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6月10日(月曜日)やはり変態。

「猫の写真見せてください」
このセリフがなかなか言えない。

「さっきSさん休憩室にいたのに猫の写真みせてくださいっていえなかったです。はずかしくて」
「なんでですかいつでもいってくださいよ」
笑いながらSさんは返事をしてくれた。

Sさんは丈の長いシャツをきてパンツルック、スニーカー、黒髪ショート。結構分厚い眼鏡とおとなしめの見た目だが私はけっこう好感をもっている。
大学から出てきたら大学生にも見えるし、30半ばにも見える。

ある金曜日、仕事帰りに最寄り駅につくとなぜかSさんがいた。壁にかかった地図をみつつ何かを探している。
Sさんはよくある苗字なので私は下の名前で呼びかける
「あ!」
といって小さく飛び上がり手を振ってくれる。乙女だ。

なにしてるのか尋ねるとワークマン女子にいってジャケットを見たいとのこと。次の出勤日に「じゃけっと買えました?」と聞くと「うーん、安かったんですけどね。」とお気に召さなかった様子。

そんなSさんだが髪の分け目に白髪が見える。
そこがまた好感がもてる。

すべてはフィクションです。

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