見出し画像

ブラウン管の中で動く命

前回のnoteから1ヶ月。遂に妊娠11週4日まできた。

4月から数週間続いた出血も今は落ち着き、今度は出血が再開しないかの恐怖に囚われている。人間、不安はつきものだから、仕方のないことと思う。

前回のエコーで、初めて「人間」を見た。
それまで豆粒のように小さかった、ブラウン管テレビに映し出された”砂嵐”のような映像でしかなかったものに、人間が映り、動いていた。


「手足を動かしてるね、可愛い」と看護師さんに言われて、お腹の子は実在するんだ…!と思った。いや、妊娠してるんだから当たり前なんだけど、
つわりや胸の張り、頻尿などほとんど無いに等しい私のような妊婦にとって、エコーの時間だけが唯一、自分が妊婦なのだと嫌でも自覚させられる時間なのである。

同時に、エコーを受けている時だけが、唯一安心できる時間でもある。

つわりなどのマイナートラブルに苦しむのも相当辛いだろうというのは想像に難くない。けれども、ないならないでとんでもない不安なのである。
妊娠初期症状は十人十色なんてことは頭では分かっていても、ネット検索をして「平均」だの「普通」だの書かれると、一気に不安が押し寄せる。


マイナートラブルに加えて働きに出ている妊婦さんには、本当に頭が上がらない。
それがほぼなく専業主婦の私なぞ、「辛い」なんて口に出そうものなら叩かれそうだ。


そんなこんなで、大きな不安を抱えつつも、所謂9週,10週の壁と言われるものは無事突破できた。
次に現れるは12週の壁。流産のほぼほぼが、この12週までに起こると言われている。

ここまで来られたからって、エコーで元気な姿を見られたからって、あまり安心できない悲しき不妊脳の私。
でも仕方ない。採卵した3つの卵は全て使い果たしてしまった。
この子がダメになってしまったら、また採卵からになる。耐えられない。
精神的に、耐えられない。


エコーで動く姿を動画に納め、帰宅後に夫に見せた。
すごく、すごく感動してくれていて、こちらもくるものがあった。
まだ日々不安ではあるものの、あの時動いた我が子を見た時は、とんでもなく愛おしいと思った。この子を手放したくない。どうか無事に生まれてきて欲しい。


不妊治療を経て妊娠された方は、私だけではなく必要以上に不安に思ってしまう方がたくさんいるのだろうと推測する。
今までしんどい思いをして中々結果が出なかった分、今回本当に出産までいけるの?上げて落とす作戦なんじゃないの?と日々疑ってしまい本当に疲れる。

さすがに5週頃の初期の初期の頃よりは、喜びの感情と共に妊娠している実感も出てきたものの、まだ8割は「不安」「怖い」が占めている。

きっと、幾つの壁を乗り越えようが、母子ともに無事出産を終えるまでは不安は尽きないと思う。

でも心配してもキリがないし、想定外のところから問題が降ってくるのが人生。
今までの人生だってずっとそうだった。
…そのことをすぐに忘れるから、こうして今もウジウジ不安に苛まれているのだけれども。


来週はいよいよ12週に入る。NT(胎児の首のむくみのこと。ダウン症の可能性があるかどうかをチェックしてもらう)

この先も不安は尽きないと思うけど、いつかこのnoteを
「心配しすぎだよ!」
と、笑い飛ばしながら見られる日が来ますように。


どうか、引き続きお元気で、我が子。




see ya

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?