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【リバース1999】パミエの剣や悪霊の正体について【徹底解説&考察】



今回はイケメン正義執行お姉さんのパミエのルーツを考察を交えて解説していきます。

まず彼女の名前や【本源】の”法定の審判”はパミエ教会の司祭、教皇ヴェネディクト12世がルーツになっていると考えられます。

本名:ジャック・フルニエ
1285年誕生
1317 年 パミエ司教に任命
1345年故 

パミエ教会の司教であったヴェネディクト12世(本名:ジャック・フルニエ)は当時のローマ司教の中でもかなり厳格な人間で、身分を問わない審判を遵守しておりました。
また教皇就任後は賄賂や縁故主義に反対し宗教組織の改革に積極的でした。

彼の異端審問官として経歴を著した”モンターニュ”では、多くの非信者や異端者を罰則に掛け、その内5人を火刑に処したと記されておりました。

続いて彼女の容姿に関して解説していきます。
まず彼女が羽織っている法服ですが、教皇が元ネタになっているとだけあって威厳のあるローブを羽織っております。
特徴的な襟元の二本の布は説教バンドという司祭が着けるものなのですが、これは近代になって着用されるようになったようです。

彼女の象徴となっている剣と天秤については裁判所にも銅像が飾られている女神テミスが関連していると思われます。
テミスは正義の女神とされ右手には正邪を断ずる剣を持ち、左手には衡平を表す秤を持っています。
ただここで彼女の名前について補足を入れていきますが、ステータス画面では彼女の名前はDIKKEと記載されています。
DIKKEという言葉に該当しそうなのはテミスの娘である女神ディケー(Dikē)が存在します。Dikēはギリシャ語で「裁判」「正義」の意味を持つことから、パミエはテミスよりもディケーの要素を取り込んでいるのではないかと考えました。

彼女のルーツになっているヴェネディクトもジャックという本名が合ったように、パミエが襲名でディケーの方が本名なのかもしれません。

続いて彼女の【ミディアム】となっている【律法】ですが、これは旧約聖書の最初の書である”モーセの五書”の事です。旧約聖書は勿論カトリックに通づる物なのでパミエと関係性は深さそうですが、彼女が持つフランベルジュに関連性があるのではないかと考えました。
彼女の持つ剣ですがフランス語で炎を意味するフランベルジュというノコギリのような刃を持つ大剣で、彼女の剣の名は”ハンムラビの剣”と言います。

ハンムラビといえば、古代バビロニア時代に作られた石碑”ハンムラビ法典”が有名ですが、これはモーセの五書の元となっている説があります。

まずハンムラビ王についてですが、彼はメソポタミアのほぼ全域を支配したバビロニアの王で、自らを”正義の王”と称し、3000年前に作られたとは思えないほど公平的で模範的な法律を敷き統治しておりました。

しかし彼女のフランベルジュと関連性がありそうなのはハンブラビではなく彼にハンムラビ法典を授けた、正義と太陽の神シャマシュなのではないかと考えました。
太陽神シャマシュは肩から炎のような放射を出しており、ノコギリのような剣で罪人の首を刈っていたと言われております。
奇しくも炎の剣の意味を持つフランベルジュの特徴を兼ね備えております。

次にパミエの肩に手を掛けている悪霊についてです。

シャマシュの肩から出ている放射は悪霊という説があり、その正体は冥界の神エンメシャラと言う説があります。かの神はバビロニア国家神のマルドゥクに敗れ、シャマシュに焼かれて断罪された後に悪霊となってシャマシュの肩に取り憑いたとされています。

つまりパミエ自身は女神ディケーの神性を宿しており、ハンムラビの剣は太陽神シャマシュ、そして悪霊はシャマシュに取り憑いていた冥界の神エンメシャラが正体なのではないかと考えました。

右がサイクロプスとも言われているエンメシャラと思われる。


・パミエに関するその他の補足説明をしていきます。

パミエの台詞で「歯には歯を、目には目を」というのがありますが、これはハンムラビ法典の規定である同害復習法(※1)に該当しますが、旧約聖書にも同じ言葉から始まる物があり、その教えの続きには「右の頬を打たれたら、左の頬も向けなさい」という有名な言葉があります。

このようにカトリック司祭であるはずのパミエは、キリスト教の『悪行には善行で返せ』と言う意味で『歯に歯を』という言葉を使っているわけではなく、異教のハンムラビ法典での『悪行には同害の罰を与える』という意味で言葉を用いているため、異端審問官でありながら異端者であるという矛盾を抱えています。

※1 同害復習法:同じ身分の者同士の場合適応される法律で、被害にあった同じ罰を与えること。(報復の応酬を抑制させるための法律)
※2 マタイによる福音書5章
「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人に手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。」(38-39節)

彼女が剣で裁決を下すのは決闘裁判が元になっていると思われます。
決闘裁判は原告が判決に納得しなかった場合、剣を持って審判を下す裁決方法で、キリスト教の信仰が元になっているようです。
また中世期に入ってからはフランベルジュが決闘用の武器として用いられることからパミエとの関連性が高いと思われます。

最後に彼女のユーディモである白いライオンですが、バビロニア時代ではライオンは王の象徴であり、ハンムラビも自身の事を”若いライオン”と語っていることから関連性があると考えられます。

パミエについてまとめると――
【本源】法定の審判=教皇ヴェネディクト12世/女神ディケー
【ミディアム】律法=ハンムラビ法典/太陽神シャマシュ
悪霊はシャマシュに取り憑いていた冥界の神エンメシャラ
誕生日:10月10日は死刑廃止デー

このように彼女はキリスト教の文化から古代メソポタミア文明に纏わる、法律や正義に関連づいた逸話をルーツにした存在だと思われます。

個人的にパミエは一番好みのキャラだったので、彼女のルーツを辿るのは楽しかったです。

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