見出し画像

【人工内耳】1.大学病院までの流れ

2019年の誕生日が過ぎた6月下旬頃。
使用中の補聴器が7年経過し、徐々に性能が落ちてくるにつれて親や他人との毎日の生活が苦痛に感じられることが増えた。調整してボリューム上げても聞き取りは改善されないので、現状の補聴器の限界を感じ、補聴器を新調すればまたある程度聞こえるようになるだろうという希望を持ち、補聴器店で新しい補聴器のサンプルをいくつか二週間ほど借りてみる。

購入予定の補聴器は両耳で約40万円くらい。以前より高額になっている…。
念のため、自分の正確な聴力を測るために近所の耳鼻科へ行く。私一人では医師の話が聞き取りにくいので、母に同伴してもらう。聞こえ辛さを感じても病院へなかなか行く気にならなかったのは、補聴器が高額なせいで手を出しにくいからなのであった。

ところが、この耳鼻科医院は医師が高齢化しており、昔ながらのやり方で新しい治療に対応しておらず特に私のような重度難聴は手に負えないらしい。ここで障害者手帳を取るための書類を書いていただいたので、その時のカルテは残っているようだった。補聴器外来がある別のクリニックを紹介してもらい、すぐにそちらへ車で移動。
新しく綺麗な個人病院で、内科と耳鼻科で併設。兄妹でやっているそうだ。耳鼻科は妹が担当で、歳は40代くらいだと思う。耳に赤い補聴器をかけており、どうやらこの先生も難聴らしい。

マスクをしていたので、すみませんが聞こえづらいのでマスク外してくださいとお願いした。しかも高い声なので聞き取りにくい。あとで調べてみたら、この先生は低音難聴だった。そのせいで高いのだろうか。
「…そうなの?」とマスクを外してもらったけど、難聴者はマスク越しでは聞き取りにくいことを医者なのに知らないのだろうかと疑問符が点滅した。

私が障害者手帳を取ったのは成人してからで、この頃はすでに両耳とも85db超えていた。
「これだけ重度難聴で手帳取るなんて、何かあったはず!何があった?」
強い口調で問い詰められたが、生活で必要なので取りましたとだけ答えておいた。

私の聴力はやはり右耳が少しだけ低下していて、90dbに達していた。
左耳は変わらず86dbくらいだったので、障害者手帳は4級のまま。てっきり3級に上がると覚悟してきたのに。
2017年に改正された成人人工内耳基準は
“平均聴力レベルが 70dB 以上、90dB 未満で、なおかつ適切な補聴
器装用を行った上で、装用下の最高語音明瞭度が 50%以下の高度 感音難聴”
新しく購入予定の補聴器でも語音明瞭度が35%以下の私の耳。特に高音が入ってこないので女性の声が聞き取りづらく、脳内の予測変換でなんとか会話出来ていたと思われる。

医「補聴器より内耳のほうがいいかもしれんね。決めるなら紹介状書くけど、どうする?」
私「お願いします」

3分経たないうちに人工内耳に決めてしまった。

まだ30代だし、早いうちにしたほうが頭が柔らかく効果があるらしい。高校生なんかは一週間くらいで聞き取れるようになるそうだ。

夏休みに入ると子どもの診察で予約が取れず、手術は遅くても3ヶ月後になる可能性があるので、早めに行ったほうがいいと言われ、明後日に大学病院の診察の予約を入れてもらった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?