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感想「青い花/谷崎潤一郎」

書き殴りであり、個人の感想。大体的外れだと思う。が前提。

登場人物は二人。
岡田…妄想ワールド大好きおじさん。
あぐり…あざとい若い女の子。

タイトルについて(個人の感想です)
青い花=手に入らない物のメタファー。
あぐりは存在しない岡田の中の妄想?
あぐりという女が手に入らない女として描かれているのか?(いくら貢いだとて、この子の心は岡田のものにはならない。そもそも岡田が欲しいのはあぐりの心ではなく総合的な意味での体。着飾る人形として、性癖を満たす女として。みたいな。)

○岡田 あぐりという女性と付き合っている?P活をしている?男。中年。30代。ふくよかな体つきをしていた。しかし病で日に日に痩せ細っている。糖尿病。自慢の丸いお尻も今では骨と皮。踏まれたりするのがお好き。どんなプレイをなさっていたのか。性の絡まない方面の耽美さに重きを置いて話したいのでその辺は割愛。あぐりに貢ぎまくっている。しかしあぐりの心が欲しいわけでは無く、あぐりの見た目や踏んでくれる所などの欲望を満たしてくれる所が好きなのだと予想する。故にあぐりに気が多いことも関係がないし、喜ぶ事もする。NTR好きなのかもしれないし。そもそも誰かに貢ぐという行為は楽しいものだ。美しい(可愛い、かっこいいも含む)形に自分の金で好きな女がなっていくのはさぞ楽しい遊びだ、わかる。また、彫像と言ってもいた。いっその事、あぐりという女自体が彼お得意の妄想で作り上げた理想の女なのかもしれないとかも考察することが出来て楽しい。信頼できない語り手に勝手に岡田をする楽しさもあるということ。彼は今どこに居るのか。本当に金持ちの中年なのか。はたまた床に臥してる中での妄想なのか。

○あぐり かなりやり手の女だし、多分女からめちゃくちゃ嫌われるタイプ。だってさ、お買い物してお金が余ったら腕時計を買って♡なんて言う女キィ!ってなるじゃん。個人的には女が好きなもんで、何だこの女ァ!でも買っちゃう可愛いんだもんお前!!!!ってなるかな…恐ろしいね。岡田の妄想の中のあぐりも「お前の夢があたしになって、こんな美しいあたしになって、ぴんぴん生きているんだから。」と言ってた。そういう女って可愛い。振り回してくるタイプ、我儘な女、可愛いのよね。この辺も割と岡田に共感してしまった。女としても読めるし、女好きとしても読める、二度美味しい。

総じて共感の嵐ではあった、店を見ている時の感想もそう。あぐりの皮膚が売っているというやつね。好きな子は誰より可愛く見えるもんで、巷に溢れかえる服だのバッグだのの装飾品全てが好きな子のために用意された皮膚なのだと、完全同意した。

一つ分かり合えないとしたら、私の考察上の話にはなるけれど、
「着せ替え人形に心は要らない」
ということ。私は好きな女を彫像だとも人形だとも装飾品だとも思わないから。そこだけはこの人と分かり合えない所だと思った。根っこの部分が合わないなあと思いつつ、岡田には同意せざるを得ないところが多すぎた、もし本当に存在するのなら、一度話してみたい。

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