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【EDH】《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》

こんにちは、Sipsophilaです。
今回は『団結のドミナリア』の発売と、頻繁にEDHができる環境が無くなることもあり、ここ1年半使用し続けた《自然の怒りのタイタン、ウーロ/Uro, Titan of Nature's Wrath》のデッキを供養しようと思います。

【デッキリスト】

記事公開当時 2022/9/3

【デッキの特徴】

前置きとしてデッキのメリット・デメリットについてですが、「EDH ウーロ」と検索すればより詳しく解説されている方がいらっしゃるので、軽くまとめるだけにしたいと思います。

○ メリット

・ロングゲームに強い
「土地という触られにくいマナベース」、「毎ターン追加のドローが可能」、「継続したライフゲイン」これらの要素を備えたジェネラルが、「統率者税を支払わずに唱え続けられる」ことによりゲームが長引いた際の継戦能力が高いのが特徴です。

・ライフカット能力が高い
「妨害を構え続けないといけない」というコントロールデッキの弱点を、ジェネラルの6/6というP/Tによる圧で、対戦相手を動かざるを得なくすることによりカバーしています。

✕ デメリット

・早く仕掛けられるコンボが無い
ジェネラルを着地させた後、追加ターンによるチェインコンボが勝ち筋になっているので、コンボの速度勝負を仕掛けることはできません。
そのため、2,3ターン目でのコンボを目指すデッキが多い所謂ブッパ卓では立ち位置が悪いです。

・置物での妨害が刺さりやすい
多少の対策はあれどジェネラルが墓地を利用するデッキかつ、追加ターン   という大ぶりな呪文を軸とするという都合上、一部致命的なパーマネントで の妨害を受けます(安らかなる眠り、締め付け etc…)。

【構築の方向性】

前述の通り、ウーロ着地からは追加ターンを連打することを目指します。
早期のクリーチャーのキャストは止めづらく、アドバンテージ源としての信頼性も上がります。
最低でも4ターン目にはウーロの定着を狙うための、明確なキープ基準を設定している点が従来のデッキとの違いです。

それでは現在採用している早期着地用カードを役割ごとに紹介します。

●墓地肥やし 19枚
 《入念な研究》 U / 3枚
 《思考掃き》 U / 3枚
 《留意》 U / 3枚
 《ギタクシア派の調査》 (U/Φ) / 1枚
 《輪作》 (G) / 3枚
 《親身の教示者》(→巧みな軍略 or 壌土からの生命※) U + 1U or 1G / 4枚
 《商人の巻物》(→大あわての捜索) 1U + (2U) / 4枚
 《巧みな軍略》 1U / 3枚
 《叱責の風》 1U / 3枚
 《壌土からの生命※》 1G / 3枚
 《睡蓮の花びら》 0 / 1枚
 《各種フェッチ(8枚)》 なし / 1枚

低マナかつ1枚で5枚墓地を増やせるカードは存在しないので、2枚セットでのキープになります。その為、そこまでのキープ率向上にはなりませんが、後半に引いてもドロー操作やサーチによって展開を安定させることができるので、軽量なものはできるだけ採用しています。
※《壌土からの生命》はフェッチとセットでしかキープできません。

●もみ消し系統 6枚
・3ターン目
 《もみ消し》 U
 《とんずら》 U
 《渦巻く霧の行進》 (X)U
 《倦怠の宝珠》 2
・4ターン目
 《物語の終わり》 1U
 《計略縛り》 1U

構築を大きく変えた要因です。『神河:輝ける世界』、『ニューカペナの街角』と軽量フェイズ・アウトカードが刷られ、1枚でキープできるカードが2枚も増えたためマリガンを積極的に行う方針に変更しました。
これらは妨害と兼任していることや、1,2ターン目の動きをフリーにしてくれることから、デッキとしてのコントロール性能を落とすことなく採用が可能な点が魅力です。

●万能サーチ 2枚
 《神秘の教示者》 U
 《直観》 2U

上記のカード群から適切なものをサーチして使用します。
序盤、中盤、終盤、隙のないカード達ですが、青緑という都合上サーチは少ないので確実に通していきたいところです。

これらのカードを組み合わせると、初期手札に墓地肥やしを2枚引く確率が40.3%。1枚でキープ可能なカードでは45.6%となります。
これらに加えて十分な土地をキープできるかは保障しかねますが、土地が37枚と多めな点、墓地肥やしやサーチがドローサポートを兼任している点、ウーロのETBでのドローによって3ターン目で11枚のカードに触れる点から概ね安定して土地を置き続けられます。

【採用コンボ】

揃えやすい無限ターンのみに絞っています。理由としては、「単体で何もしないカードやサーチしにくいカードは、デッキ内の妨害の純度が下がりコントロールという性質とかみ合わない」、「追加ターンを数回得ればダメージで相手を倒せるカードを採用している」といったものが挙げられます。

①《壌土からの生命》+《神秘の聖域》+《永劫での歩み》
一番よく使う無限ターンです。永劫での歩みは唯一採用している対象を取る追加ターンなので、《偏向はたき》されないように気を付けましょう。
3枚すべて固定なので1枚でも追放された場合コンボできませんが、代わりとなるコンボは多くありますし、いずれも単体で強力なカードなので、出し惜しみせずガンガン切っていきます。

②《壌土からの生命》+《神秘の聖域》+《幽霊街》+追放されない追加ターン
①と同じぐらいよく使う無限ターンです。コンボ枚数は4枚と多いですが、すべてのカードが墓地に落ちていてもコンボ可能なので、いつの間にか揃っていることもしばしばあります。(母聖樹が自軍も対象に取れたらな~)

③《運命のきずな》+ 墓地肥やし
これをコンボと言っていいのか分かりませんが、デッキを掘りきれば無限ターンです。毎ターン発掘を繰り返せば、1ターンで6枚ぐらいはデッキを減らせるので案外実用圏内です。デッキに戻るのが置換効果なので、デッキから直接追放されない限り使えるのもポイントですね。

【特徴的であろうカード】

《壌土からの生命》や《直観》が強いのは分かりきっている(先人の解説なども存在する)ので、ここでは敢えて他のリストで採用されていないようなカードや、ここ1年で登場したカードの解説を主にしていきます。

◆戦闘用カード

メリットの項でも書きましたが”ライフカット能力が高い”というのは、相手を能動的に動かせやすいという意味でもあります。その為、コントロール特有の対応札の「抱え落ち」を防ぐために、ある程度は戦闘用のカードを採用するべきだと考えています。

《死者の原野》
ウーロの脇を固める最強トークン生成土地。
土地でのマナ加速をメインとするこのデッキでは容易に土地7種類の条件が達成でき、1ターンに複数回誘発させることも可能です。
無色のタップイン土地なのはUUGGを要求するウーロからすれば最悪ですが、4ターン目に脱出を狙う場合には、3ターン目にETBでタップインを逃がせると良いですね。

《金粉のドレイク》
ジェネラル依存デッキの場合、これだけでゲームセット級の効果を持つシャークトレード製造機。
ソーサリータイミング限定ですがやはり軽いのは正義であり、このデッキはウーロさえ居れば毎ターンの3点もチャラにできる点でも使い勝手を向上させています。

《突然の置換》
不穏なキーワード能力に、不穏な効果の書かれたカード。
軽量インスタントを多く採用しているのでクリーチャー奪取が可能ですが、主に対戦相手のカード同士を交換する用途がメインとなります。
例としては、「優位な相手に対しての打ち消し呪文と、優位な相手のジェネラルを対象にとることで、二人の対戦相手を同時に減速させる」といった使用法です。刺さる条件の狭そうな印象に反して唱えたい場面にはよく遭遇します。

《約束された終末、エムラクール》
イェイ イェイ 終末最高! 終末最高!なちゃぶ台返しクリーチャー。
墓地にカードタイプがそこまで揃わないので軽減されて精々3マナ程度ですが、止めづらい誘発型能力で有利な相手を概ね2人ぐらいは破滅させられる事を考えれば10マナでもおつりがくる程の性能ですね。

《急嵐のトリクス》
デカい《遵法長、バラル》と思っていただいて差し支えありません。
瞬速、飛行4/5というブロッカーとして頼りになるボディがあるので、動き始める前のターンにここぞとばかりに唱えれば、相手のクリーチャーを討ち取った上に、打ち消し耐性も付きます。なお、追加ターン連打で勝てる際に打ち消されてしまっては元も子もないので、自制心が試されます。

◆新規採用カード

《とんずら》《渦巻く霧の行進》
令和にもみ消しと同レベルのカードが刷られることは無いだろうと思っていましたが、ウーロ的には肉薄するレベルのものが出てきました。
フェイズ・アウトは通ってしまえば1巡の間は除去を受け付けず、フェイズ・インする時にはマナが起きているという盤石さが魅力です。
因みに、《渦巻く霧の行進》は発売時には試そうとも思いませんでしたが、《とんずら》を試してみてあまりの強さに評価をひっくり返して両採用としました。

《耐え抜くもの、母聖樹》《天上都市、大田原》
妨害兼土地というバグカード。その上起動コストも軽減されるバグ仕様。
自然に妨害枠を土地に変更できたため、マナスクリューが目に見えて減少しました。ジェネラルを維持する戦略、《壌土からの生命》での回収など全てがかみ合った納得のパワーカードです。

《飲み込む潮》
ウーロ最推しリセットカード。
今までは全バウンスといえば《サイクロンの裂け目》は当然としても、微妙なラインではウーロとは相性の悪い《沿岸崩壊》ぐらいでした。しかし、このカードは同じく4マナと軽量でありながら、ウーロを残すことができ、さらにドローまで付いて来るという大盤振る舞い。相手のパーマネントも1つは残してしまいますが、大抵はそれよりもウーロのほうが強いので問題ありません。

《墓所の照光者》
少し悠長なところは気になりますが、墓地対策及びクロック、《未来予知》を詰め込んだ追加ターン型ウーロにとって夢のクリーチャー。
マナを残してETBでインスタントを追放すれば、そこそこの確率で妨害をデッキから捲ることができ、こういったカードの弱点を緩和できているのも良い点です。

【デッキ調整】

ここまで多数のこのデッキの利点や面白さを書き連ねてきましたが、やはり《むかつき》《深淵への覗き込み》での早期決着を狙う「Turbo Ad」と呼ばれるデッキなどは相性的に不利ではあります。そういったデッキが多く存在する環境でのデッキの調整案を、最後に軽く紹介したいと思います。

①打ち消しを増やす。

現時点でも、2マナ以下で唱えることができる打ち消しが13枚(もみ消し亜種含む)、除去が6枚(フェイズ・アウト含む)と枚数だけ見れば十分かもしれませんが、汎用性を重視して選んでいるので内訳としては重いカードも多いです。
軽さを優先した場合には、《払拭》《狼狽の嵐》《誤った指図》などが候補に挙がるので、これらを長期戦を見据えたカードと入れ替えると良いでしょう。

②妨害置物を増やす。

現在の構築は、少量のマナファクトをいれることで速度勝負によるワンチャンを狙う構築にしていますが、その枠をまるごと妨害置物の枠に入れ替えるといった案もあります。
《無のロッド》《溜め込み屋のアウフ》《減衰球》といったあたりが現状通りが良い置物でしょうか。また、①との折衷案として少しばかりマナはかかりますが、《交錯の混乱》なども有用です。

【終わりに】

毎度のことながら、このような長文の閲覧ありがとうございます。このデッキ紹介を通じて"EDHというゲームの妙"、或いは"構築の魅力"を伝えることができたなら幸いです。また、質問などあればTwitterにも連絡をいただければある程度は答えます。それでは。





【おまけ】

よく《直観》でサーチするパイル3選!

①《壌土からの生命》 +《永劫での歩み》+ 青含むフェッチ
事前に島を3枚以上用意できれば、実質的な1枚コンボの切り札的運用です。
大抵《壌土からの生命》を選ばれるので、1G + 4UUでの運用となります。 
このデッキに搭載されているコンボはマナが多く必要であり、バックアップとして打ち消しも構えるとなると8マナ以上要求されることもざらです。そのための基盤作成として選ぶのが次のパイルです。

②《壌土からの生命》+ 青含むフェッチ + 欲しい土地
近い役割を持たせたカードを多く採用した、所謂"金太郎飴構築"なので、せっかくなら序盤から使用していきたい場合の用法です。既にフェッチを持っているなら欲しい土地を2枚にします。
基本的には墓地を増やさないために《壌土からの生命》を選ばれます。
打ち消しの多い卓なら《すべてを護るもの、母聖樹》、殴りジェネラルが多い卓なら《死者の原野》、ウーロの通りが良い場合は《魂の洞窟》、といったように(前2枚は無色タップインということもあり)先を見据えてセットしておくと良いでしょう。

③打ち消し +《壌土からの生命》+  欲しい土地
通ったら負けが確定する場面で、対応策がほかにない時の苦肉の策です。
他のプレイヤーを対象にすれば打ち消しを選んでくれます。選択肢が無いのを良いことに、残り2枚は目一杯欲張りましょう。

余談ですが、《直観》は"対象を取る"、"青い"カードなので《夏の帳》を持っている可能性のある緑含むプレイヤーを対象にするのは控えましょう。



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