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※個人的趣味の話※ 脱・日本語警察からの美しい日本語に萌え悶える

仕事柄、言葉については色々思うところや考えることがあります。

若い頃は、正しい言葉遣いに躍起になっていた時期があり、間違った言葉遣いを発見するとすぐに指摘をしていました。日本語として正しいか、正しい敬語は使えているか、当時の私は間違いなく日本語警察でした。私の周りにも日本語警察はいて、私のSNSやブログの投稿に指摘をしてくる人もいます。そんな方には心の中では大きなお世話ですと思いながらも、大人の対応で「教えてくださって有難うございます」と応えています。まあ、私も昔は同じだったんですけどね。

今では、正しい言葉遣いよりも、美しい日本語に心トキメキます。
私は、日頃どんな言葉を使うのかはとても大切だと感じています。
ただ・・・やたらにハッピーハッピー言うとか、死ぬこと以外かすり傷!ピンチはチャンス!と叫ぶとか、挨拶する時に、お元気様!ワクワク様!と言うとか、こういうのは好みません。「仕事→志事」とか「頑張る→顔晴る」とか「笑顔→愛顔」とかも好まないので使いません。前向きな発言をしよう!とかポジティブな言葉を使おう!という類の話ではありません。
私は、話した人も聞いた人も心が洗われるような清々しくなるような美しい日本語に萌え悶えるのです。もう個人的な趣味の領域ですね。

例えば・・・

自宅の近くにあるケーキ屋さんではこの時期、いちごにチョコレートをかけたスィーツが並んでいます。このスィーツを買う時、ケーキ屋の女将さんは『いちごは冷蔵庫に入れると甘みが遠のいてしまうので涼しいお部屋に置いてくださいね』とおっしゃいます。

甘みが遠のく・・・初めて聞いた時は、な、な、なんて美しい表現だろうと思いました。この美しい響きが聴きたくて毎年いちごのスィーツを買っています。

例えば・・・

作家の向田邦子の日本語は、色っぽくてちょっとおてんばな一面もあって、艶があり美しいので大好きです。

「海苔と卵と朝めし」というエッセイの中に以下の一節があります。
・・・三十を出たばかりの父は、重しをつけるためか、口ひげを立てていた・・・

普通に言うと、「三十歳を過ぎたばかりの父は、貫禄があるように見せるためか、口髭を生やしていた」てな感じでしょうか。これでももちろん意味は通じますし特段言葉遣いが悪い印象でもありません。しかし、向田さんの言葉には美しい絵画のような佇まいがあるのです。初めて読んだ瞬間悶えました。

少しキツい内容でも言葉遣いが美しいと伝わり方が違います。どんな言葉を選んで話すかでその人の印象も変わります。見た目麗しい美人が「ドチャくそムカつく!」などと言うのを聞いたら私はきっと卒倒するでしょう。

今は多様性の時代、ジェンダーレスな考え方が定着しつつありますし私も賛成です。でも、やっぱり品の無いおじさんみたいな言葉は使いたくない。ここはあえて「女性らしい」しなやかで美しい言葉を使いたい。

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