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1億円を手にしたい子どもの夢をつぶしてしまった話

中学生の子がテレビで見た話をしてくれました。
「二人の男の人が銀行強盗をして1億円を手にしたんだよ。もう一生遊んで暮らせるんだって言ってた。僕も欲しいな、銀行強盗は一気に大金を手にできる。」
と、目を輝かせて。



そうだね、1億円あればいろんなことができるね。

夢が広がるよね。

銀行強盗が成功するのは難しいかもしれない。それを成功させたとして。

捕まらないことなんて難しいかもしれない。でも逃げ切れたとして。

そのお金は他の誰かの大切なお金だと思うけれど、そんなの気にしなかったとして。



二人の男の人が一緒に、ある程度裕福に暮らすためには地域にもよるけれど月に50万円かかると仮定して。

月に50万円ならば 50万×12ヵ月で 年間で600万円かかる。

1億円を1年600万円で割ると16.66666・・・・・年で使い切ることになるよね。

銀行強盗を実行した年齢が20歳と仮定すると36歳過ぎで1文無しになってしまう計算になる。

一生はもっと長生きするかもしれないからちょっとこのままでは一生遊んで暮らせないね。


よし、月に50万円が大きく出過ぎたね。もう少し切り詰めて生活しよう。月に30万円。
一人一人に分けてしまうと1人あたり月15万円になってしまうから男性二人で仲良く暮らして家賃も手ごろなところで自炊して。
光熱費に気をつけて。でもたまには遊びに行ったり外食したり。
楽しいかもしれないね。
急な病気で思わぬ出費が出たり、友達の結婚や出産で嬉しいんだけれど数が重なるとつらくなる出費もあるかも。車も分割で買えるかな。

二人で月30万円。
すると1億÷(30万×12ヵ月)=27.777・・・・・年。

20歳で実行すると47歳過ぎに1文無し。

どう計算しても老後が心配になるエンド。



そして、忘れてはいけないのは大きく2点。

1点目はもうお金が入ってくるあてもなく減り続ける一方だということ。
そこには不安しかないはずです。

入ってくることがわかっているから、安心して使うことができる。
それは、お金も愛情も同じことだと思います。

今、あなたのそばにいて愛情を注いでくれている人は、これからもずっとそばにいて変わらず愛してくれると思っているからわがままが言えるし軽く扱ってしまうこともできる。
でも、その愛情が減り続けていくとしたら。不安しかないよね。

ちょっと論点がずれてしまいましたね。

もう1点は何もしない時間は苦痛だということ。
目標もなく、誰かの役に立つこともなく過ごす時間は最初は楽しいかもしれません。
自由だ!何をしてもいいんだ!と解放された気持ちになるかもしれません。
けれどそれが何十年も続くと自分の存在意義や存在価値が分からなくなります。

自分のしていることがいつの日か、直接的でも間接的でも誰かの役に立ってどこかの誰かの口角を少し上げることができているとしたら。誰かの心を少し軽くしているとしたら。
それは自分の存在価値を十分証明してくれる出来事になるのではないでしょうか。
その経験ができないまま過ごす時間は寂しいんじゃないかな。



あなたはまだ今から何にでもなれる。

好きなこと、やってみたいことを仕事にして。

自分の価値を認めてもらえた結果としてお金をもらえて。

そのお金を自分の好きなように使って。

あなたは自由だよ。

そして、生涯で1億円以上稼ぐことも夢じゃないよ。

あなたにはそれだけの価値があるんだよ。

銀行強盗で得られる1億円なんか比べ物にならないくらいの価値が。

そして、あなたのまわりにいる、愛してくれている人を大事にしてください。いつまでも一緒にいられるとは限らないから。




1億円を銀行強盗で手にする夢を壊してしまってごめんね。






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