントカードは下記になります。

しずてつストア
しずてつカードLuLuCa
西鉄ストア
「ナイスカード」または「あんくるふじやカード」
交通系ICカード「nimoca

※西鉄ストアのポイントカードは昨年10月に「ユナイトカード」に切り替わりましたので、現在「ナイスカード」「あんくるふじやカード」は使われていません

今回は、電鉄系のスーパー、と言うこともあり交通系ICカードにもシルタスを連携していただくことができました。
「nimoca」は、関東圏でいう、SuicaやPASMOのようなものらしく多くの福岡市民が使っているそうです!

もしSuicaとか、PASMOにシルタスが連携されたら、、、、と想像しちゃいました!なんか夢ありますね!

さて、それぞれの実証実験の詳細について書いていきます。

藤枝市×しずてつストア実証実験詳細

こちらの実証実験は血圧の変化を主に追っていました。
その背景には、藤枝市民の血圧が他の地域と比較して高めだからです。
実際に取得したデータは、「食塩相当量」「カリウム」「野菜購入量」「惣菜・お弁当購入点数」「栄養充足率」でアンケートの実施も併せて行いました。

結果は、高血圧をはじめとする生活習慣病予防に向けた行動変容促進と
してカリウム摂取量の増加、野菜購入点数の増加、惣菜・弁当の購入点数の減少への効果がみられました。

広報ふじえだや、ホームページSNS、ラジオやチラシの配布、市の保健事業や店頭でのキャンペーンなどの方法で参加者を募りましたが、参加者は健康への関心が高い人が多かったので、SIRU+を使うことでさらに健康への意識付け強化に繋がりました。
やはり、健康無関心層への働きかけは難しく、そこへのアプローチが課題となります。

とはいえSIRU+で栄養状態がわかることで、食生活を意識しやすい環境作りの手助けになったのは嬉しい結果ですね!

期間
2021年8月1日~2022年1月末
実施店舗
しずてつストア全店(30店舗)
対象者
藤枝市民1,000名
流れ
しずてつストア店舗で、しずてつストアのポイントカード、しずてつカードLuLuCaを提示して買い物
購入食品の栄養素を自動で分析
アプリ上で不足栄養素を補える食品やレシピを提案
高血圧をはじめとする生活習慣病予防に向けた行動変容を促し、食生活の改善を目指す。
検証内容
実証実験前後の購買履歴を分析し、栄養摂取状況や、購入品目の変化を検証。検証項目である、市民の健康意識の改善やスーパーのロイヤリティ向上を目指す。

福岡市×西鉄ストア実証実験詳細

こちらの実証実験で主に追っていたのは、栄養バランスが整ったか、行動変容ができていたか、ということです。
測定した項目は、「野菜の購入頻度」「生活習慣病予防・改善を目的とした食生活の実践」「栄養摂取状態(SIRU+スコア)」「アプリ開く頻度」です。
この実証実験では、野菜の購入点数の増加、健康を意識した割合の増加や栄養摂取状態(SIRU+スコア)の改善が見られました。
SIRU+の介入により自身の栄養状態に興味を持つようになり、食事バラン
スを意識して買い物するようになったことがわかります。

「SIRU+」を今後も利用したいと思っている参加者の割合は 83.4%と「SIRU+」への満足度が高いこともわかりました…!(嬉しい)

そして、健康行動の習慣化だけでなく、売上の向上にもつなげることができました!利用者の方達の健康だけでなくスーパーにとっても良い結果が得られたんですね…!

期間
募集期間:令和3年7月15日~令和3年8月15日 実験期間:利用開始日から6ヶ月間
実施店舗
福岡市内の、にしてつストア・レガネットの22店舗
(SIRU+利用可能店舗は、市外店舗を含む61店舗)
対象者
10〜70代の男女の男女329名
集客
福岡ヘルス・ラボWebサイト、市政だより、エリアの校区自治協議会を通した募集、市内スーパーの買い物客などに対して、モニター勧奨を実施
■実施したキャンペーン
1.アプリDL & カード連携100pt付与キャンペーン
2.味の素対象商品購入で40pt付与キャンペーン
3.最大1万円の食費還元キャンペーン
流れ
にしてつストアのポイントカード「ナイスカード」または「あんくるふじやカード」をSIRU+に連携して買い物する
アプリが自動で購入食品の栄養バランスを分析し、不足栄養素を補える食品やレシピを提案
アプリを利用することで、生活習慣病予防に向けた行動変容を促し、食生活の改善を目指す。
検証内容
SIRU+の利用前後における、参加者の栄養摂取状況や健康意識、購買意識、購買行動の変化を検証

最後に

今回は電鉄系スーパーとの実証実験をご紹介しましたがいかがでしたか?

鉄道会社の「まち全体」に対する取り組みは、シルタスが目指すところの「買い物するだけで」「住んでいるだけで」まち全体を健康にしていくというところに近いものがあると感じました。

今後鉄道系のストアと一緒にやる予定は今のところはありませんが、
地域を巻き込んでまちづくりをしたい、まち全体を一気に面で健康にしていくとうシルタスのプロダクトと、鉄道会社や自治体のまちづくりをしていきたいというのはマッチしているところなので、今後もどんどんやっていきたいとのことでした!


シルタスのプロジェクトに質問などありましたらどしどし連絡ください!SIRU+は今後も「がんばらないヘルスケア」を日本全国に広げていきます!

シルタス株式会社コーポレートサイト
SIRU+アプリのダウンロードはこちら