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リブリオエッセイ「WEBライターの仕事はなくなるのか?」

『成功する複業』(後藤勇人、 ‎ ‎ アルソス)に寄せて

今、ライター業界に嵐が吹き荒れようとしている。2022年11月に公開された「ChatGPT」をはじめ、AI(人工知能)の急成長によって誰でも簡単に、それなりの文章を手に入れられる時代になった。

ChatGPT(OpenAI社)とは、音声や文章で指示を出すと、主にテキスト生成によって回答する対話型AIサービスだ。その後、精度の上がった新モデルが次々登場し、まるで人間が書いたような文章が作成できるようになってきた。画像・音声などのコンテンツも生成できる。

情報の正確さといった課題は残るものの、生成クオリティは急速に上がっていくに違いない。さまざまな分野で、生成AIを利用したサービス開発・実用化が進んでいる。特にWebライター業への影響は大きい。

私はWebライターとして活動しているが、先日、複数のクライアントから「記事制作にAIを導入するので、来月から単価を下げたい」と打診があった。「いよいよ来たか……」という感じで、地味にショックだった。

同じような他の仕事を探せばいい、という問題ではなく、今までの働き方やスキルが通用しなくなることを意味しているからだ。

生成AIを初めて使ったときは驚いた。何しろ、人間だったら数十分か数時間で書くような文章を、数秒で書いてしまう。24時間働いても効率が落ちないし、不平も言わない。テキストを依頼する側から見れば、人間のライターを雇うよりはるかに条件がいい。

その上、大手検索エンジンである「Google検索」もすでにAI化が始まっている。今までのようにWebの情報サイトを開かなくても、AIがネットから収集した情報を抽出して回答するようになった。

情報サイトの上位表示を目的にした検索向け記事(SEO記事)の仕事は、現在多くのWebライターの収入源になっているが、今後は激減するだろう。SEOマーケティングの仕組み自体が変わろうとしている。

とはいえ、ライターの仕事が全てなくなるわけではない。柔軟に働き方を変えやすいのもライターの特徴である。特に、1対1の人間関係が大切な取材系や、同じ経験や悩みを持つ人に寄り添うコラム・エッセイ系は、まだ人間に分がある。

AIをうまく活用すれば、執筆作業やメディア運営の効率化もできる。何しろ、人間だったら数十分か数時間で書くような文章を、数秒で書けるのだ(以下略)。AIに関わる新しい働き方も生まれていく。

「あれ?これって実はチャンスなのでは?」
必要に迫られないと、なかなか動けない私に下された「さっさと次のステップへ行け」というお告げだと思っておこう。

画像引用元:https://www.pexels.com/ja-jp/
#エッセイ


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