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021 次産まれる時はただ幸せに溺れるあの子になりたい

お花屋さんになりたいって声に出して言えたあの頃みたいに未来に希望を持てなくなったのはいつからだったっけ。あの子はあの人と結婚して家族を作りたいと笑顔で語るけど私は来年の話だってしたくないのにな。未来が明るいと信じられる心が羨ましい。今が不幸なわけじゃないけど。目の前にある幸せだけを掻い摘んでいたいな。見えないものを考える余裕を持ちたくない。明るい希望を期待して裏切られたことしかないって思ってる。あの子だってあの人と結婚しても浮気されるかもしれない、子どもができなくて不妊治療に10年かかるかもしれない、結婚すら面倒なことは嫌だよって断られるかもしれない、あの子はきっとそんな不幸を想像しない。あの人を信じている、自分の幸福を信じている、だからきっと幸せになれるんだよね、なんとなく分かってる。此処がぬるま湯だと知っても分からないふりをして浸かり続けるほど冷えていく私とは違う生き物なんだよね。あなたに期待しないようにって意識してる。期待しちゃってる。裏切られた気になってる。本当はあなたのその形のままを受け入れられればいいのに。私だけ、私の思うままを受け入れて欲しいと思ってる。私だけが可哀想なふりをしてしまう。素直ってどうすればなれるのだろうね。次産まれる時はただ幸せに溺れるあの子になりたい。


021 次産まれる時はただ幸せに溺れるあの子になりたい

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