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カノープスの冒険 2

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再び、うさぎのカノープスの冒険が始まります。 今回は下界に下りた月兎(地上での命が終わり、月に住むうさぎ)のきょうちゃんを探しに行きます。 決まった時間までに帰らないと、地上をさ… もっと読む
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記事一覧

カノープスの冒険2 1

うさぎのカノープスは、気持ちの良い森で暮らしています。 以前、森を出て冒険をし、外にも…

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カノープスの冒険2 2

石畳の向こうに土の道が続き、そこには以前出会った月兎のドルチェがいます。 「突然のこと…

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カノープスの冒険2 3

「すごいな~。あ! それなら、きょうちゃんがどこへ行ったのか、探しようがないんじゃない…

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カノープスの冒険2 4

カノープスとドルチェが出会う一時間前に、ドルチェと手分けして「きょう」を探すため、月兎…

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カノープスの冒険2 5

長い毛の高齢な雌兎だとわかり、スピカは声をかけました。 「こんにちは、おばあちゃん。こ…

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カノープスの冒険2 6

デネブはちらりとスピカに目をやりました。 「事情を詳しく話しなさいよ」 スピカは素直にこ…

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カノープスの冒険2 7

二匹はデネブがいた草原に戻っていたのです。 「ありがとう、おねえさま。僕はもう地上にいられる時間が終わるので、先に帰ります。きっとドルチェが見つけてくれると思います……たぶん」 「だいじょうぶ、見つかるわよ」 デネブに励まされて、スピカの姿がゆっくりと消えていきます。 スピカは、ドルチェに心の中で伝えました。 「雪原にはいなかったから、たぶん海だ。僕は時間切れだから先に帰るけど、お願いね」 カノープスと話していたドルチェは、すぐに応えました。 「わかったよ、スピカ。私はカ

カノープスの冒険2 8

カノープスは、急に黙ってしまったドルチェを心配そうに見つめています。 ドルチェは安心さ…

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カノープスの冒険2 9

初めてドルチェに会い、大勢のシャチと共に天に昇るシャチを見送ったことを思い出し、カノー…

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カノープスの冒険2 10

ドルチェは苦笑いしました。 「ごめんごめん、肝心なことを教えていなかったよね。これ、き…

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カノープスの冒険2 11

一生懸命探しているうちに陽が暮れてきました。 「いそがなくちゃ。ドルチェの方にいたのか…

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カノープスの冒険2 12

きょうちゃんは、意気込んで言いました。 「シャチって、すっごくジャンプするんでしょう?…

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カノープスの冒険2 13

「天に昇るときは、塔だってすり抜けるのよね?」 目を輝かせるきょうちゃんに、カノープス…

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カノープスの冒険2 14

きょうちゃんは、真剣にカノープスを見ました。 「雷の中を飛んだりしないの?」 「僕が見たときは、穏やかな良いお天気の夜空を飛んでいきましたよ」 カノープスの答えに、きょうちゃんはがっかりしました。 「な~んだ。じゃあ、お月様から見る『お星様になるシャチ』と同じじゃない。ドルチェがわざわざ地上に降りたから、もっとすごいものが見られると思ったのに」 しょんぼりしているきょうちゃんを、カノープスはなんと言って慰めようか悩んでしまいました。 そこへ、ドルチェが駆けつけました。