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うぇるかむ和風異世界♡

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泰くん、うぇるかむ和風異世界!

異世界に来てくださったキャラクターの紹介です💗 泰くん 現代からやってきた、色素が薄いドジっ子。 現代 ↓ 秋名と出会い、秋名の住む蔵に居候 ↓ 慎と日向に出会う(異世界から来たことはまだ秘密) 異世界に突然放り込まれた大学生 秋名の処に居候している。 ドジで少し天然。動物に好かれる。 攻撃力が皆無。 (おだじさんの小説より引用) 🔻小説はこちら!

やす邂逅・1

目の前の優しげな顔をした男を、泰はちらと盗み見る。光の加減で銀色にも見える灰色の長い髪は、紐で一括りにされていた。 「転ばなくて良かったよ」 その柔らかな声にはっとした泰は、しがみついていたらしい男の両腕からばっと手を離し、赤面した。 着物に未だ慣れない泰は、よく裾を巻き込んで転ぶ。膝小僧をいつも汚してしまって、秋名に溜息を吐かれたのは何度だっただろう。 そんな彼をひょいと掬い上げたのが、目前の優男である。 「あ、ありがとうございます。あの僕は、泰と申しまして、あのーーー

ひっかかっているもの[SS]

「どうだ」 「どうだって、何が?」 すっとんきょうな声色が返ってきたので、日向はいらっとした。 「何がって、目の前にいるだろーが」 「泰がいるな」 慎の家から少々離れた、山の中の陽の当たるところで、泰はひっそりと本を読んでいた。そのまわりをメジロが二羽飛んでいる。動物の棲まぬこの山に、どこからやってきたのだろうか。 さらにそこから気付かれぬ程度に離れた場所に、日向と慎はいた。草陰に隠れるようにして、泰をうかがう。いや、うかがっているのは日向だけだ。 慎はのほほん

晴れた日

「わっ、吃驚した。また来ていたんだね」 泰は色素の薄い瞳を肩に向け、小さく微笑む。 ここ最近、泰を見つけるやいなや肩に躊躇いなく乗ってくる番らしき鳥だ。 読んでいた本を膝に置き、懐を探るが、小鳥達にあげられそうな物は無かった。 「ううん、いつも君たちのご飯を忘れてしまうなぁ」 小さな呟きに、『気にしないでいいよ!』ぴぃと二羽が鳴く。勿論、泰には鳴き声の意味など、通じてはいないのだが。 泰の肩から同時に飛び立った二羽は、頭上をくるくる回り、パタパタと楽しそうに羽ばたいている。