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不登校を乗りこえて9 止まっていた時間が動き出す

この文章は、息子と娘が不登校になった頃の記録です。

ご興味を持っていただけましたら、

不登校を乗り越えて1~今悩んでる人へ~からお読みください!(^^)!

目標が決まる

息子が中学校3年生の7月。はじめての進路懇談で止まっていた物事が動き始める。

三者懇談はいつも他の友達に会わないように最後の時間にしてもらった。

私も息子も頭では公立の全日制高校は行けるところがないと思っていたので、定時制高校か私立高校を視野にいれていたが、進路担当の先生が2校の全日制公立高校を提案してくれた。

今は不登校になってしまった子供も多く、その受け皿も昔より多く用意されているそうだ。

息子はそのうち1校の高校に興味を示した。その学校は息子が通ってる中学校からは誰もオープンスクールに参加しないとのことだった。それも彼にとって決め手となったのだろう。自宅から離れた所にある高校だか、海が近くにあり息子の好きな場所の近くだった。オープンスクールに申し込みをした。

夫に高校の名前を伝えたら、「遠いなぁ。今学校にも行けてないのに体が無理じゃないか。」と言った。確かに私もそれを心配していたから同意見だった。でも、本人が望むなら応援してあげたい。どんなつらい事があったかは分からないままだが、彼の二年をおもうと涙がでた。

オープンスクール当日は早く起きて電車で出かけて行った。息子は私達親に頼ったりしなく雨が降っていたが自転車で駅まで行き、そこから1時間をかけてその高校へ向かった。

私達は心配だったがきっと自立心が強いんだなと思い心で応援していた。息子の興味のある学校周辺を見てみたくて夫へ連れてい行ってほしいとお願いして息子には内緒だったが同じ日に車で私たちも高校へ向かった。

高校周辺を見て海辺に近くのんびりとした田舎ないい感じがした。彼がここで同じ学年のお友達ができて楽しく学校生活を送る事が目に浮かぶようだった。夫も私も初めは息子がちゃんと3年間学校へ行けるか心配だったが、帰り道にはここで頑張れるといいなという気持ちに変わっていた。何より今まで子育てに関心のなかった夫が「ここに決めて頑張れ。応援してる。」と息子へ伝えてくれと言ってきた。

息子が帰宅する前に帰宅したが結構遠くて疲れた。帰ってきた息子にどうだったか聞いたら「この高校に決めようかな。」と言ったのでそこから家族全員で息子を応援し支えていく気持ちへと変わっていった。

毎日別室登校するように

目標が決まったからなのかそこから息子は止まっていた時間が動き出すようにどんどん変わっていった。

夏休み明けには、ほかの子供とは会わないで別室登校するようになった。

週に1日程から2日、3日と増えたタイミングで、私のほうから「朝起きたり体を慣らす意味で1限目に間に合うように出かけて1時間だけ過ごして帰宅する生活をしてみたらどう?」と提案してみた。

息子は珍しく、私の提案を受け入れてくれて毎朝1限目に間に合うように登校するようになった。ここからが彼の弱点でもあるところなのだが、頑張りすぎてしまうのだ。すぐに午前中の時間は毎日登校するようになった。私は息切れしてしまわないか心配になったが、何も言わないようにした。また転んでしまったとしてもすべて受け入れていかなければいけない。息子はたぶん加減することが苦手なんだなと思った。

娘も登校したての時は何度も熱をだしたり、帰宅してからすぐ朝までねむってしまったり安定はしなかった。でもそこの小さな過程を踏んで踏んでやっと学校へ行けるようになった。

学校へ行けることを目標にしない

目標を学校に行けることにしてしまうと道のりは長くしんどい。なかなか受け入れられることではないが、別に学校に行けなくたっていいのだ。

本人が生き生きとしていること、健康なこと、ご飯が食べられて寝られているかはとても大切だ。

不登校の子供にはパワーを貯める時間が必要だ。ほかの子供より消耗も大きいのだろう。そしてよく眠る事や食事だけではなくて、家族の笑顔や見守ってもらえることの安心感も絶対に必要だ。

コロナ渦が始まり3年、息子が学校へ行けなくなってから約2年がたった。ここまで来るのにいろいろなことがあったが、真っ暗な部屋の中で息子が過ごしていた日々だったり、気持ちがわからなくて泣いた日、何が起こっているかも理解できないままにただ過ぎていく毎日を思い出すと今でも偶然に起きた出来事とは思えないほどに濃くて辛い日々。

数年ぶりに誰もいない家…。私だけがそこにいて、風にカーテンが揺れて静かだったのは、ものすごく不思議な感じがした。

暗闇の時から少しだけ前へ進んでると感じた。これはステージが変わるぞと思った。

だから私は忘れないように、前へ進めるように、この思いをここに残そうと思った。


つづく


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