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7月12日(金曜日)もう話しかけない

帰宅時の階段で金髪の彼女と一緒になった。
5月、6月とほとんど出てこれなかった彼女に
「正直、今月になっても席があったのでほっとした」と伝えた。
「え?なんですか??」
強めの口調で返事が返ってくる。
同じことを伝えるも一度微妙な顔で振り返っただけで返事はない。
地上に落りると私は別の階段から地下に入り。歩調を速めた。
おそらく振り返れば彼女はいる。

「嫌われてるじゃねえか、嫌われてるじゃねえか」
同じことをつぶやき続けホームにたどり着く。珍しくkindleアプリで電子書籍を読む。
平静ではいられない。文字にすがりつく。
芥川賞をとった障碍者が主人公の小説。
書籍の中の主人公も世の中すべてを憎んでいる。

乗り過ごす。

全てフィクションです。

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