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月を掬う短編果実凸

はじめまして、お久しぶりの赤林檎です!
今回は久々に実りましたよ、10凸短編果実🍎

私の大好きなお月様が出てくる物語です
また、冷たい美味しい物も出てきますよ( 'ч' )
久々の果実みのるワンダーランド!
月物語に泳ぎにいくぞーっ

朗読等に使用する際は、こちらを一読してくださいっ


『お月様のシャーベット』

星を並べる
いつかの想いを込めて
空から掬ったお月様のシャーベット
星が光るから、其れをアラザンにして食べる
ガリガリして甘くてスプーン1杯じゃダメで
足元に転がる光は星の砂
海の音が私を呼んでいた
だから、1歩1歩進んでみる
足に海の冷たさが鳴る
キンキンに冷える海の音と
キラキラに光る星の音

海が私を呼ぶ
手には月を掬ったスプーン
月明かりが反射して、海は静かに月を揺らした
星の砂は私の足を歓迎して沈む
キラキラ光る其処は私だけの秘密の場所
お月様のシャーベットをもう1口
ひんやり冷たくて、空を見上げたら半月

「ちょっと食べすぎちゃったみたい…」

波が私の足を誘った

「ねぇ、お月様。私の願いを叶えて」

手で掴めそうなくらいに大きく見える月
スプーンをギュッと握る
ザプザプと波に逆らって、また海に誘われるままに私は深く歩む
月明かりが見えた
月が笑ったように見えた
もう1口、月を掬う
シャリシャリしたお月様のシャーベット
キラキラな星が私を照らす夜

私は服を着たまま泳ぐ
魚になったように泳ぐ
月明かりが海に映る
彼処までいけば、私は月に触れられる
そんな気がした
星が私を見下ろす

「この夜を私は、私は……」

グッと腕を月に伸ばす
月に指先すら触れられなくて、届かない
私のお願いを1つ

「ひかりたいだけなの」

いつだっただろうか?
光という物に憧れをもった
いつか私も何者かになれると思った
でも、私は平々凡々で、夢なんて無かった
いや、夢こそ光だったのかもしれない
夜、アイスを食べる
その真ん丸な形のアイスが、窓から見える月そっくりで
掬う事に甘くて、月を食べてみたいと思った

星を飾る、月を飾る
部屋は、星空になった
それじゃぁ満たされなくて海に出かけた
海は私を包む
魚になって泳いだ海は私のものだった
手を伸ばす
月には届かない
ただ、このまま何者にもなれないなら…

「なりたいものなんてないよ…」

私の手からスプーンが落ちた
私の涙がポチャンと堕ちた

先生が将来の夢をとく
作文用紙に「月になりたい」と書いた
分かってる、意味が分からないって
ただ輝きたいだけなの
月に触れたい、触れられたら何か変わる
そんな気がするの
そんなの気のせい、それも分かってた
ただ光りたい、何者って何者?
お月様のシャーベット
三日月が空に浮かんでいた

未来を見つめて、光ってるって思って
みんなが次々に書く将来の夢
私が惹かれたお月様
海に潜る、永遠の魚になる気分で
泳げ、掴め、水を、月を、光れ

「ひかって!!」

月が輝く、私を見下ろして満月に輝いた
流星のように星が舞った

その光景を私は一生忘れないだろう
星の砂を瓶に入れて持ち帰る

夜空が光ったあの日以降
私はプールを泳いでいた
海の横のプール
夜になれば月がよく見えた
星が歌っていた
そして、また海に潜った
月を掬うために
グッと伸ばして指先が月に触れる
お月様のシャーベットが私の口を更に冷やす
甘くて美味しい真ん丸アイス

「私の夢、みつけた」

部屋に星の砂を入れた瓶を並べる
足元には星を並べた
天井には、真ん丸お月様
夜空を並べて歌って、夢の中でも海を潜る

魚になった私は月を見上げる
月の光を借りて、私は輝いていた
夜空を抱いて、星を並べて、月を掬い食べる
輝きたい、それだけ
腕をグッと伸ばして掌が月に…

「掴んだ、お月様」


私、これを書く前に雪見だいふくを食べてたんです
美味しいですよね、真ん丸雪見だいふく!
そしたら物語が降ってきまして……
果実みのるワンダーランドに実ったお月様のシャーベットは最高に美味しいですよ(*´ω`*)
では、皆さん!
また何処かでお会いしましょう*˙︶˙*)ノ"マタネー

𝕤𝕖𝕖 𝕪𝕠𝕦🍎

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