「金持ち父さん」を読まされてマルチ商法にまんまと引っかかった田舎者の話。
久々に記事を書く(笑)
というのもついこの間まで自分は俗に言う「マルチ商法」にまんまとハメられていた。そもそも「マルチ商法」とは何か?
マルチ商法 = 会員が新規会員を誘い、その新規会員が更に別の会員を勧誘する連鎖により、階層組織を形成・拡大する販売形態。(Wikpedia参照)
まあ、名前くらいは知っていた。どんなものかも中学校の社会の授業でうっすら学んだのは記憶にある。
でもね、実際に自分がその商法にまんまと騙されているなんて意外と気づかないものなんだと身をもって感じた。本当に今考えただけでもゾッとする...
自分のように騙される人がこれ以上増えないように、この記事を書きたいと思います。
出会い
出会いは1年半前くらいの涼しくなってきた秋の夜。
自分は当時派遣で家電量販店で働いており、仕事が終わった先輩と一緒に路上でおしゃべりをしていた。そんな時に「このあたりでオススメの飲み屋さんってありますかー?」とフレンドリーに話しかけてきたのは営業マンのY君。年もあんまり変わらない。その時は「いや〜、ここら辺あんまり詳しくなくて...」から始まり、気がついたら自分の趣味とか出身地(自分は愛媛出身です)の話をしててむっちゃ盛り上がり、また今度飲みにいこうと言う話になり連絡先を交換した。
絡みからのゲーム会参加
それから月に何回かY君と一緒にご飯を食べに行くように。
もともと「食べることが好き」という共通の趣味を持っていたので、オススメの店をお互いにシェアしながら仲をどんどん深めていった。
そして去年の10月頃、「実は社会人のサークルみたいなのがあってゲーム会があるんだけど、よかったら一緒に行かない?」というY君のお誘いを受け、「サークル」「ゲーム」という言葉に惹きつけられ参加。しかし、この段階では具体的にどういうゲームをするのか具体的には知らされていなかった。
会場に着くとまあ何十人のおんなじ世代の若者がいっぱい。しかもみんな元気いっぱいでパワフルな人ばかり。そこで初めてゲームの内容が「キャッシュフローゲーム」というものだと知る。
「キャッシュフローゲーム」とは、株、ビジネスなどを駆使して「ラットレース」というものから抜けることが目的のゲーム。お金の管理とか仕組みとかを理解するのにまさに打ってつけで、ものすごーく勉強になる。
実際にY君に横で教わりながら頭をフル回転させてラットレースから抜け出そうと試みる。「大事なのはみんなでラットレースを抜けることだよ」と言われ、協力しながら見事ラットレースを抜けた!
ゲームをした後はその場でお酒を持ち寄り交流会。そこで参加していた人たちと知り合い、夢や頑張っていることをシェア。この時はいっぱい友達もできて充実した一日を過ごせた満足感でいっぱいだった。
その帰り道にY君から「実はさっきのゲームの考案者の人が書いた本があるんだけど読んでみない?」とオススメされ、自分もノリノリでその本を購入。その本が「金持ち父さん貧乏父さん」の本だった。
謎の師匠が登場
その本を読み終えた後、Y君から「本を読んでみてどうだった!?直接感想が聞きたいな♪」と連絡が来る。まあ正直「こんなにも自由な世界があるんだな〜...」という感想。するとY君は「でしょでしょ!!ビジネスオーナーっていいよね〜!!」とものすごいテンションが上がっている。
そんなY君を見てすごく熱意がある人だなーと他人事のように感じていたら「よかったらさ、実際に脱サラしてビジネスオーナーになっている人が身近にいるんだけど、会ってみない!?その人にも本を読んだ感想を伝えてみようよ!」という話に。
まあ、この時点ですぐに違和感を感じて「それはいいや」って言えたらよかったんだけど、「こんなチャンス滅多にないから!」と言われたことで貴重な時間をくれるんだったら会ってみるか!って感じでその方と会うことに。
場所は浜松町のとあるカフェ。そこで出会ったのは20代後半ぐらいのまあまあイケメンな男性。会うや否や包み込むような優しい笑顔を返される。
そしてY君が話の進行役でその方に色々と質問。話が進んでいくうちにビジネスオーナーになる魅力をむっちゃ語られる。「ビジネスオーナーになって時間もお金も自由に使えるのって、最高じゃない?」って言われて、自分もだんだんとそれがすごいことなんだと洗脳されるように。気がつけばこの謎の師匠との面会がY君の手によって月1でスケジューリングされていった。
トドメの交流会。そして本格的に勉強会に参加...
そんな面会が4ヶ月ほど続いた後、ついにY君の口から「一緒にビジネスを師匠から学んでいかない?」という提案が。自分はこの時にはすでに完全に洗脳された後で、喜んで「YES!!」と答えた。
そして「今度タワマンの一室を借りて交流会をやるんだけど、一緒に学ぶ仲間たちも集まるからぜひ行こう!」と誘われ交流会に参加(参加費3000円程)。どの人も同じくらいの世代でビジネスオーナーになる夢を持ち、お互いに仲間として勉強会に参加していることを知る。その中の半分くらいは以前のゲーム会でみたことがある人だった。そして謎の師匠の登場。その場で「一緒に学ばせていただく」という胡散臭い宣言をさせられる。でもこの時は何も疑問を感じなかった。洗脳って怖い...
そして週末を使って朝勉強会というものに半ば強制参加をさせられる。会場となるレンタルスペースの扉を開けた途端にうるさいくらいの『おはようございますシャワー』を浴びる(笑)その場にいたのは交流会に参加をしていたメンバーほぼ全員(計15人くらい)。その勉強会では4人グループを作りその中から一人スピーカーを決めて、そのスピーカーが「マネジメント」「チームビルディング」「商売」などの項目に分けて話すというもの。参加費は毎回500円。「この500円の価値を500円以上にするのかは君次第だよ!」なんて言われたけれど、今思えばこの時点でもうこのチームへの出資が始まっていたんだね...。でもこの勉強会で学ぶ内容は決して嘘っぱちではなく、確かにビジネスとしてとても大事な話が聞けたのは確かだった。
...でも回数を重ねるうちにだんたんと違和感を感じ始める。
聞く側のオーバーなリアクション。何かと「ビジネスオーナーになること=良いこと」みたいな固定概念の植え付け。サラリーマンを良しとしないようなスピーカーの発言。友達づくりへの執着。そして挙げ句の果てに今度は自分がスピーカーの役目をさせられる(内容1回しか聞いたことないのに笑)。
さらに平日の夜の時間を使って「友達づくり」を促される。そのチームの中の人とタッグを組んで新宿・新橋・上野など比較的若者が集まりそうな飲屋街を狙って同世代の若者に声をかけLINEを交換するというものだった。表向きは「自分のチームビルディング力を高めるため」という目的だったけれど、本来の目的は...うん、つまりそういうことだよね汗
自分も初めは純粋に楽しんでいたけれど、タッグを組んだ人たちが死ぬ物狂いで友達を作ろうとしているのをみて、違和感を感じ始めるように。「え、そこまでしても友達作りたいの??」と思えるくらい平気で嘘をつく。趣味とか出身地とか。そして自分の中で「嘘をついてまで作る友達って、友達って言えるのかな...」とふと我に帰るようになっていった。
救世主の登場
一緒にビジネスを学んでいくと決意して1ヶ月。気がつけばその師匠のアドバイスで仕事、住む場所をほぼ強制的に変えることになる(といっても決断したのは紛れもなく自分なんだけど笑)。そのアドバイスは大前研一さんという起業家さんの名言に倣ったもので、
「人間が変わる方法は3つしかない。
1番目は時間配分を変える。
2番目は住む場所を変える。
3番目はつきあう人を変える。
この3つの要素でしか人間は変わらない。
最も無意味なのは、
『決意を新たにする』ことだ。」
というもの。
住む場所に関してはその「住む場所を変える」というものに従って師匠の家から近い場所にあるY君の家でシェアハウスすることになり、仕事に関してはその当時の仕事(SES系の正社員)の収入が恐ろしく低いのでもっと稼げるフリーランスとしてエージェントを紹介してもらった。
そんな感じでモヤモヤ感じつつも環境を変えようと思っていた時に、ちょうどその当時に仕事の出向先でお世話になっていた現場の社長さんから直々にお声がかかる。心臓が飛び出るほど緊張した(肩書きに弱い←)
どうやら出向先での自分の評価は以外にも高く、自分が抜けることも知っていたので是非正社員としてうちに来て欲しいとのお話。
実質フリーランスに比べると給料も安いし転勤もあるとのことだったので初めはお断りする気満々だったけれど、話をするうちにこの社長さんが「ものすごい人」ということに気づく。
まあそこら辺の話はメインじゃないので割愛するけれど、確信があったのは、この方は「相手も受け止めるし自分自身も受け止めることができる人」ということ。これは謎の師匠との出会いと比較できたのもあったけれど、そういう人に今まで出会ったことがなかった。直感的に「この人は頼れる人だ」と思い、自分の今の環境を全部話した。ビジネスオーナーの夢を持っていること。謎の師匠に教えてもらっていること。
その話を聞いた社長は一言。「その人って、どんな実績残してるの?」
洗脳からの解放...
社長から言われて「あれ?確かにこの謎の師匠はどんな実績残しているんだろう?」とふと我に返る。その翌日、お忙しいのにも関わらず「その人の名前教えて。調べてみるわ」と社長からLINE。名前を伝えて調べてもらうと...
「〇〇(←僕のあだ名)、この人怪しいよw」と社長から返信。
その謎の師匠は自分が経営する団体のHPを作成していたんだけれど、実績に書かれている数値はどれもセコい書き方でカサ増しされた数値。実績と呼ぶにはあまりにもお粗末でダサすぎるものだった(←社長談)
さらに極め付けだったのがこの方が書いた記事↓
ちょっと待って...全くおんなじこと経験してるんだけど...
もうこの瞬間、洗脳が全て解けた。「あ、自分はこんな人を師匠に張り切っていたんだ」と。多分その社長に出会わなかったら今頃その組織の一部として働かされていたかもしれない。そう考えると...怖いよね。
社長も言ってたけれど、自分が感じた「直感」は大事にした方がいい。なんだか怪しいぞ?って思ったらまず警戒すること。そして軽く「YES」って言わない。ちゃんと考えた上で行動すること。
人生の教訓がまた一つ増えたのであった。おわり。
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